軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

息苦しいのはPM2・5だけじゃない中国

10月2日、今日は伊勢神宮遷宮の日である。伊勢神宮はまさに「御神域」、日本の過去と現在、そして未来への指針が凝縮している場所である。
今朝はそれをよく表現した「産経抄」を最初に掲げておきたい。


≪2013.10.2 [産経抄
 作家、長部日出雄氏(79)は「恥ずかしながら」かつては左翼だったという。ところが還暦を迎えたとき、初めて伊勢神宮に参拝し、一遍に左翼から「宗旨替え」してしまった。長部氏自身が講演などで、ユーモアを交えて明かしていることである。

 ▼恐らく長部氏だけではない。内宮、外宮のあの森閑とした神域の中に身を置けば、日本の伝統文化のすごさに打たれる。「左翼」思想など、雲散霧消してしまう思いがする。伊勢神宮を訪れた日本人、いや外国人も含めたみんなが共有している体験だろう。

 ▼世界的建築家、ブルーノ・タウトもそうだった。ナチスのドイツから亡命を余儀なくされ昭和8年に来日、桂離宮などの建築物や美術品を見て回り、著書『ニッポン』などで世界に紹介した。伊勢神宮については「日本が世界に贈った総てのものの源泉」と称賛している。

 ▼中でも興味深いのは大建築家の目で、伊勢神宮を日本の稲作文化の象徴と見ていることだ。社殿は「農家を想起せしむる」という。「日本の国土から、土壌から生い立ったのであって、いわば稲田の作事小屋や農家の結晶であり…」(『ニッポン』)というのである。

 ▼さらに、20年に1度、社殿などを造り替える「式年遷宮」にも感嘆の目を向ける。工匠たちが「次の社殿に用いる素晴らしい檜材の仕上げに絶えず励んでいる」姿に驚き、こう結んでいる。「何という崇高な、全く独特な考え方が現われていることであろう!」。

 ▼その「式年遷宮」でご祭神が引っ越す内宮の「遷御(せんぎょ)の儀」が今日行われる。遷宮のクライマックスで神宮は多くの人でにぎわう。20年に1度の機会である。タウトのように日本文化の神髄に触れたい。そうすることで生きる元気をもらうのだ≫

以前、イラクから来たイスラム教の皆さんが感動した話を書いたが、よく理解できる。


さて、安倍首相が消費税8%アップを決断した。経済専門家の意見は割れているようだが、意図的な安倍降ろしでないことを祈りたい。
いま国際情勢は、オバマ大統領は苦境に立っているし、中国も内乱寸前のように見える。朝鮮半島の政情も安定しない。ロシアもそうだ。
シリア情勢に見る米国の指導力低下も、自国防衛を“任せている”我が国にとっては油断できない問題だ。
そんな環境下にあるのだから、安倍首相を筆頭にして挙国一致して未来へ向かうべき時だろう。


そんなさなか、17歳の若き男女が、世界で大健闘している。何とも頼もしく嬉しい限りだ。

≪女子予選 床運動で最高H難度のシリバスを決める村上茉愛アントワープ(共同)≫


≪男子予選で、新技を決めた白井の床運動の演技=アントワープ(共同)≫

我々も特に操縦学生時代に「イメージトレーニング」をしたものだが、とても二人にはかなわない!まるで魔法使いだ!


悲しかったことは、横浜線での人命救助で散った若き女性の話だろう。目前で最愛の娘の最後を目撃した父親の心境が胸に突き刺さる。

≪高齢の男性を助けようとした村田奈津恵(40)さんがはねられたJR横浜線の踏切=横浜市緑区:合掌=産経から≫


弛みきったJR北海道や、高速道の跨道橋・600超の老朽化を点検せず放置していた問題など、考えてみれば労働争議華やかなりしころに青春?時代を過ごした今の60代の日本人には、統率力も責任感も、勇気もないように見えて仕方がない。
それが今じゃ社長さんになっているのだから、問題が多発するのは当たり前だろう。事故のたびにそろって頭を下げている姿と表情を見る限り、貴重な青春時代を文革で勉強出来なかったお隣の政治家たちにどこか似ている方々が多いようで、組織が混迷しているのもうなづける。


さて、その中国だが、実に面白い・事故事件が多発しているようだ。
●【大紀元日本10月1日】えん罪の真犯人が名乗り出ても、裁判所はそれを認めようとしない。そんな奇妙な出来事が中国河北省で起きた。9月27日、河北省高級人民法院(高裁)は連続婦女暴行殺人事件で逮捕された王書金被告に死刑判決を言い渡した。起訴状では、自らが真犯人だと自白した1994年の婦女暴行殺人事件について、王被告による犯行とは認められていない。一方、当時警察当局に犯人と断定された聶樹斌はすでに死刑を執行された。この事件について最近、インターネットで「聶元死刑囚は腎臓病を患う共産党高級幹部に臓器移植のため、急いで刑を執行された」との書き込みが投稿され、大きな反響を呼んだ。


●【大紀元日本10月1日】河南省安陽市のホテルが日本の「旭日旗」を掲揚しているとの書き込みがこのほどネット上で話題となり、ホテル側はあわてて「旗はただの魔除け」であると弁明する騒ぎがあった。
9月27日、同市4つ星ホテル「万匯大酒店」が入り口に旭日旗を掲揚しているとの書き込みが写真付きで投稿され、すぐに炎上騒ぎとなった。
翌28日、ホテル責任者が国内紙・新京報の取材に対し、問題の旗は旭日旗ではなく、「魔除けの布切れ」であると説明した。

河南省安陽市のホテルに掲げられた“日本軍旗”=インターネットから≫


同責任者によると、8月末、ホテル開業直前に、株主のひとりが38歳の若さで死亡した。ホテルの風水が良くないとの噂を聞いた責任者は、風水師に鑑定を依頼。「陰気が強く、陽気が足りない」との鑑定結果の改善策として、太陽を模した布切れの掲揚がアドバイスされたという。
しかし、ホテル側が布切れを掲揚したところ、日本の旭日旗によく似ていると指摘された。慌てて外したが、「それでもユーザーに目を付けられた」と落胆した様子。
布切れの模様は旭日旗に似ているが、地の色は白ではなく、黄色だったと新京報は強調した。
ホテル側はユーザーらに対し「(旗がもたらした)心理的影響」を詫びたが、警察はすでに捜査に着手しているという。北京の秦永敏弁護士は、ホテル側は『中華人民共和国広告法』に定められた、宣伝内容が国の名誉と民族の感情に損害を与えてはならないとの内容に違反しているとコメントした。


● 大紀元日本10月1日】「今日はスモックがかかっていても、われわれの情熱は変わらない」
ここ最近、北京市では大気汚染が最悪レベルの「深刻な汚染」が連日観測され、戸外での活動自粛が呼びかけられている。市内のある中学校で29日、運動会が予定通りに開かれ、校長は冒頭の挨拶を行った。
しかし、校長の「変わらない情熱」に保護者が反発した。「健康のために行われる運動会なのに、こんな悪天候の中でも開催する必要があるのか」と不満の声が上がっている。
北京市内の複数の小中学校は大気汚染の中で運動会を「決行」した。ある中学校の校長は「最近、大気汚染の日が多すぎて、行事を全部中止するのは現実的ではない」と釈明した。
北京市では、9月に呼吸器障害などを引き起こす微小粒子状物質「PM2.5」が基準値を超える日数が14日に上り、例年より10日も増えたという。29日にはPM2.5の1立方メートル当たりの平均濃度が250マイクログラムを超え、最悪のレベルに達した。

北京市内の有毒空気=インターネットから≫


●【大紀元日本10月1日】様々な方法で国外への移住を試みる中国の富裕層が増え続ける中、最近では、将来生まれてくる子どもに米国籍を取得させるため、米国で代理出産を希望する人が増えている。23日、ロイター通信が報じた。
代理出産を希望する中国人は不妊症または不育症である場合もあるが、自身の米国移住も視野に入れている。
米国の法律では、「米国で生まれた子は米国籍を取得することができる」、「満21歳の国民は両親のために永住権を申請することができる」と定められているからだ。

≪台湾で出版されている代理出産の本 (Mandy Cheng/AFP/Getty Images)≫

 ロイターの報道によると、中国で米人女性に代理母を依頼する際の費用はおおよそ12万ドル(約1200万円)。少なくとも100万ドル(約1億円)の投資が要件となる永住権ビザの申請よりはるかに「割安」。北京在住の評論家曹思源氏は「富裕層は現在の中国に不安を抱いているため、身の安全と財産の保全のために国外移住を考えている」とその背景を分析した。
現在、米代理出産の仲介業者は中国語のウェブサイトを開設したり、中国語を話せる人を雇用するなどの対応を取っている。
中国の代理母出産ビジネスの規模は不詳だが、米国移民当局の統計データーによれば、米国を訪れる中国人観光客は2010年の100万人から、2012年の180万人に激増した。


こんな、息が詰まるような環境下での生活を強いられている中国人民は本当に気の毒だと思う。
福島の田舎で出会った「檻の中の熊」君の方が幸せなような気がしてくる…

だから富裕層の大半は、カナダやオーストラリアや米国などに“逃亡”、ただで“自由と民主主義国の空気”を吸い、身の安全を確保しつつ反日活動をしているのだろうが、それも長くは続くまい。
空気の汚染は想像を絶するが、もっとひどいのは表ざたになっていないが、大陸の汚染された地下水である。
日本では福島原発の汚染水が漏れた!などと大騒ぎだが、そんなもの、大陸の地下水汚染に比べれば月とスッポンほどの違いがある。


しかし、中には面白い記事に出会うこともある。覚えておられるだろうか。9月16日に淀川に転落した小学生を中国人留学生が救ったことがあった。

≪淀川に飛び込み、男児を助け出したときの様子をかたる厳俊さん=17日午後、大阪市北区:産経から≫
● 台風18号の影響で増水した川に転落し、溺れていた小学4年の男児(9)を救助したとして、大阪府警大淀署は18日、大阪市北区の中国人留学生厳俊さん(26)に感謝状を贈呈した。

 大淀署によると、男児は16日午後、同区の淀川に足を滑らせて転落。自力で泳いで岸まで戻ることができなくなったところを、厳さんがジョギング中に発見した。

 厳さんは救助を試みたが、流れは予想以上に激しく、一度は失敗。約350メートル下流で再び川に飛び込み、岸から約10メートル離れた場所で男児を救助した。

 2人ともけがはなく、同署は「厳さんがいなければ男児は亡くなっていた可能性が高い」と贈呈を決めていた≫

この事案は、中国でも大きく取り上げられて、人民日報はじめ国営通信社・中新社など、多くが取り上げたので厳さんは「時の人」になったという。
面白いのは「日本での暖かい」反応が驚きだったらしく、CGや再現VTRを放映したところもあったらしい。ところが“役者”が厳さんとは違うフサフサの長髪だったのはご愛嬌だが、「日中関係の“恩讐”を超え日本側が素直に厳さんを評価したこと」がかなりの好印象を与えたという。
反日の急先鋒である人民日報系メディア「環球時報」でさえも、「現在日中関係は、魚釣島尖閣)や歴史問題で悪化が続いている。日本のメディアでは中国のマイナス面は伝えられることが多く、中国や中国人への印象は悪くなる一方だった。厳俊さんの業績は、この状況を改善する好材料になるだろう」と異例の論評をした。(月刊中国

≪中国で時の人になった厳さん=インターネットから≫


自分のことは棚に上げて「日本のメディアでは中国のマイナス面は伝えられることが多く、中国や中国人への印象は悪くなる一方だった」とはいかにも中国人らしい。

しかし、空からは汚染された空気が、陸からは水を求めて「蒙古襲来」の様になだれ込まれたら大迷惑。それまでに我が国は真の意味での「国防態勢」を確立しておく必要がある。

いずれにせよ、江沢民による反日という“妄想”で凝り固まった共産党政権が続く間は、いくら日本側が「友好的対応」をしても、“人民”間に真の交流は生まれそうにないが…

次回は、中国国内事情をご紹介したいと思っている。

あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ

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中国スパイ秘録: 米中情報戦の真実

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韓国の歴史教材『東アジア史』の真実

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「反日思想」歴史の真実 (扶桑社新書)

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ある駐米海軍武官の回想

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大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

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日本を守るには何が必要か

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自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

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