軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

講演会で感じたこと

20日日曜日、靖国崇敬奉賛会主宰の「英霊慰霊顕彰勉強会」で、高森明勅氏の進行でジャーナリストの山際澄夫氏と講演してきた。
雨または曇りとの予報を裏切る快晴で、境内は参拝客、生け花の会合もあって、和服のご婦人方で溢れていて、英霊も喜んでおられると直感した。
参加申込者は131名、若者が目立つな〜と思ったらやはり平均年齢は52・9歳、大和撫子は25名ということだった。東京在住者や関東一円からだけではなく、福島2名、山形1名、京都、岡山からも駆け付けてこられた方々がいて感動した。

靖国神社新嘗祭=インターネットから≫


演題は山際氏が「大震災で分かった国家の在り方」、私は「英霊と自衛官たちの苦節と無念」と題して長年の体験をもとに赤裸々なお話を申し上げたが、質問用紙が12枚届き、それぞれ熱心な質問だったから大いに考えさせられた。
残念ながら時間切れで全員にお答えすることはできなかったが、代表的なものだけを選んでお答えしたから、かゆいところに手が届かなかったことであろう。

要は、英霊に対する無礼(靖国参拝)と自衛隊非難の根底にあるのは「軍事=悪」という異様な戦後の“脳内汚染”が原因であり、それは歴史を顧みない戦後教育と、虚言をばらまくマスメディアの責任が大きい、というにあった。

質問は皆さんきわめて熱心且つ鋭いものだったが、中に「FX」に関する極めて専門的な質問があったのには驚いた。

朝日の「天声人語」などは、震災でF−2を失ったことを「お粗末!」と決めつけ、防衛省のFX予算獲得を妨害しようという意図アリアリだが、3機種の比較検討や、次期FXでは国産機の開発をすべしという意見だったから、いつも『反対活動』ばかり受けて来た私としては意外な感じだった。

これも尖閣などの領土問題、今回の大震災での自衛隊の行動と日米共同活動が、高く評価されたからか?と思ったのだが、TPPで大騒ぎしている意見の中に安全保障問題が欠落していて、反米、特に米国の陰謀説が保守派の中にみられるのが理解できないのだが、さすがに靖国に参拝する方々だけあって、実に冷静な分析をしていて嬉しくなった。
国家安全保障が確立されていないで、貿易の自由が確保されるはずはなかろう。


米と対立する経済破たんが近づきつつある中国の今後の世界的孤立化が見ものだが、すでに中国からの外資の引き上げが始まっている。
国内暴動、権力闘争、どれ一つとっても彼らにいい情報はないようだが、気をつけねばならないのは「軍の暴走」である。
たとえ旧ソ連のお下がり空母だとはいえ、“ドンガラ”を目前にすれば、誰でも威圧感に押されるだろうし、それで自分が強くなった!と錯覚するのが軍人である。
質はともかく、量的に太平洋を制圧できる、と勘違いする軍人が出てこないとも限らない。


今朝、防衛省は中国海軍の艦艇計6隻が22〜23日にかけ、沖縄本島宮古島の間の公海上を、東シナ海から太平洋に向けて通過したと発表した。公海上のため国際法上の問題はないというが、海自のP3Cが「宮古島の北東約100キロの海上を通過する中国海軍の情報収集艦1隻を発見。海自は同じ海域で、同日午後10時ごろに補給艦1隻を確認し、さらに23日午前1時ごろにはミサイル駆逐艦など4隻を見つけた」という。

ミリバラによると、太平洋では中米の「数的比較」では、艦艇36:9、戦闘機数では403:154と中国が圧倒的に優勢である。この数的マジックが、文化大革命で素養が欠如した高級軍人のよりどころであり、今なら米国に勝てる!と錯覚しやすい危険がある。だから米国は、なり振り構わず?その“劣勢”を日・韓・豪の戦力で補おうとしているのである。FX問題もその観点から見る必要があろう。


いずれにせよ、2012年危機を控えて、我が国を取り巻く情勢は一段と緊張を増しつつある。
「この国の政治に愛想が尽きたから少し静かにしたい」と言ったら、友人がはるばる遠距離電話をかけてきて「半島出身者がかなりの部分を占めるという現政権に乗っ取られた一番危険な時、国家再生のためにもうひと踏ん張りしてほしい!」と言われたが、老兵にできることは限られている。


今朝の産経一面に、自民党安倍晋三元首相が22日≪産経新聞のインタビューに答え、首相在任中(平成18年9月〜19年9月)に靖国神社に参拝しなかったことについて「それ以来、首相の参拝が途絶えたことでは禍根を残してしまった。春の例大祭か夏(終戦記念日)に参拝すべきだった」と述べ、首相の靖国参拝を定着させるためにも参拝を決断すべきだったとの考えを表明した≫という。

≪産経から≫


在任中は拉致を優先したが「靖国参拝すべきだった」と語ったというのだが、自らがある席で語った様に「政治は結果がすべて」である。しかしほとんどの政治家たちはその「結果責任さえ取らない」こともまた事実である。

大東亜戦争で、敵方から処刑されたとはいえ、堂々と責任をとった先輩たちの勇姿が、今ほど鮮烈に思い浮かぶ日はない。

25日には、戦後日本に愛想を尽かして自栽した三島由紀夫追悼の催しが各所で開かれる。
御労しや、今上陛下はご病床にあって新嘗祭をご欠席あそばされた。日本国の行く末を案じておられる陛下の御宸襟を悩ます臣どもに鉄槌を下してほしい…と英霊に祈ったのだが、その程度が非力な老兵の務めなのかもしれない。

勤労感謝の日、国旗を掲揚しながら、かっては「新嘗祭」に由来する祝日だったと考えた。紀元2671年、何かしらわが国の大元が徐々に崩壊しつつあるような気がしてならない…。



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