軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

憲法改正、是か非か?

早や師走、先週末から週明けにかけて、充実した日々を過ごすことができた。
先月末は私たちの結婚44周年記念日!(よく続いたもんだ!)
そこで久々に、サザンシアターで上演されている、福田恒存生誕百年記念公演[明暗]を二人で鑑賞した。


福田恒存先生には、広報室長時代、早大松原正教授に誘われて劇団昴で、確かシェークスピアの『夏の夜の夢』を鑑賞した時お会いして激励された思い出がある。
その後大磯のご自宅を訪ね、2時間近くも国防の在り方などについてお話を伺ったが、言論のむなしさを口に出された。
夕食に老舗でおいしいウナギをごちそうになったが、奥様にかば焼きをそっと持ち帰られたのが印象的だった…。

今回はご子息の逸氏が演出されたが、長いセリフを堂々と語る女優の姿に圧倒された。演劇で感心するのは俳優たちの記憶力の素晴らしさで、私にはできない事だからいつも尊敬する。
[明暗]は、罪?を重ねた一族の心理劇といわれるそうだが、倫理を世に問うたものだと思う。
夫婦げんかも当時の美しい日本語で闘わされるから、何とも気品があったが、現代語だったら罵詈雑言の羅列で聞くに堪えなくなるのではないか?TVのワイドショーで見るように…
私は、終幕で登場した刑事が「真実はただ一つ、それをウソで固めるから難しそうに見えるだけ…」と言ったことに深く共鳴した。
空自が被った「雫石事件」はまさにそうだった。
でたらめな事故調査も、それを基にした裁判も、うそで固められたものばかりで人間としての判断力が全くと言っていいほど作用していなかったのだから、刑事でも民事裁判でも、何年かかっても真相が見えなかったのだ…。


今回の笹子トンネル事故でも、3・11後の福島原発事故でも、きっとそうだろうからなかなか真実は見えてこないだろう。
戦後の日本人は、己の保身と≪金儲け≫が全ての基準になっているのだから…。犠牲者は浮かばれない…。


昨日はチャンネル桜で、井上君と恒例?の「防衛漫談」をしてきた。放映は選挙公示後(今日)だから政治の生々しい話は遠慮したが、私は今回の選挙の争点は、≪憲法改正、是か非か≫にあると思っている。
改正であれ自主制定であれ、戦後長い間、これが縛りになって我が国は頽廃の極みを迎えるに至った。
白を黒と言い含めて恥じなかったのだから、子供たちがまっとうに育つわけがない。
それをいいことに、弱体化した我が国を恨みつらみで貶めようとしている勢力が、さらに輪をかけてやりたい放題。
我が国のモラルを頽廃に追い込み、そのうえ、自分たちに都合がいいように法律を改正して、この国を支配しようとしているのだ。
関東大震災時の大火災の原因はなんだったのか?終戦直後の焼け跡略奪、日本人婦女子を貶めた暴動まがいの騒乱は何が原因だったのか? それに加担した日本?の指導者たちは、何が目的だったのか?


関東大震災で略奪・放火を報じる当時の新聞=インターネットから≫


今回の選挙の柱は、この国がまっとうに立ち直るという意味で「憲法」の是非を問う点にあるとみる。
これを改正して本来の日本人の生活を取り戻そうとするのか、改正されると食っていけなくなるから絶対反対するのか?

分かりやすく全国紙で言えば、前者が産経と読売、後者が朝日と毎日に分かれているから「明暗」を分けている。

国を立て直そうとする勢力が勝つのか、それとも滅亡させようとする勢力が勝つのか、有権者には一票投じる前に、冷静に判断してほしいと思っている。


ところではるか以前、当時朝鮮労働党の対外連絡部長R(金正日の側近NO1)は、政権与党である自民党と党レベルの交流をしたい。パイプは持っている。社会党とは「それはそれで交流を続ける」と語り、(日中間でやっているような)LT貿易を活発化して先端技術がほしい、さらにソウル五輪に絶対に参加しないのは、韓国では高官の身の安全が保障されないからだといったことがある。
北の高官たちは韓国は信じていないが、日本にはまだ道が残されているというのであった。

今、北はミサイル実験を再開した。その飛行コースは沖縄方面になるから、自衛隊は対処に出撃した。
しかしこのコースを西に向けると、中国はすっぽり入ることになる。ミサイルが完成するのが怖いのは中国と韓国の方なのだ。


今年3月に衛星運搬ロケット「銀河3号」と称して北西部東倉里から発射した3段式の長距離弾道ミサイルは、発射直後から問題が生じて予定軌道を東方向に逸脱、その上2段目も点火せずに完全な失敗に終わったが、今回もどうなるか不明である。

勿論、油断してはならないが、過大評価しても始まらない。バタバタすることなく「粛々と」迎撃態勢を取り、事に臨んでは叩き落とせば済むことだ。

来年からは、こんなことに一喜一憂する必要がない、まっとうな政府を立ち上げて、国際的に通用する常識的国家に衣替えしたいものである。


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上梓した「大東亜戦争は昭和50年4月30日に終結した」(青林堂:1905+税)は、開戦記念日の今月八日に発売される。アマゾンではすでに受付中!

われらが大先輩たちが成し遂げた「アジア解放」という大偉業の一端を、若い方々に知っていただきたいと思う。

来年は沖縄を舞台にした、中編小説「ストレンジャー」が漫画化される。乞うご期待!


●頂いた本の紹介

ゲーム理論からみた尖閣諸島・沖縄基地問題≫(井沢開理著:東京図書出版¥1200+税)
著者は防大の先輩で、退官後、OR・戦闘理論・射爆撃理論・ゲーム理論などの教育・研究に携わった方で、ランチェスターの戦闘理論に代わる新理論を構築中という方である。
私のように現場体験主義者とは異なった角度から、物事を分析したもので、一読に値する。


●気分転換に楽しい本

≪工藤美代子女史の体験談!やはり見えない存在はあるのだ!≫


≪東大大学院医学系研究科教授の体験談。人間の霊性をめぐる思索集≫

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

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