昨日は、いきなり旧友からのスクランブル発令で日本テレビに出かけた。「新防衛大綱」に対する意見を…というのだが、56中業時代から我が国の防衛大綱は美辞麗句のオンパレード。問題は「大綱別表」にあるのだが、解説文は勇ましくても、中身は「軍縮一本やり」。過去の「別表」を見比べてみるよう担当記者に教えてきた。
「防衛予算も2年連続して増えた」と認識しているようだが、昔から一貫して減ってきたのであり、株価のように≪前日比≫に過ぎない。
確かに歴代政府作成のものに比べると“画期的”だが、新大綱が「絵に書いた餅にならぬよう」、安倍最高指揮官にお願いしておきたい。
さて、周辺情勢は急変している。
今朝の産経には「都知事選、江田新党…思惑見え隠れの東国原氏、離党届提出も維新に惜しむ声少なく」とあったが、こんな政界の≪落ちこぼれ集団≫の去就何ぞ、お風呂の中の○にすぎまい。何が「野党再編」だか知らないが、私に言わせると政党助成金目当ての「野盗」の悪あがきにしか見えない。
さて、北朝鮮で大きな変化が起きた。これは単なる北内部の政変劇ではない。若すぎる正恩書記誕生以前からうごめいたものが顕在化したに過ぎない。
粛清された張成沢氏は、もともと中国に長期滞在している金正男氏を担いでいた人物。さらに、北朝鮮で唯一といっていい外貨稼ぎの商品である石炭を、安く中国に輸出し、それで中国とは太いパイプを築いて「貿易、核問題、地方交流事業…」を手広く展開してきた人物で、正恩に言わせると売国奴にあたる。
勿論その裏では女性問題も華やかで、北朝鮮の有名な踊り子や歌手、中国の美女とのうわさも絶えず、ウォッチャーによると「北朝鮮産の朝鮮人参」の広告塔のような存在だったという。
産経は「北の窓口不在に困惑する中国」と書いているが、実は中国にとっては“困惑”どころじゃなく、戦略の修正を求められる一大事なのだ。
もともとこの二国は、かってのソ連と中国同様に「犬猿の仲」だったのだが、日本の親中メディアがオブラートに包んで報道してきたせいで国民は知らないだけなのだ。「文革」を世紀の一大政治改革だとほめそやしたように…
その中国との“腐れ縁?”を切る行動に正恩第一書記が出たのは若いからできたのだろうが、顔に泥を塗られた世界NO2を自負する中国の主席が黙っていられるはずはない。
暗殺を恐れて?軍司令部に寝泊まりしていると噂されている習近平主席は、瀋陽軍区から約1個師団を訓練名目で、中朝国境近くの長白山(北朝鮮人民が崇敬している“神山:白頭山”)地域に移動させた。
私が得ていた情報では、これは張氏の失脚が話題になり始めた今月初めのことで、裏では「危険を感じた張成沢氏が人民解放軍を国内に導入しようと謀った」ともいわれている。朝鮮戦争で金日成が「人民解放軍」の介入を求めたように…
しかし国内で周永康逮捕などで大多忙だった習主席もそこまでは決心できなかったのだろう。その隙をついて正恩書記は張成沢粛清に踏み切った…
≪全職務剥奪する「除去」 北朝鮮、「反党・反革命的行為」と断罪≫という産経のタイトルはそれを示している。
そして彼を支持する者たちへの「見せしめのため」に党員大会の場で張成沢をこれ見よがしに強引に連行した。
≪連行される張成沢:他の参加者のひきつった表情が生々しい=産経から≫
≪独裁専制国家のやることはどこか似ている=大紀元時日本から≫
言い換えればこれは北朝鮮内部の「クーデター未遂事件」だったのである。
金正日時代にもこれに類似した事件は多々あったのだが、すべて闇に消されてきた。
産経は、瀋陽軍区から軍を移動させたのは「北朝鮮有事に備えるための配備の可能性もある」と報じているが、出動が遅れた結果、そう見られたのではないか?
いずれにせよ、正恩書記は一息ついた格好だが、今後の中朝関係と北の国内動静は予測しがたい。
ただ、北朝鮮がこれに前後して拘置していた米国人を、“大々的に”宣伝して釈放したことは、米国への何らかのシグナルだと思われるが、シリアの化学兵器問題で“優柔不断な姿勢”を示したオバマ大統領がこのシグナルを読み取れるかどうかは疑問である。
ところがその米国だが、暴動が続いているウクライナへの制裁を検討しているという。表向き「治安部隊出動は容認できない」というのだが、今度もまた『拳だけ振り上げて』終われば米国の権威は地に落ちる。
しかし私には米国の真意はほかにあるとみている。実は米海軍の“特許”ともいうべき≪空母のカタパルト≫の設計図と技術を、ウクライナの企業が中国に売りつけようとしているという情報があるからである。
中国に売却された旧ソ連製の海軍艦艇のほとんどは「ウクライナ」で建造されたものだから、この情報は確度が高い。万一技術が中国に流れると、米海軍の空母に対抗できる空母が建造されることになり、ミリタリーバランスは大きく崩れるからだ。
ところで北朝鮮で起きた事件に対する中国国内の動静については、在北京の産経・矢板記者が書いた次の記事が的を射ているように思うのでご参考まで。
≪【北京=矢板明夫】北朝鮮で国防副委員長など全役職を解任された張成沢氏は対中交渉の中心的役割を果たしてきた人物だけに、中国の対北朝鮮関係者らは大きな衝撃を受けている。失脚に伴う側近の粛清のためか多くの北朝鮮の対中関係者との連絡が付かなくなっているほか、中朝貿易の一部が中断し、急遽延期となった地方政府間の交流事業もあるという。中国の外交関係者は「両国間のパイプは一夜にして切れてしまった感じだ」と語った。
北朝鮮の主要指導者の中でも、張氏は最も親中的といわれる。2010年6月に国防副委員長に選出されて以降、確認されただけで5回訪中。習近平指導部では、序列3位の張徳江氏と6位の王岐山氏との太いつながりを持つとされる。
北京の外交筋の間では、張氏の側近とされる池在竜駐中国大使が近く本国に召還されるとの噂(召喚された)が出回っている。中国外務省関係者は「張氏の失脚は私たちにとって寝耳に水だ。必死になって情報収集をしているが、今の北朝鮮大使館から何の情報もとれない。機能していないのかもしれない」と話している≫
さてその中国だが、ここも非常に困難な事態を迎えている。北朝鮮には“裏切られ”、子分だと思っていた韓国までもが中国のADIZに対抗して拡張した。
元々一番の“敵”であった日本を威嚇するためのADIZ設定だったことは、韓国のADIZ設定について、中国国防部や外交部がさほど威嚇しなかったことが示している。
唯でさえも大気は汚れ、≪8億人が「呼吸困難に」 中国で大気汚染拡大 新華社が異例の論評≫と報じられるほどの中国である。戦争をしてもしなくても、先は見えているような気がするのだが…
≪中国国営新華社通信のウェブサイト「新華網」は11日、深刻さが際立つ大気汚染を総括する異例の論評を掲載、有害物質を含んだ濃霧は全国104都市に拡大し「8億人余りが呼吸すら困難となった」と振り返った。「応急措置は役に立たず、濃霧発生は常態化した」とし、政府がここ1年、有効な解決策を打ち出せなかったことを示唆している。
国民の不満は高まっており、中国指導部は対応に苦慮。共産党・政府系メディアは最近、有害濃霧発生によって「国民の団結が強まった」などとする記事をインターネットに相次いで発表、国民の大きな批判を受け即座に削除するなど迷走ぶりが目立っている(大紀元日本)≫
空気と水がきれいな日本に、大挙して押しかけられてはかなわない。次期防衛大綱には何らかの対策を!といいたくなる。
≪大気汚染の中でのファッションショー・北京。折角の美人も“顔なし”=大紀元日本から≫
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