総選挙の投票が明日に迫った。話題はこれでもちきりの様だが、問題は若者たちの投票率だろう。3年前は50%を切っていたが、今回はどうなるかと思いつつもやや期待している。
投票しないで、口先だけで文句を言っても無意味だということが若者たちにもわかってくれるといいのだが…
金曜日は、史料調査会で茅原郁生・拓大名誉教授(防大先輩)の「中国情勢」を聞いてきた。
「国交正常化40周年と尖閣問題をめぐる軋轢という」副題がついていたが、専門家らしい内容だったのもの、「尖閣問題で戦争してはならない(わが方に勝ち目がない)。日中は不可分である。公船同士の衝突が何をもたらすか。島の管理体制を考えよ。米国の力を信じよ」と言ったのには首をかしげざるを得なかった。
他の事象の分析は素晴らしかったのに…
外務省の私の出向先は国連局軍縮室だったが、先輩は中国課だったからその影響か?などと思った。
相手が聞く耳を持たない国なのだから、こちらの付き合い方にも限界があるだろうと思うのだが…。
帰宅するとその中国に関するいろいろな情報が届いていた。
まず面白かったのが「殲31戦闘機の重大な欠陥は燃料系統にあり、試験飛行中によく燃料漏れを起こしていた」という。
にもかかわらず、習近平主席が空母『遼寧』着艦を実施せよと命令した。燃料漏れ改修中であったため、羅社長はそれこそ不眠不休で働き、成都の工場まで出かけ、すぐに大連に引き返して着艦を見守った。ところがうまくいったので安心すると急に疲れが出て、心臓まひで死んだのだというのだが、なんだか愛国小説の題になりそうな話である。日本風に言えば【過労死】というところか?
≪無事着艦!火災も起きなかった!=インターネットから≫
さらに習主席は、太平洋における潜水艦の訓練も命じていて、フリゲート部隊には対潜訓練の初歩的データ-を収集するよう厳命?したらしい。
とにかく東シナ海の制海権を取ることが、海軍の至上命令だそうだから、今後ますます海上活動は活発化するだろう。
面白いのは、胡錦濤前主席に関する情報で、支持派から「辞めるのが早かった」といわれ反省しているというが、一部は胡錦濤=右派、習近平=左派と位置づけ、水面下では対立しているという。
いずれにせよ習主席は「軍事を重視」していて≪金集めに奔走している≫というのだが、日本はODAをまだくれているの?と聞くので「多分」と答えると「バカね〜」といわれた…
止めたのだったかな〜?
もうひとつ面白かったのは、米上院が12月4日の本会議で、2013会計年度国防権限法案を可決した際、「沖縄県・尖閣諸島は日米安全保障条約5条の適用対象と明記」し、「領有権問題を『武力による威嚇や武力行使』で解決しようとする動きに反対する」と強調したことを一切国内では報じていないという。
オバマ大統領も国際司法裁判所に提訴すれば?といったが、これが人民に知られることが怖い中国政府は、早く島に上陸して既成事実を作ろうとしている、日本は何をしているの?というのだが、そんな折、中国国家海洋局所属の固定翼機に領空を侵犯された。
報道によると、現場海域を警戒していた【わが巡視船が発見、空自に通報した】というから情けない。
≪海上保安庁の巡視船が視認した中国国家海洋局所属の固定翼機(海上保安庁提供)=産経から≫
北のミサイルが無事発射され、やっと選挙区に戻れると思った藤村修官房長官も大変そう。
「『極めて遺憾だ。主権の侵害には断固として対応する』と述べ、中国側に抗議したことを明らかにした」そうだが、本当にご苦労様!
「森本敏防衛相は『中国が尖閣諸島の領有権を誇示しようとしたのではないか』と述べ、これまでの領海への侵入に加え、空でも『自国領』であるとの『既成事実』づくりを開始したとの見方を示した」そうだが、中国軍部は「何とでも屁理屈をいえ!」と笑っているに違いない。
≪領空侵犯は自衛隊が北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射への対処を終え『平時』の運用に戻る矢先で、“奇襲”ともいえる。領空侵犯と同じ時間帯には、中国の海洋監視船4隻が領海侵入した。領海侵入は3日連続で、政府が9月に尖閣諸島を国有化してからは17回目となる≫と産経は書いたが、これで次にスクランブルして警告射撃でもしようものなら、待ってました!とばかりに過激な行動をするだろう。
何度も書いたように、いま国内騒乱、給料未払で、人民は「火山の噴火寸前だ」といわれているから、尖閣問題は格好のガス抜きになるからだ。
平成8年秋、国民党の空軍OBがヘリで尖閣に侵入すると公言した時、私はE-2Cの派遣を要請。10日間、尖閣周辺の空中哨戒をして、部下たちに“強制労働”を強いた。
当時の李登輝総統の不許可で事案は終了したが、この様子を大陸はじっと監視していたのであった。
今回のこの侵犯事案は、レーダーなどの性能に帰してはならない。北のミサイル事案に気を取られて、南への警戒心がおろそかになっていたのが原因ではないか?
尖閣周辺には常時彼らの公船が遊弋している。ということは、いつでも空からも監視飛行に来るというシグナルなのだ。
戦闘機のりが空中戦闘で生きる伸びるための条件は、リーダーが敵を追い詰め、射撃する直前が一番危険であり、そこを僚機がカバーする、後方警戒が大事なのだ。いわゆる編隊戦闘だ。
これはファントム隊長時代に、優秀な部下の一人が、当時最新鋭機であったF-15を撃墜した瞬間の映像である。
≪桧垣1尉、F-15をガンで撃墜!≫
当時はこれくらい練度の高いパイロットがいたのだが、少なくとも北のミサイル発射という一方面に気を奪われて、後方がおろそかになるようじゃ、中国空軍に舐められる!
パイロットには「一点集中は身を滅ぼす」という言葉がある。
特に最高指揮官には「九仞の功を一気に欠く」という言葉があることを肝に銘じて精進してほしい。
北京に戻ったKJ君に笑われることは私としてもあまり気持ちのいいものじゃないし…
ところでこの件について米政府が中国に「懸念」を伝達したという。≪【ワシントン=犬塚陽介】米国務省のベントレル報道部長は14日の記者会見で、中国機が沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領空を侵犯したことについて、米政府が中国政府に「懸念」を表明し、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることなど、従来の方針に変更はないと伝えたことを明らかにした。
ベントレル部長は「緊張を高める行動を避け、周辺地域の平和や安全、経済成長を妨げかねない誤算を防止することが重要だ」と懸念を示した。
既に同じ見解を表明しているオバマ政権と歩調を合わせ、中国をけん制する狙い。法案は下院との協議を経て、オバマ大統領の署名で成立する。
法案は、米国は尖閣諸島が「日本の施政下にあることを認識している」と指摘。中国を念頭に「第三者の一方的な行動が、米国の認識に影響を及ぼすことはない」とくぎを刺した。(共同)≫
こうなると、やはり史料調査会で茅原先輩が言った「米国の力を信じよ」という言葉は、的を得ていたことになるのか…
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