軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

始まった中共の得意技

昨日家内と行ったスーパーで驚くものを見てしまった。
私は郷里福島の「伊達のアンポ柿」が大好物なのだが、3・11以降、放射線風評被害で生産が中止され、今や絶滅の危機にある。
昨年秋も木に一杯実をつけたまま立ち枯れしている柿を見て悲しかったのだが、その代わりに関東には、山梨や長野産のアンポ柿が出回っている。
その中に何と「今が旬!中国産の干し柿」と大きく書かれた品が大量に陳列されていたのである。もちろん値段は「ニンニクや落花生」同様半額以下だが、色が不気味な灰色に近く、まさに「PM2・5」まみれの感があった。
別に業者が仕入れ、店が売るのは一向に構わないが、国産柿を風評被害で押しのけて、代わりに今や「食と衛生上の危機」にあるお隣から持ってきて日本人に売る神経がわからない。
その上今朝の産経2面の「中国大気汚染」欄に、「頭悩ます邦人社会『連休中は脱出』」という現地の危機状態が報じられているが、その中で商社勤務の40代の男性が「今すぐ影響が出るものもあれば、将来出てくるものもある。PM2・5は目に見えないから怖い」と話している。ちょっと待ってほしい。「今すぐ影響が出るものもあれば、将来出てくるものもある」ような危険物を輸入しないでほしい。
「PM2・5は目に見えないから怖い」とも話しているが、“PM2・5”を福島原発の“放射性物質”に置き換えたらどうだろう?

同じような危険物?なのに、いわゆる原発反対を唱える左翼の皆さんは、福島を敬遠はしても中国製の危険物には黙して語ろうとはしない。
こんな偽善者、特にメディアが増えたことに唖然とする。
もちろん私は「輸入柿」は買わなかったし、家内は産地が彼の地の大根である「大根漬け」も買わなかったかったから、どうでもいい話なのだが…



≪緊急記者会見する防衛大臣=産経から≫

ところで昨夕の小野寺防衛大臣の記者会見は、「平和を希求してやまない」日本人には少々衝撃的だったようだ。
ウォールストリートジャーナル紙から、尖閣の中国機による領空侵犯事件などについて意見を求められていた時だったから、取材内容はすぐにこれに代わったが同じようなもの。
おそらく習近平総書記は軍の掌握に苦労しているといえる。
日中安保対話で激論を戦わせた羅援陸軍少将が、以前権力闘争が激しかった折、尖閣に上陸せよとか、空自機が警告射撃したら撃ち落せ!などと威勢よくラッパを吹いていたが、これに気をよくした人民解放海軍将兵の中に、わが艦艇などに向けて照準を合わせた者がいたに違いない。揚毅海軍少将だったら少しニュアンスが違うかもしれないから、意見を聞いてみたいものだ。


今回の“照射事件”が、上からの「示唆」だったのか、それとも現場の「思いつき」だったのかは不明だが、いずれにせよ国内情勢の不安定さと、軍内の規律の弛緩、習政権の基盤の弱さがうかがえる。


≪産経から≫

しかし、今回の“事件”から、我が国としては忘れてはならない教訓がある。昭和12年7月7日、盧溝橋で起きた共産党員による日本軍と国府軍に対する「銃撃事件」である。
これを機にシナ事変となるのだが、ここではフレデリック・ヴィンセント・ウイリアムズ(1890年米国生まれ、国際的特派員、作家、旅行家で、1937年、日中が戦いに入る前に大陸を旅し、上海と南京で蒋介石政府高官らにインタビュー、その後北京シベリア国境、満州朝鮮半島、日本を旅し、開戦後も中国軍と共に行動した記者)が、この時の手記を日米開戦3年前に米国で出版した。しかし、わが国でも翻訳出版されていたものの、日米開戦で見向きもされなかった。その彼が逆に日本軍の行動をたたえ、「日本は宣伝が下手だ!」と警告しているのだが、今、日中間で行われているのはまさに≪宣伝戦≫なのだということを認識すべきだろう。
(「中国の戦争宣伝の内幕――日中戦争の内幕=田中秀雄訳:芙蓉書房出版」)


艦艇のみならず、F-4ファントムなど航空機も「レーダー警戒装置」を装備していて、「相手の航空機」や「地上からのSAM」の火器管制レーダー波を受信し、パイロットに警告を発するようになっていて、相手が「警戒レーダー」で探知すると、「レーダーの種類、照射方向、信号源からの距離、敵が捜索中であるのかロックオンしているか」の判別ができる。
捜索中であれば「パランパラン…」という警報音とともに方位を示す赤色灯が点滅し、ロックオン(照準)されると「ピーピー」という高い警告音とともに赤色灯が点灯したままになるから、SAMだったら直ちにスプリットSという回避操作をする。

今回の海自艦艇に対する照射がどの段階だったかは不明だが、いずれにせよ明らかな「交戦準備行為」であり、発射源が軍艦である以上国は責任を持たねばならず、一水兵の“反乱”だなどと言い逃れはできない。

その昔、沖縄上空を“堂々と”領空侵犯したソ連のTU-16偵察機に対して空自初の警告射撃をし、外務省を通じて厳重抗議をした時、“あの”傲岸なソ連がこれを認め謝罪し、「パイロットの航法ミス」として、当該パイロットを飛行停止にし降格処分したといってきたことがあった。

今回、中国政府がどう“弁明”してくるか見ものだが、反省することなく、次回、このような事態が再発した時は、今回、すでに我が国は中国に対して「警告」したことになるのだから直ちに「正当防衛」で反撃し撃沈すべきだろう。撃たれてからでは遅すぎる。

≪照射した中国艦艇=産経から≫

さすがの羅少将もこれには文句あるまい。空自機の警告射撃に反撃するよう彼ら高官たちが若い将兵を煽っているのだから、天に唾したのも同然だといえる。

いずれにせよこんな卑怯な手法は「中共軍」の十八番である。
宣伝戦に迷わされないと同時に、初一発の行方はその後の戦闘を左右する事を肝に銘じ、空自、海自とも、あくまで≪先制攻撃≫は控えるにしても、相手が不法な攻撃態勢を取れば直ちに反撃する姿勢を保持してほしいと思う。

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