軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

法隆寺に落書き「殺すぞボケ!」


≪日本世界文化遺産に落書き=博訊報から≫

この画像を見て頂きたい。国内ニュースで報道されたかどうか気が付かなかったが、国宝・法隆寺の土塀にこんな落書きがされた、と29日の博訊報が伝えている。
記事は「奈良の教育委員会が処理を検討中」とあるが、中国ウォッチャーは「犯人は間違いなく中国の留学生か中国人だ」と断定した。その理由は「中国人はエジプトや台湾など、観光先で同様な落書きをしてその国を誹謗しているからだ」という。
私のブログにもはるばるカナダから「キルジャップ!」と罵ってくる中国人がいるが、その手合いだろう。


日本の新聞もTVも取り上げなかった?ようだが、博訊報には「文字の大きさは一辺が1m位で深さは最大6cm、この鋭い傷は金属の釘とみられ、修復は不可能だろう」とある。
ここまでやられても、おとなしい日本人は「中国を刺激しないで!」と犯人追求しないのだろうか?
博訊報は犯人が中国人だから「記事にした」と推定できるのだが…


ところで前回書いたモスクワでの中国人街襲撃“事件”を伝える続報が入った。写真だけを添付しておこう。

≪中国人街を襲撃するロシア特殊部隊=阿波羅新聞網から≫

襲撃したのは「ロシア連邦安全局(FBS)、特殊警察、連邦移民局、ロシア内務部、ロシア経済犯罪局」とあるから、不法取引や不法滞在者などの摘発だったのだろう。600人が逮捕され(数人は解放された)、店舗は破壊、金品は“強奪”された。この時習近平主席夫人は、北京のロシア大使館で行われた歌劇に招待され、ちょうど歌っていた最中だったという。
翌日の20日は、汪洋・中共国務副総理が「中露旅行年」の記念会議の閉幕式に出席していた。
一方日本に滞在する中国人に対して中共政府は、≪緊急事態≫発生時に「協力や救助を実施する」ため、連絡を呼びかけていた。
しかし、在ロシア中国人がこのような目に遭っていても見て見ぬふりだ!と人民は怒っているらしい。
中共政府は、人民よりも共産党、というよりも自己防衛以外に関心はないのだから、「中国外交部は、米国の犬に成り下がり、おとなしい日本にだけは居丈高だ!」と、中共政府に対して絶望しているという。


次に渤海黄海の間の“軍事施設建設”情報だが、まだ確たる情報はない。しかし、遼東半島山東半島を結ぶ渤海海峡の下に、全長122kmの海底トンネルを掘削する計画があるそうで、そうなれば渤海湾をある程度封鎖して工事をすることになろう。
世界的に有名な“中国製”新幹線でも通すつもりなのか知らないが、それをウォッチャーは軍事基地建設か?と思ったのかもしれない。
しかし、一説によれば「2000億元」といわれる巨額な建設資金が、未だにあの国にあるとは思えないのだが…


さて、今話題の中国が東シナ海に一方的に設定したADIZ“事件”だが、国際的に強硬な反対が沸き起こり、核爆弾搭載可能なB−52の“出撃”を招くなど、ペーパータイガーは眠っていたドラゴンを起こしてしまったようだ。
“想定外”だった政府(軍部)はその弁解に躍起のようだが、この問題は戦後一貫して国防を軽視して、ぶったるんでいた日本はもとより、アジア周辺諸国に大きな警鐘を鳴らす結果を招いた。
しかし、我が国が頼りにする米国政府さえも、国務省国防省の間では見解が分かれていたらしく、国務省が民間航空各社に飛行計画書を提出するよう指導したといわれる弱腰姿勢は全く情けない。


ADIZは、領空侵犯を防ぐための一基準線に過ぎない。他方「飛行計画書」は、特に民間機の飛行の安全を確保するため、離陸空港から空路、そして目的地までの飛行計画を書いたもので、防空部門はその計画書と照らし合わせて「彼我不明機」かどうかを確認するものにすぎず、航空会社が直接「中国の外交部」や「国防部」に提出する必要はなく、「上海FIR」に提出すれば済むものだ。
こんな航空関係に疎い素人集団が指導する役所が米国にもあるとすれば、日米同盟が確実に作動するかどうか気にかかる。
防衛と外交は車の両輪だが、いずれの国においても、一見“力を敬遠した平和主義”の外交部門と、“力を信奉する”防衛(軍事)部門間の意見の相違は、避けられないものに見える。はたして我が国はいかがなものか??
パスカルは「力無き正義は無効、正義なき力は圧制」と言っているが、彼はアメリカ人じゃなかったか…。


私の勝手なシナリオだが、中国が米国と覇権を争う、と決断した以上、米本土に対する核攻撃手段を保有しなければならない。
メイドインチャイナのICBMの脅威などは、周辺の弱小国諸国にとってはそうだろうが、核大国・米国に対してはSLBM搭載潜水艦を太平洋上に展開して、米本土に睨みを効かせなければ効果はなく、北朝鮮の“核ミサイル”と同程度なのだ。
そこで『遼寧』などという空母もどきを海南島に集結させ、やがてここに集結しているSLBM潜水艦の護衛を開始するのだろう。

海南島にある中国海軍基地=インターネットから≫


しかし当然制空権がなければ空母機動艦隊も力を発揮でない。SUー30程度を何機か『遼寧』に搭載しても、第7艦隊に太刀打ちできるはずがない。そこで空軍(海空軍)の出番になるのだが、それにはADIZという空の防空網をかぶせる必要がある。


今回、シナは東シナ海上空にこれを設定したが、次は黄海、南海にも設定するだろう。

≪強化されつつある南海艦隊=シナのインターネットから≫


今回の件で彼らの軍事戦略の片鱗が垣間見えてきたが、問題は「飛行計画書提出」など、外交的抗議を繰り返していても始まらない。
要は、その渦中にある我が国が、中国の海空戦力の洋上展開能力を阻止できる「軍事的能力」を整備することだ。貧乏暇なし、貴重な自国防衛のための真面目な自衛隊を、専守防衛の枠からはみ出しているにもかかわらず、大盤振る舞いでジプチやフィリピン、その他世界中に差し出して「外交的点数稼ぎ」をしているが、今、政権維持に苦慮している習近平政権が、軍部の支持と、不評を買っている人民に支持を得る最も有効な手法として「無人島」である尖閣を目標にした軍事攻撃をしてきた場合、どう対処する気か?
同盟国だけを頼りにしてはなるまい。
万一習近平が“それ”を実行したとすれば、次に来るものが何かは容易に想像できるではないか。
安倍首相がそこまで気が付いているのかどうか気にかかる。被災地めぐりは夫人に任せて、自分は官邸で差し迫っている軍事紛争に対する国家戦略を練るべきじゃないのか?
新生安倍政権が今やるべきことは、過去60年余の間、自国防衛を米国の核の傘に依存して、キリギリスのような怠惰な生活を送ってきた「戦後レジームからの脱却」であり、一部の左翼主義者、メディアの誘導に引っかかって、将来に禍根を残すことなないよう「万全の態勢」を整えること以外になかろう。

≪中国は太平洋への進出口に防空網を引くつもりだ=産経から≫


エネルギーが有り余っているにもかかわらず定職もなく、結婚も子作りも、生きる目標をも見失いがちな成年男子(女子?)を警察、海保、自衛官に大量採用して、治安維持と防衛に万全を期してはどうだ?

それでなくとも国内には、100万を超す中国人と60万余の「反日人」たちが潜んでいるのだ。


法隆寺の1件は、その警告だと受け止めるべきで、教育委員会マターじゃないことを日本人は悟らねばならぬ。

今後、習近平政権がどうやって生き残るかについては、諸情報を整理中だから、いずれ読んでいただく機会が来るかもしれない。


ところで早いもので、平成25年も残りあと一月になってしまった。
私事だが、昨日は“サファイア婚”を迎え、二人でシャンパンを飲み過ぎた!(禁酒にもかかわらず!)…
まだまだ、老兵といえども、いざ鎌倉の時は“木刀を持って”はせ参じる覚悟。
改造されていないわが愛機、ファントム戦闘機・336号機はまだ飛行可能なはず。わが愛機にうち跨って敵のADIZを蹂躙する気力は温存しているつもり!

後輩諸君、ゆめゆめ油断めさるナ!

≪飛行隊長時代のわが愛機・336号機!≫


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≪私が広報室長時代に御巣鷹山事故が発生したが、メディアのあまりの意図的“誤報”に対して反論した時、多くの反響があった。
その中に著者の小菅氏がいて、私が「夜間に降りられない自衛隊のヘリ」という無知な記事を斬った上で、「ならば各新聞社が保有するヘリで、あの状況下で着陸して見せてほしい」と反論したのに対し、「その通りで反論のしようがない」と、確か編集後記?に書いてあったと記憶する。それが縁だったと思うが、小菅氏とは以降交流が続いていた方の一人である。
帯にある通り、昭和から平成を駆け抜けた名編集者による回想録。ぜひご一読いただきたい。第一線記者時代の興味深い“秘話”もある≫

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