軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

国内問題を逸らすための尖閣紛争

≪水しぶきを上げ猛スピードで走る小さな日本漁船を中国の海洋監視船が後方から追い越す。沖縄県尖閣諸島周辺の領海で23日、中国監視船が日本の保守系政治団体メンバーらを乗せた漁船を激しく追跡した。海上保安庁の巡視船が阻止しようとし、一時緊迫した。
共同通信社特別機が現場空域に入ったのは午前9時前。政治団体メンバーらを乗せた漁船団の周りを、海保巡視船10隻ほどが取り囲んで警戒していた。

≪産経から≫


約1時間後、漁船団の後方から様子をうかがうようにしていた中国監視船が、最後尾の漁船を追いかけ始めた。海保巡視船が間に入る。すると監視船は別の漁船に標的を変更、この漁船のすぐ左舷側に中国の監視船、海保の巡視船はさらにその左舷側を並走した。

低く垂れ込めた雲の下、白いしぶきを上げながら猛スピードで領海から出ようとする漁船を監視船は追い越した。午前10時20分ごろ、領海境界付近で監視船はスピードを落とし、追跡をやめた(産経)≫


いよいよ「自国領海だ」と称する匪賊どもの攻撃が始まった。
目の前に現実に起きている「紛争」を、他人事のように、いやむしろ相手側に立って、靖国に参拝した麻生副総理に対して「外交音痴だ」とまで言う奇妙なTV解説者が出現したのには驚いたが、こんな輩が中国の判断を狂わせ、付け上がらせているのだ。
こんな獅子身中の虫の駆除こそ最優先すべきだろう。
その一例はこれだ。


≪2013.3.9 20:48 [産経メディア欄]
9日の中国外相会見で朝日新聞中国総局の記者が沖縄県尖閣諸島について、「中日間の釣魚島問題での対峙は半年に及ぶ」などと、2度にわたって中国名である「釣魚島」という表現を使って中国語で質問した。

領有権主張などで相手国との対立がある場所は、自国での呼称で質問することが一般的だ。日本での記者会見でも、中国人記者が「尖閣諸島」、韓国人記者が「竹島」(韓国名・独島)を使うことはほとんどないとされる。

しかし、反日感情が高まっている中国では、全国にテレビ中継される場面で「尖閣諸島」と口にすれば、身に危険を及ぼす可能性もあり、最近、島の名前を触れずに質問する日本人記者が増えている。4日の全人代開幕前の会見でも、共同通信の記者は「中国はいかに日本など周辺国との摩擦を緩和させるのか」と質問していた≫


こんな臆病で悪質な記者を「国賊」という。これに比べるとルーピー元首相などはかわいいものだ。

1998年7月、北京を初訪問した時、我々をガイドしてくれていた元“駐日外交官”に対して「我が国の首相が靖国に参拝したら何か問題か?」と聞くと「それまでよ」と答えた後、「もちろんお宅のチョーニチ新聞が言ってくるから大騒ぎするよ」と答えたことがあった。「チョーニチ…??」と聞き返すと、同行していた仲間が教えてくれたが…。

この新聞社屋には新華社通信社が同居しており、情報は常に筒抜けだとはつとに知られた事実である。沖縄タイムズ社屋にチョーニチ社が同居しているように。
敵に塩を送ったのは上杉謙信だが、その昔、敵に情報を送ったのはゾルゲと尾崎秀美らで、未だにその伝統は続いているらしい。


さて、今回の8隻の海監出動の裏には、国内での賃上げ闘争が響いているという情報がある。
軍の支援を取り付けようと必死な習近平主席は、この6月に軍人の給料を40%以上も上げる。ところが12万人といわれる“準軍隊”である海監職員や海上民兵らの給料は上がらないから、我々は軍隊よりもこのように身を挺して働いているのだ!というアピールだというのである。
彼らが今回の様な“過激な”行動をとる裏には、羅援陸軍少将が「領海侵犯した日本人漁船員を人質にとれ!」という激に加え、日本の巡視船に体当たりした“仲間”は、日本政府から丁重に送り返されて英雄になった、という意識が強いらしい。


その上私が危惧しているように、現代中国の指導者たちは、ほとんどが文革時代の影響を色濃く受けているから、すべてに「文革方式」つまり「暴力方式」で対処できると考えているのだ。
彼らは給料が上がるまで次々に尖閣に押し寄せるだろう。南シナ海よりも尖閣の方が安全だからである。ベトナム海軍は銃撃をためらわないから、殺されたら損である・・・


当然関係部署では対処案はできているだろうが、その中に、万一日本漁船が拿捕され、船員が監獄に入れられた場合の対抗手段も考慮されていると思う。
しかし、これについても彼らは「拉致事件」を分析していて“絶対に”奪還されない自信があるという。そして人質と引き換えに、尖閣を分割する案を提示するだろう。
勿論最悪の場合は我が首相暗殺もやりかねないことを視野に入れておくべきだ。
反日国家である中国と韓国では張作霖爆殺、西安事件、文世光事件、朴大統領暗殺事件があったし、その昔、日本の伊藤博文首相がハルビン駅で安重根に射殺されたことがあった…。

≪朴大統領暗殺未遂事件=インターネットから≫
今回は米国の出方を探るため、統合参謀本部議長が訪中している絶好の機会だから、在日米軍が手出しができないと踏んだのだろう。この事件の“成果”を、今後彼らがどのように利用してくるかが問題だ。


ところで二日前にこのブログで河野洋平氏や高村氏などが訪中しても習近平主席は絶対に会わないと断言したが、予想通り高村氏一行の訪中はキャンセルになったがこれでよかったのだ。


≪【北京=川越一】中国外務省の華春瑩報道官は22日の定例記者会見で、習近平国家主席との会談を求めていた高村正彦自民党副総裁が会長を務める日中友好議員連盟の訪中延期について、「その代表団の受け入れ先は外務省ではない」と述べ、中国政府は関与していないとの立場を装った。

尖閣諸島をめぐり対日強硬姿勢を貫く習氏が、昨年11月の共産党総書記就任後、会談に応じた日本の要人は公明党山口那津男代表と福田康夫元首相だけ。山口氏とは同諸島に絡む発言を見極めた上で、福田氏とは日中関係に触れない条件で会ったとみられる≫


これで中国側が“信頼している”日本の要人らが浮き彫りになったが、≪両氏以外は親中派であっても、中国側は習氏と会わせようとしない。中国の専門家は、「成果」が得られない会談に、最高指導者を出すことはできないからと指摘する。中国側にとって「成果」とは、最低限、日本政府が領土問題や「棚上げ論」の存在を認めること。その可能性がないことは中国側も認識している。中日友好協会の唐家セン会長は16日、高村氏らと習氏との会談は「現時点では難しい」と述べている
中国側は安倍内閣の閣僚による靖国神社参拝にも反発。華報道官は22日、「中国側は日本側のマイナスの振る舞いに厳正な(抗議の)申し入れを行った」と述べており、中国側の態度はさらに硬化しそうだ≫と川越記者は書いたが、元より中国側は、対日姿勢を“軟化”させる計画はないのだから、どんどん硬化させておけばいいのだ。
「鳴かぬなら殺してしまう」こともない。「鳴くまで待とうホトトギス」でいいのだ。気が短い日本人はこれが出来ないからいつも損するのだ。


≪北のおばさんアナに似てきた華春瑩副報道局長=産経から≫


さて、四川大震災の逸話が入った。台湾赤十字社が100万ドルの義捐金を送ったそうだが、これに中国人民が怒っているという。前回の地震で世界中から送られてきた義捐金の80%が、新疆軍区の部隊整備に流用されたから、今回も被災者には1元も届くまい、というのだ。だから今回の台湾赤十字社の行為は、台湾に向けている中国のミサイルや空母開発に使用されて「敵に武器を送る結果」になることが台湾赤十字には判っていない!と不評だそうな。

四川大地震大紀元日本から≫


香港住民は1元も出さない!と怒って、各地で行われている「募金活動」を拒否、事実回収された募金箱には合計10元しか入っていなかった!という。
中国人民は「募金活動」は大嫌いらしい。それは関係者が殆ど着服するからで、現金は被害者等に直接手渡すものと認識しているという。
2000年秋、桂林でも西安でも、早朝にホテルを出て周辺を散歩した際、人だかりができていたので覗くと小学生らしい少年が胡弓を弾いていて、前に張られた紙に孤児だと書いてある。20人ほどの人民が曲を聴いていたが、演奏が終わるたびに小銭やまんじゅう、それに「ヨーグルト」などが差し出された。私も20分ほど聞いていたからお礼に何か…と思ったが分、角などという小銭がない。たまたま財布に2元札があったので、これを置いたら、少年も聴衆も一斉に私を振り向いたので驚いた。
その時私は「少なかったのか?」と気にしたのだが、あとでガイドに聞いたら「とんでもない。そんな場所で元札を出すのは何かたくらみが…と誤解されたのだろう」といったから驚き、相互友好は困難だと感じたものだ。


靖国問題が解決すると、沖縄の普天間問題同様、中韓両政府には仕事がなくなるのだ。

何も今更「反日で敵意むき出しの国に塩を送る必要はない」
その間、わが政府はドンと構えて、今まで無礼に過ぎてきた靖国の英霊に改めて感謝し、民主党政権下でめちゃくちゃになった防衛力を整備すべきだろう。
そして今回参拝した勇気ある閣僚はじめ国会議員達を非難する“評論家やメディア”など、浮き彫りになってきた「国賊たち」を、次期参院選まで記憶しておくことだ。
今回の騒動を、必要な措置を取りつつ「鳴くまで待った方が得策だ」と私が言う所以である!

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