軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

爆弾低気圧とミサイル発射

大震災後一年、復興の遅れもさることながら、民主党政治が国民無視の醜態を続けているからか、春の嵐が列島を襲った!
あるTVで「爆弾低気圧…」と表現していたが、半島通過後日本海で急激に発達した有様は、列島の大掃除かと思われる、そんな感じさえあった。

高台にある我が家は迎撃態勢完了!静かに?状況を見守ったが、全国各地で被害続出、あるゴルフ練習場のオーナーが、倒壊した施設を見ながら「想定外」と言ったのにはあきれた。最近は機材の発達で気象庁は的確な情報を提供している。
あれほど「注意報」が出されていたにもかかわらず、「想定外」というのは、自分のところだけは大丈夫だろうという、自己過信だろう。


画面を見ていて不思議なのは、強風渦巻くさなか、日本人があれほどまでに「傘」にこだわる姿である。
子どものころ九州は台風銀座だったから、風雨が強い時は母が雨合羽を着せてくれ登校した事を思い出すが、現代人たちは「天気予報欄」に、雨=傘マークが出るから「傘」に条件反射するのだろうか?

強風で効果がないことは分かっているだろうに、それでも吹き飛ばされそうになりながら「傘」をさそうとするのは、TVカメラに協力する気なのかしらん?
危険この上ないし、台風一過後は、壊れた傘を路上に放置するから、散乱した傘の残骸を掃除させられる方はたまらない。無責任この上ないと思うが、それよりも安物だからと言って、物を大切にしない「エコ・地球にやさしい運動」などは偽善そのものだろう。

いやはや、今年は春から縁起が悪そうだ…。


ところで[爆弾]で思い出したが、いよいよ北の首領様の火遊びゴッコが近づいた。人工衛星という名のミサイルテストである。

≪産経から≫

今までは、日本海側の舞水端里(ムスダンリ)基地から打ち上げていたが、今回は東倉里(トンチャンリ)から、12〜16日の午前7時から正午の間に「地球観測衛星」を打ち上げるそうだ。地球の何を観測するのか知らないが、駄々っ子のおもちゃ遊びに人民もあきれているに違いない。


それはさておき、上の予想飛翔図から日本人は何を思うだろうか?
2009年4月5日の発射は、舞水端里から日本列島上空を飛ばしたが、日本人は北がなぜ日本上空を飛ばすのか疑問を抱かない。
人工衛星は地球を南北に飛翔するから南向けルートになる…」と言った学者がいたが、今回は東シナ海と南西方面を経路に選び、日本列島上空横断を避けた。
地図を見れば一目瞭然だが、北は四方を≪敵国≫に囲まれているから、唯一の道がここしかないのである。ロシアも、韓国も、もちろん中国だって自国領空をやすやすと通過させることはあり得ない。日本だけが「おおらか」で、飛翔実験データーさえ公表してくれるのだから経費がかからない!
というわけで、今回も沖縄方面を経路にした!?


さて面白いのは我が国の対応である。
田中直紀防衛相は27日午前、北朝鮮の長距離弾道ミサイルとみられる「衛星」発射予告に関する防衛会議を開き、日本に落下する事態に備え、自衛隊に準備命令を発令した。自衛隊はこれを受け、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)と、海上自衛隊海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦の展開に向けた準備に着手する。

 田中氏はこの後の記者会見で、PAC3の具体的な展開地として、飛行ルートに近い沖縄本島石垣島宮古島に加え、軌道がそれた際に備えて首都圏での展開を検討していることを明言した≫
素人にしてはなかなかやるじゃないか!


沖縄県石垣市議会は27日、長距離弾道ミサイルの発射実験とみられる北朝鮮の「衛星」打ち上げに関し、石垣市に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を早急に配備するよう求める決議を賛成多数で可決した。決議は「石垣島など先島諸島周辺に着弾・落下する最悪の事態を想定し対処する必要がある」と指摘。北朝鮮に打ち上げ中止を強く求めるとともに、早急にPAC3を配備するよう政府に強く求めるとした≫

イージス艦出撃!=産経から≫


≪PAC3、沖縄到着!=産経から≫


≪PAC3宮古島到着=産経から≫


沖縄を訪問した田中防衛相は「沖縄防衛」を申し出て、仲井真沖縄県知事に≪了解≫された! いつから国防は県知事の専管事項になったのだろう?
あれほど日米同盟で日本防衛に協力している米軍を≪県外≫へ追放しようとしている沖縄県が、北のミサイル破片から県民を守ってほしいというのである。

沖縄の米軍基地を撤去した後に「自衛隊を配備する」というのであれば理解できるが、論旨一貫しない「普天間問題」がわからない。やっぱり金が目当てか?と言われないよう、知事は県民はじめ国民にしっかり解説する必要があるのじゃないか?


それにしても自衛官は気の毒だ。鶏や牛や豚の死骸処分、大震災の救助作戦から遺体捜索運搬、がれき除去、今度はミサイル対処…と全く休ませてもらえない。そのうえ、海外各地に≪平和貢献≫で派遣されている。「労働組合」がないから仕方ないか!

南スーダンPKO派遣隊員の神々しい姿:これが日本人だ!=産経から≫


予算も物資も、切るだけ切られて酷使されている隊員たちだが、シビリアンたちよ。この写真からどんな感想を持つか?
今の日本人の大半が失っているものを自衛官たちがかろうじて確保している…
勿論人知れず世界各地で人道に貢献している若者たちも同様である。

しかしいい年をした大人たちは、AIJだか何だか知らないが、スーツ姿に身を包んで詐欺行為に走っている。
典型的な「高学歴無教養」世代が今の日本を差配している気がする。せめて馬鹿はバカ、素人は素人なりに、いい加減目を覚ましたらどうか?…などとは口に出して言わないが、そろそろ自覚してほしいものだ。


ついでにお詫びと広告を。
「ジェットパイロットが体験した超科学現象(青林堂)」は、ルビうち作業でやや遅れたが14日には発売される事になった。現世で悪行を重ねている方々には必読の書!
ちょうど北のミサイル発射時期と重なるが、お楽しみに!

ジェットパイロットが体験した超科学現象

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