軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

自衛隊は打ち出の小槌か?

9日は「靖国崇敬会主催の曽野綾子氏の講演会」、10日は兵法研究会で「開戦秘話」に関する私の講演会、11日は急きょチャンネル桜「防人の道」の収録と続き、更新が遅れてしまった。


曽野女史の講演会は600席の会場が超満員で、会場入り口階段に立って聞く羽目になった。
上野の美術館を鑑賞した後でもあり足腰がこわばり、曽野女史のお話が終わった時点で退去したが、寄る年波には勝てず?同行した家内もさすがに弱音を吐いた。
しかし、800人を超えると思われる聴衆は、「真実」を知りたがっているのだと感じた。いかにメディアに対する信頼が薄れているか、政治家はこのことをわきまえるべきだろう。
10日の、私ごとき一老兵の講演会も歴史の真実を知りたがっている熱心な方々が参集されたので恐縮した。


11日は井上キャスターと「韓国大統領」の不謹慎ぶり?について漫談予定だったが、最初に、生前航空自衛隊に慰問公演をして下さった島倉千代子さんに追悼の意を表させていただいた。


さて、外遊を続ける韓国の朴槿恵大統領だが、何とかの一つ覚えよろしく訪問先の首脳やメディアに「日本は正しい歴史認識を持て」と“説教”して回っている。



まるで保守系ならぬ「反日・左派の盧武鉉氏」の霊?が彼女に乗り移っているかのようだ。彼も当時の米国のブッシュ大統領やライス国務長官に対し「反日講義」を「情熱的」に展開して米国首脳陣の顰蹙を買った。
産経はこれを“告げ口外交”と書き、「目に余る」と批判したが、チャンネル桜の井上君も堪忍袋の緒が切れかかっているらしかった。
私も彼女がいつまでもこんな“告げ口外交”を続けていると「天に唾することになる」と警告しておきたい。
彼女はありもしない“従軍慰安婦問題”を宣伝して歩いているようだが、彼女の父親・朴正煕元大統領の日本名は、終戦までは高木正雄という日本軍の将校だった。“歴史”ならぬ“戸籍”を調べてみるがいい。まずは父親の履歴と己の国の歴史をしっかり勉強すべきである。
昭和54年に私が訪韓した時、全盛を誇っていた全斗煥氏に似ている?と“歓待”されたことがあったが、その全斗煥大統領が訪日した1984年までは韓国人名は日本語読みだった。その後現地語読みが行われるようになったが、それまでは「ぼくせいき」と呼ぶのが習わしだった。当然「歴史に強い」大統領は、長女だから父親の経歴はご記憶だろう。

≪朴正煕元大統領=インターネットから≫


満州国軍見習士官時代の朴正煕=インターネットから≫


1917年11月14日 生
1932年 大邱師範学校入学
1936年 結婚(最初の結婚)
1937年3月 大邱師範学校を70人中69位で卒業
1940年4月 満州国軍軍官学校に240人中15位で入学
1942年 満州国軍軍官予科を首席で卒業
1942年 日本陸軍士官学校編入(57期相当)
1944年 日本陸軍士官学校3位?で卒業。満州国軍歩兵第8師団に配属 
1945年8月 満州国軍中尉で終戦を迎える

陸士卒業者名簿の57期(1944年(昭和19年)4月卒業1268名)には「留学生:朴正煕(高木正雄)」とあり、戦死者の中には、金泳秀(金山泳秀・2階級特進、戦死)とある。また、作家の村上兵衛氏は「同期生」に当たる。
父上は「従軍慰安婦」について、黙して語らずだったのかな〜〜それとも満州慰安所はなかったのかな〜


ついでだから、父上のクラス前後の名簿にある半島出身者名も掲げておこう。
「56期」(1942年12月卒業1672名);少佐:崔貞根(高山昇・2階級特進、戦死);大尉:李亨根(松山武雄)・崔昌植(高山隆)・金鍾碩(日原正人)

「58期」(1945年(昭和20年)6月卒業1146名)
少尉:・丁來赫(玉岡聖賢)・朴元錫(徳田元教)・申尚怏(永田達明)・韓?顯(米原旭一)・崔福洙(佳山竜雄)・安光銖(亀村正経)

なお山本卓眞氏、村井澄夫元統幕議長は58期である。


ところで産経は、
小野寺五典防衛相は13日、フィリピンの台風被害への国際緊急援助活動で、海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦「いせ」など3隻をはじめ、約1000人を派遣する方向で調整していることを明らかにした。国際緊急援助活動としては過去最大規模となる見通し。
ほかに輸送艦おおすみ」、補給艦「とわだ」、CH47輸送ヘリ3機、C130輸送機などの派遣を準備している。おおすみは沖縄周辺海域で予定していた離島防衛訓練への参加を急遽、中止して準備に入った。

現地では医療や輸送、防疫などの支援活動を想定。先に現地入りした先遣隊要員がフィリピン政府と調整を進めている≫と報じた。

≪出帥準備中か=産経から≫


さらに小野寺五典防衛相は15日、「フィリピンの台風被害救援の自衛隊部隊を現在の約50人から約1180人に増員する命令」を出した。
≪増援部隊は一部を除き艦艇3隻で18日に出発し、早ければ22日ごろに現地に到着の予定。派遣部隊の規模は過去最大となる。日本政府によると、レイテ島とサマール島に住んでいた日本人75人と連絡が取れていない≫という。

≪山形からも派遣=産経から≫


伊豆大島からはようやく撤収したようだが、3・11当時の菅首相による「10万人を出せ」命令以降、何でもかんでも「自衛隊自衛隊」と安易に酷使しすぎてはいないか?
小泉首相時代に「防衛も聖域ではない」という指示で予算が大幅ダウンしたが、それ以降人員削減は継続されている。小泉内閣が成立したのは平成13年4月、約5兆円あった防衛関係費は平成16年以降ダウンし始め平成18年9月に安倍内閣になる直前は4兆8千億円に削減された。その後もじわじわとボディブローが効いてきて、平成24年度には4兆6千億円まで落ち込んでいる。そんなさなかの3・11であり、今回の伊豆大島であり、そしてフィリピン『派遣』である。
隊員たちはそんな状況下にあっても「大丈夫です!」としか言わないように“訓練?”されているのだ。
それを大局的見地から改善するのが政治の使命であることを忘れないでもらいたい。

原発ゼロより先にやるものがあるのでは?=産経から≫


ところでこのような日本国自衛隊の動きに敏感なのがシナである。
≪15日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、「中国も(台風30号で被害を受けた)フィリピンの救援のため軍艦を派遣すべきだ」とする社説を掲載した。

社説は、米国が原子力空母、日本が大規模な自衛隊の派遣を決めたことを取り上げ「救援をめぐる“地政学上の競争”が展開されているとの国際的な議論が活発化している」と指摘。

「中国が空母『遼寧』を派遣するのが刺激的すぎるなら、(軍の)病院船」を派遣すべきだとし、世界各地でこうした救援活動を続けることにより「中国軍の使命は自然と広がっていくだろう」と強調した。(共同)≫

台風30号で被害を受けたフィリピンを中国が援助すべきかどうか、中国の人気サイト「騰訊網」がネット上でアンケートを行ったところ、14日午後11時(日本時間15日午前0時)の時点で「援助すべきでない」との反対意見が全体の84%に当たる約10万2千件と、圧倒的多数を占めた。両国が南シナ海の領有権問題で対立していることが背景にあるとみられる。

中国政府と中国赤十字はそれぞれ10万ドル(約1千万円)の支援金を送ると表明。米国は2千万ドル、日本は1千万ドルの援助を行うと発表、トヨタ自動車も1千万ペソ(約2300万円)の義援金を決めており、海外メディアから「世界第2の経済大国なのに、中国の支援は少なすぎる」と批判が出た。中国外務省の秦剛報道局長は14日の定例記者会見で、1千万元(約1億6千万円)相当の物資を追加支援すると表明した。(共同)≫


いかにも共産中国らしい展開だが、情報によると、例のタカ派軍人・羅援少将らの発言に刺激された山西省のミサイル部隊が移動したという。
目的は≪尖閣≫をミサイルの訓練場にしてミサイルを撃ち込み、世界に「シナの領土」であることを宣言するのだという。
それを裏付けるように、南昌郊外の国道105号線に100台以上の軍用車が並んでいるという写真がネット上に流れたらしい。
政治的にも人道的にも、さらに経済的にも孤立化が進みつつある中共政府が、それを実施すればどうなるかなど考えてもいないらしい。
勘ぐれば、“尖閣演習を名目”にしたクーデター準備なのかも??


そういえば、日本では報じられていないが、李源潮中華人民共和国副主席(第17・18期中国共産党中央政治局委員)が、先月上海訪問中に暗殺未遂事件にあったらしい。彼は胡錦濤率いる中国共産主義青年団上海市委員会書記を務めていたから、権力闘争の渦中にあった。
上海書記には、習近平派の栗戦書・第18期中国共産党中央政治局委員、党中央弁公庁主任がつくらしいと、博訊報が伝えたという。
こうなれば、上海における江沢民の影響力は壊滅することになる。

李源潮中華人民共和国副主席=インターネットから≫


そんな状況で「尖閣にミサイルを打ち込む」という動きは、いささか腑に落ちないが、政争の一環であるとすれば納得がいく。

何はともあれ、我が国周辺は「アジアの危機」に瀕していることを忘れることなく、貴重な戦力をフィリピンに“派遣”してほしいもの。
同時に「自衛隊は打ち出の小槌じゃない」ことを肝に銘じて速やかに自衛官の増員を図ってもらいたい!


頂いた本のご紹介
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≪取り戻せ!日本の正気:宮崎正弘著:並木書房≫
三島由紀夫の『正気の行動』にみられるように、日本の歴史上、危機的状況に陥ると必ず吹き出す『正気の風』を考察した労作(憂国忌実行委員会)」



≪日本のために:井上太郎著:青林堂
ツイッター上で注目を集める[井上太郎@kaminoishi]は、正体不明であり、検察とも公安とも内調ともうわさされている。マスコミの裏側を暴露し、その情報の的確さに賛否両論が巻き起こっている」著書だという。
著者紹介には、≪「誇り高き国、日本」右翼でも左翼でもない、保守でも革新でもない。ただ日本を愛し、日本と日本国民を守りたいだけ。根拠を示して真実を呟きます。命をかけて日本を守った魂が簡単に知りえない情報を出します≫とある。
落ち着いて一読したいと思っている。

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