軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国軍部は焦っている

穏やかな新年…と3日に書いたが、その後個人的には相当忙しくなった…。
今は、今月中に仕上げる予定の原稿書きに集中していて、資料の山の中でPCに向かっている。


それにしても近代の日中関係は「お人よし日本人」対「裏切り軍閥」の乱だったように感じる。
台湾人医師・林建良氏の言葉を借りるとまさに≪中国は地球のガン細胞!≫だ。
村山、宮沢、河野…などというつまみ食い歴史観しか持たない元VIPが、いかに世界に間違った日本人観をばらまいたか、その罪は万死に値すると思うのだが、これから生きていく30代の若い青年たちにしっかりと見極めてほしいと思っている。


ところで、昨年から何度も警告してきたように、中国の新体制は「対日戦争準備」を掲げて、軍の規律維持と、人民の反政府行動をけん制しつつある。
今朝の産経が漸く一面トップで私の警告を認めてくれた!

≪【中国軍「戦争の準備をせよ」 尖閣衝突意識、指示踏み込む】 【北京=矢板明夫】中国人民解放軍を指揮する総参謀部が全軍に対し、2013年の任務について「戦争の準備をせよ」との指示を出していたことが明らかになった。14日付の軍機関紙、解放軍報などが伝えた。また、国営中央テレビ(CCTV)など官製メディアは最近、連日のように日本との戦争を想定した特集番組を放送し、軍事的緊張感をあおっている。

 沖縄県尖閣諸島周辺での自衛隊との軍事衝突を意識して、習近平新指導部がその準備と雰囲気作りに着手し始めた可能性がある。

 解放軍報によれば、総参謀部が全軍に向けて出した2013年の「軍事訓練に関する指示」の中で、「戦争準備をしっかりと行い、実戦に対応できるよう部隊の訓練の困難度を高め、厳しく行うこと」と記されている。総参謀部は昨年も訓練指示を出していたが、「軍の情報化や部隊間の横の連携の重要性」などを強調する内容が中心で、今年のような戦争を直接連想させる表現はなかった。
中国指導部が戦争準備に向けて大きく一歩踏み込んだことがうかがえる。

 同紙は今年の訓練目標について、昨年11月に就任した習近平・中央軍事委員会主席の重要指示に基づいて作成したと解説している。

 また、中国の主要メディアは今年に入って、「尖閣戦争」を想定した番組を連日のように放送している。中国軍事科学学会の副秘書長、羅援少将や、元海軍戦略研究所長の尹卓少将ら多くの軍関係者が出演し、主戦論を繰り広げている。そのほとんどは習総書記と同じく太子党(元高級幹部の子弟)のメンバーで、習総書記の意向が反映している可能性が高い。

 一方、日本と外交交渉を通じて尖閣問題の解決を主張する学者らはほとんどメディアに呼ばれなくなったという。ある日本研究者によると、最近北京で行われた尖閣問題に関するシンポジウムで、「論争の中心は対日戦争を小規模にとどめるか、全面戦争に突入するかが焦点になりつつある。小規模戦争を主張する人はハト派と呼ばれ、批判されるようになった」という。

 共産党筋によれば、習近平総書記は昨年11月の党大会で、軍人事の主導権を胡錦濤国家主席が率いる派閥に奪われた。習氏は現在、軍内の保守派と連携して、日本との軍事的緊張を高めることで、自身の求心力を高め、主導権を取り返そうとしているとみられる≫。


以前、日中安保対話で「討論」した中国軍事科学学会の副秘書長、羅援少将は、依然として対日戦争をあおっているようだが、本心かな〜〜?
あれほど会議で指摘しておいたのに、恐るべき結果については理解していなかったらしい。尤も戦死するのは地方の若い「一人っ子」たちだから太子党の彼としては構わないのだろう。
別の研究者が「わが国の10%は無学文盲、台湾海峡で全滅しても2〜300万の兵士はすぐ集まりますから」といったものだ。

今年に入ってから、日中中間線付近までJ−7やJ−10が接近しているようだが、J-10はまだしもJ-7は空軍用の旧ソ連製のMIG-21の改造版、私が昔乗っていたF-86Fみたいなものだ。


加えて人民解放軍共産党員同様、肝心な人民から信用されていない。もっとも軍は党の私物だから一向に構わないだろうが、昔の軍閥支配同様、人民を無視して殺し合いに出動するのだろうか?
退役軍人が民主化要求の先頭に立ってデモをしているというし、南海艦隊などでは「待遇改善」を求めて現役がデモをしたというから、士気はあまり高そうではない。
結局「一将功なりて万骨を枯らす」だけだろうが、こんな言語は中国にはないだろう。
カナダのSaskatchewan大学から北京に帰国したKJ君は知っているだろうから、羅援少将に教えてやってほしい。


“新生”自民党政権になってから、日本政府がかなり積極的に活動を開始したのが中南海は恐ろしいのだろう。
安倍首相が、自民党が下野していた3年余の間の反省と、前首相時代の過去を反省して中国包囲網を形成し始めたのだから、中国は先が読めないのだ。
“民主”党とは名ばかりの「中国御用政権」成立で、台湾同様日本も取り込んだ!と勘違いしていた中南海は、安倍政権の行動を探りつつもその反動が出てきていると私はみている。

しかし、何度も書いたように、極論すれば今度の18回党大会で成立した政権は「紅衛兵」の復活である。日本としても決して油断してはならない。


その昔、40万の張作霖軍に包囲された関東軍は僅か1万にすぎなかった。これでは全満州に居住する約百万の在留邦人と、南満州鉄道の保護は不可能になるとみて、「一朝ことある場合には、東北軍に先制攻撃を加え、長春以南の南満州鉄道沿線の地域を占領することにより、戦略上の不利を打開して活路を求める計画」を立て、9月18日、“事件発生”と同時に行動して百万の同胞を救った。
いわゆる柳条湖事件に端を発した満州事変であり、見事な軍事行動によって「満州国」を作り上げた。
その後塘沽協定で兵火は収まったが、今の中国人は、この40対1という圧倒的な兵力差を持った中国軍が、あっという間に微弱な日本陸軍に敗戦した事実が気に入らないらしく、上海でも会議の後の「宴会」で、「918」という演歌??を歌って気勢を上げる始末。


尖閣にはどのくらいの「兵力」で侵攻してくる計画か知らないが、40対1とは言わぬまでも、しっかりとした「兵力見積り」をしてから来た方がよかろう。今度失敗したら国は4つ以上に分裂するだろうから。

黄文雄氏は、中国の歴史的な「排外思想と排外運動は中華思想の裏返しコンプレックス」だと書いている。
現在はそれに文革という「失われた10年」の弊害が加算される。

自国統治の失政を、他国侵略の手でカバーするという古来の戦術は通用しないということを知る時が来るだろう。


ところで昨日の大雪にあって苦労した若い成人達には気の毒だったが、これは『一生の忘れられない記念」になったのではないか。
踏まれた麦は強く成長する!
今後の健闘を祈りたい。
我が家の大雪被害は、ウッドデッキに広げたままだったパラソルが倒壊、はずみでテーブルの脚が破損した。
部屋から出ないでPCに向かっていて忘れていた…
しかし、家内のバラが芽吹くころまでには修繕するつもり。

今日は、2週間近く更新しなかったので、ご心配をかけた方々にたいする「ご挨拶」代わり。
以下、若い方々のために推薦図書を掲載しておきたい!

中国・韓国が死んでも教えない近現代史 (徳間文庫)

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中国ガン

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中国を動かす百人 習近平政権の重要人物一覧

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中国はなぜ尖閣を取りに来るのか

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大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

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