軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

衆院解散、やっと重しが取れそうだ!

昨日の党首討論の場で、野田首相が突然『衆院解散』を宣言した。
青天の霹靂だったのは、対した安倍総裁よりも、民主党幹部たちの方だったろう。

野田首相と安倍総裁の討論開始=産経から≫


野田首相は、博多でラーメンを食べたり、都内で幼稚園児と遊戯したりと、あまりに“軽い”行動に、私は「気は確かか?そんなことしている場合か!」と書いたのだが、確かに彼の目はうつろだった。

しかし、11日夜、野田首相と首相公邸で会談して出てきた輿石東民主党幹事長の態度を見て、会談は決裂したな、と感じた。

野田首相との会談を終え、公邸を出る民主党の輿石幹事長=11日夜=産経から≫


解散したくないのが、彼を筆頭にした民主党“左派”グループだったのだから、この時点で何かがあったとしてもおかしくはなかった。
輿石氏は、山梨県内の教育部門を徹底的に左翼化しようとしている、という情報が飛び交っていたから、一日も早い解散が望まれたのだが、彼としては仕事半分でただの人に落ちぶれたくはなかったのだろう。しかし、野田首相は決断したと思われる。
つまり、下克上の雰囲気を察したのである。


案の定、次の産経の記事がそれを証明している。
≪民主の十数人が「年内解散」「TPP解散」に抗議 集団離党も示唆「次の行動に移る」
 民主党の「TPPを慎重に考える会」の山田正彦元農相ら十数人が14日、輿石東幹事長と国会内で会い、野田佳彦首相が環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加を掲げ、年内の衆院解散・総選挙に踏み切る意向を示していることに抗議する文書を手渡した。

 この後、山田氏は記者団に「交渉参加を表明したら、みんなで覚悟をもって次の行動に移る」と集団離党を示唆した。

 抗議に対し、輿石氏は「年内解散はあってはならない。『TPP解散』と呼ばれる解散はしてはいけない。交渉参加表明には慎重に対応するよう首相に伝える」と理解を求めた。

 抗議文は「党経済連携プロジェクトチームでの慎重意見も顧みずに、TPPを争点に解散することに強く反対する。景気が再び落ち込もうとしている年末に解散すべきでない」と主張した≫


もともと民主党とは、例の“難破3人組”が、メンバーの一人のお坊ちゃまの資産を活用して立ち上げた、いわば寄せ集めの組織で、没落した社会党から逃げ出した連中の隠れ家的存在になっていたようだから、いずれ分解して沈没することは予想できた。
しかしばらばらになりながらも3年以上も漂流し続けたのだから、ある意味「船体は頑丈だった」といえる。

慌てふためいた議員たちが、TVの取材で発言していたが、おそらく彼らは二度と永田町に戻れないだろう。
≪民主的大粛清≫といってもいいのかもしれない。


党首討論に臨む野田首相の表情は、幼稚園児とお遊戯していた時とは打って変わっていたから、決意は固かったのだろう。

最後になって頼もしく見えたのがある意味哀れさを誘った…

≪討論会を終えて退室する野田首相:すっきりしたのでは?=産経から≫

≪いうことを聞かない首相に怒り心頭?:輿石氏=産経から≫


コンナ“薄汚れた幕僚たち”に囲まれていたのでは、精神衛生上おかしくなって当たり前だったろう。


さて問題はこれからである。
国民の眼前で行われた、日本政治のお粗末なバラエティ番組は、有権者に失望と怒りを与えた。特に3・11大震災と、それに付随して起きた原発事故を、この政権は適切に処置できなかったばかりか、むしろ被害を拡大してしまったから、国民の多くが失望したし、尖閣問題では、国民の意思に反した行動ばかりとって、まるで我が国がシナの属国であるかのような印象を世界中にばらまいた。
これだけでも許しがたい“犯罪”であった。


しかし逆に、今までの「自眠党」政権の不作為や、国民を欺いてきた過去の実態をも浮き上がらせる“功績”もあった。
いみじくも、野田首相は「自民党時代の膨大な付け」についても激白した。つまり、このまま【な〜ナ〜】のなれ合い政治を続けていたら、この国は間違いなく沈没していただろうが、“不幸にも”あきれた有権者が政権の腐敗に飽き飽きして、2大政党制を信じて民主党を選んだことが、“幸運にも”今まで国民の目から隠されていたことを表面化させた。
その根底には、自民党がやるべき任務であった≪憲法改正≫をおろそかにしてきたツケがあったのだが、政権与党の臆病な姿勢を見て傲岸な態度に出たシナや、こともあろうにわが国固有の領土である竹島に上陸して反日の姿勢を明白にした韓国大統領の暴挙などが、逆に眠っていた日本人の魂を目覚めさせた。
これは評価されていいだろう。

何よりも今回の野田首相の「解散」という決断は、党内左翼のいがみ合いなどという低次元のものではなく、日本人がついに目を覚ました!という、国際環境に与える効果である。
特に我が国を“舐めきった”近隣アジア諸国にとっては、民主党左派グループ同様「青天の霹靂」だったに違いない。

3年余の空白は大きかったが、日本人の底力から見て回復できないことはあるまい。

眠りから覚めた(であろうことを期待する)自民党や、今回の政界再編に大きな石を投げた「太陽の党」など、これではいけない、という危機感を持ったまっとうな政治家たちが、それこそ≪政治生命≫をかけて奮起してもらわないと、周辺情勢は予断を許さないところに来ている。2700年の光輝ある伝統を持つ日本が、愚かな政治屋どもの無責任な行動で、沈没してはならないのである。


来月は韓国大統領選挙である。現大統領は年明け早々に自滅するだろうが、次期大統領がだれになってもよい方向に進むとは思えない。結果次第では北が何らかの動きに出るだろう。

≪どなたがなっても…=産経から≫


中国も胡錦濤氏が完全?引退するようだ。夫人の看護に精を出すのだろうが、後継者の実力は不明である。やがて4〜5つの国に分裂する可能性が高いが、その間の大混乱は、世界の進歩の足を引っ張るだろう。

≪産経から≫


ロシアの政情も必ずしも『健全』だとは言い難い。

≪産経から≫


アメリカも、オバマ大統領が再選されたが、驚いたことに軍最高幹部らのスキャンダルが発覚して、政権は動揺を隠しきれない。

≪アフガン駐留米軍司令官だったのに…=産経から≫


世界中の政治というシステムが腐敗堕落して、国際関係は大きな変換期に差し掛かっているのだが、他国のことはさておき、まずは我が国の再建に真剣に取り組む時である。

「年末のくそ忙しいときに選挙など…」といった視聴者がいたが、それが民主主義のルール、ばかばかしいので…とお遊びで民主党に投票したツケが、これほどの混乱を生んだことを自覚し、二度とふたたび重苦しい毎日が続くことがないよう、積極的に投票すべきであろう。


これまでの民主党政権というゲバ学生上がりによる「政治ショウー」で、いかに議員たちが堕落しているか学んだではないか。
ここで改めてご紹介するまでもなく、大臣だけでも信じられないほど無能だったし品性下劣な方が多く、スキャンダルで次々に消滅していったではないか!


今度は改めてこのことを思い出して、二度と再び口先に騙されないようにすることだ。
古来「巧言令色、鮮なし仁(口先が巧みで、角のない表情をするものに、誠実な人間はほとんどない)」という。
 
逆に「剛毅木訥、仁に近し (剛毅で飾らぬ人間は、(誠実なのだから)完成した徳をそなえたものに近い)」とも言う。


候補者の口先にだまされない様にしたいものだが、それでも変わらなかったら…その時はその時、明日は明日の風が吹くというもの。


久しぶりに気分のいい朝を迎えた気がする。

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