軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国共産党崩壊の序章か?

今日は7・30、航空自衛官にとっては忘れられない恥辱の日だ。43年前の今日、雫石上空で訓練中だったF−86F戦闘機に全日空機が追突して162名が亡くなったが、その責任を追突された訓練生は無罪になったものの、空中で指導中だった教官が負わされ有罪になったからである。
“素人”裁判官の無知に驚いた私は、その後資料を整理して「自衛隊の“犯罪”」(青林堂)を出版した。教官の無念を晴らしたかったからである。


今日の産経「正論」欄に、元最高検検事の土本武司氏が、「『先例ありきで』裁判員を縛るな」として、幼児虐待死の裁判員裁判で、10年の求刑が15年になったことに対して、上告を受けた最高裁が「従来の量刑傾向に沿った量刑に修正し、父親を10年、母親を8年にする“自判”をした」ことを土本氏は「罪種ごとに量刑基準が定立されているわけでもないのに、どのような根拠であれば「説得的」だといえるのか不明のままだ」と批判しているが全く同感である。


雫石事件の刑事裁判では、教官が最高裁で審理されていたが、そこに民事裁判で不利になりつつあった全日空側が乗客が撮影していた8ミリフィルムを提出した。
ところがこれが衝突位置に関する計算ミスで、防衛庁側が一気に有利になったため、全日空側は急ぎこれを取り下げ、空中撮影したフィルムに信憑性はないと、一転して逆の理論を展開したのだが、これにあわてた?最高裁は、8ミリフィルムという新証拠が出たにもかかわらず、2審差し戻しすることなくこの時も突如刑事裁判で“自判”して結審させたのだが、少しは良心が痛んだらしく「執行猶予」をつけてごまかした。
民事で有利になった防衛庁側は、2審差し戻しを予期してその準備にかかっていたところだったから、虚を突かれて再審要求さえしなかった。
国の命令で訓練に励んでいた自衛官を処罰し、スケジュールが大幅遅れて焦って訓練空域に侵入した民間機の方を優遇したのである。

何処に正義があるのか!と当時の我々戦闘機教官は怒り狂ったものであった。


今、TVの格好の話題は、佐世保市で起きた猟奇事件だが、奇妙にも殺害した犯人の方は「擁護?」されているように見える。一方では犠牲者は顔写真まで流されて、いかにも同情しているかのように報じているが、断片的情報をつなぎ合わせてみると、真の犯人は「犯人の父親」だと私は思っている。

しかし彼は「社会的地位」が高いらしく、官憲も及び腰のようだから、きっと“法律関係の仕事”をしているのだろう。まさか裁判官じゃあるまいが…

16歳の少女を狂わせたのは、父親のふしだらな女性関係じゃないのか?
癌で死亡した少女の生みの母親の一周忌も過ぎていないうちから、新たな女性と入籍した点が、まっとうな男のやることではないと私には感じられる。


いずれ週刊誌が詳細に彼の家庭の内情を暴くだろうからこれ以上触れないが、この世には一見紳士ぶったエロ事師が増えていて、松島基地司令時代に町の床屋のおかみさんが、ノーパンしゃぶしゃぶに狂った高級官僚のニュースを見ながら、「司令さん、この人たちは4年制の大学に通って何を勉強したのでしょうかね〜」とため息をついたことが忘れられない。
向学心に燃えていた彼女は、家庭が貧しかったので、高校進学をあきらめ、手に職をつけよという母の勧めで理髪専門校に通いながら、高校に進んだ友人の教科書を借りて勉強したといった。
この時私は「高学歴無教養」という言葉を思いついた…。


今、ネット上でリコール運動が爆発的に広がっている東京都知事も昔は東大助教授だったが、知人に紹介されて六本木のすし屋で会ったことがある。
いきなり私に「先輩!」といったので、「修猷館の卒業生?」と聞いたら、北九州の高校から東大に進んだといった。同じ福岡県人だから先輩といったらしいが、どうやら先に書いた「言葉」は的を射ていたようだ。

≪なんとまあ、卑屈な目つき・・・これじゃ若者たちが怒るはずだ。「都民の90%は韓国が好き」といったそうだが、私も都民の一人だ。90%の都民に入っていないぞ!=産経から≫


ところで今日私が書きたいことはそんな低次元の問題ではない。
今朝の産経トップには「周永興氏が失脚」とあり、中国共産党内の内紛がいよいよ頂点に達しつつあることを示しているから、隣国の国内騒乱に気をつけよ!といいたいのである。次はいよいよ江沢民だろうが、すでに権力を失っているといってもよかろう。

≪公安・司法等を主管する中央政法委の前トップ周永康、ついに身柄拘束=大紀元日本から≫

しかし、彼のおかげでいい思いをしてきた高級党員や軍人らが、戦々恐々としつつも隙あらば習近平に一矢報いたいと蠢いているのも事実だ。
シナの近現代史を見ただけで推察できるが、今の日本人は歴史を軽視してきたのでピンと来ていないようだ。
革命に失敗して日本に亡命してきた孫文や、日本の陸軍士官学校に留学した蒋介石はじめ多くのシナ人がいたことを思い出すがいい。

≪うまい汁を吸ってきた軍幹部ら=大紀元日本から≫


≪中国の退役軍高官による不動産・公用車の不法占有に対する調査発動:一人当たり3〜4軒の高級マンションを持っている=大紀元日本から≫

産経は3面でようやく“粛清”という言葉を使ったが、いま大陸で起きていることはまさに革命であり、第2の文化大革命だといってよかろう。

シナにいい思いをさせてもらった日本の企業家たちには「そう思いたくない」という感情が先走っているから、正確な状況がつかめないのである。腐った不衛生な食材を、平気で日本人に食わせていた外資企業のように。

≪厳しい表情で決算会見に臨む日本マクドナルドサラ・カサノバCEO=29日午後、東京都中央区(栗橋隆悦撮影)=産経から≫


彼女の中国人観は根本的に間違っている。個人のミスではなく組織の問題なのだ。大東亜戦争蒋介石を支持して日本と戦わせ、終戦後は敵である毛沢東に大陸を奪われ、強力に支援した蒋介石は台湾に逃亡した。
やがて蒋介石が用済みになると、ニクソンキッシンジャーは改めて北京(共産主義者)と手を結んだが、今度は中共を支援して世界第2の経済大国に押し上げ、軍事大国にまでしてしまった。今頃あわてて解決方法を模索しているが、建国200年程度の米国政府要人の思考は、4000年?のしたたかな闘争の歴史を持つ大陸には通用しないのだ。
ベトナムでもそうだった…。南ベトナムを強力に支援したが、戦闘が不利になるとさっさと引き上げた。この時暗躍したのもキッシンジャーだった…
そして今や「昨日の敵は今日の友」ぶっている。
アジアに関する米国の認識不足は、いつに日本外交の拙劣さにある。≪慰安婦騒動≫を見るがよい。米国人のアジア観はあの程度なのだ。それを善導すべきなのが日本の政府出先機関なのだが、彼らも又不勉強だから救いようがない。


やがて米国は、ひどいしっぺ返しを覚悟しなければならなくなるだろうが、その前にそんな米国から与えられた「諸国の公正と信義を信頼」した憲法を大切に守って開発途上国並みのモラルに陥りつつある「天皇をいただく商人国家」の方に危険は迫っていると見た方がよかろう。


同じく産経9面に「8割が『海洋強国でない』中国紙の世論調査 4割が『日本』と回答」という共同電が出ている。

≪29日付の中国共産主義青年団の機関紙、中国青年報によると、同紙や国家海洋局などが共同で行った海洋に関する世論調査で、78.1%が「中国は完全な海洋強国とは言えず、中レベル」「海洋強国ではない」と回答した。
「海洋強国と呼べる国」として日本との回答が40.3%と米国(53.6%)に次いで多かった。
 海洋の安全については南シナ海で「権益が脅かされている」との懸念が32.1%で最も多く、東シナ海は18.9%。周辺国との対立については50.1%が「資源争い」、43.4%が「領有権争い」との認識を示した。
 調査は4月8〜30日、全国16〜45歳の約1万人を対象に実施。習近平指導部が海洋権益拡大を図る戦略目標として掲げている「海洋強国建設」については、半数が知らなかった(共同)≫


政治的には陰惨な政権争いが続いていて、天下分け目の瀬戸際にあるが、人民は、自分の国の海洋戦力よりも、反日であるべき日本の方が勝っていると考えていて、政府のプロパガンダを否定しているのである。

これでは共産党と軍のメンツは丸つぶれだ。今や軍高官の指揮統率は大混乱しているから、そんな中、一旗揚げようとする跳ね上がり幹部が出ないとも限らない。うまくいくとその後高級幹部になれるからだ。
この記事のすぐ下に「海空軍統合し防空圏監視 中国、東シナ海指揮センター新設」とあるのが、その兆候だとみてよかろう。

≪中国が昨年11月に東シナ海上空に設定した防空識別圏を有効に監視する目的で、海空軍を統合的に運用するための「東シナ海合同作戦指揮センター」を新設した。中国軍事動向に詳しい専門誌「漢和防務評論」(本部カナダ)最新号が29日までに報じた。
 同誌によると、指揮センターの管理下で約300機の戦闘機を第一線に配備。センターの指揮権は、軍区を越えて軍中枢の総参謀部にあり、東シナ海の情勢に関する報告などは共産党の最高機関「中央国家安全委員会」に直接行うことになっているという。
 今年5、6月に東シナ海の公海上空で自衛隊機に異常接近した中国軍のSU27戦闘機は、内陸部の重慶市に駐屯する部隊に所属。通常は東シナ海を飛行することはないが、同センターの新設によって空軍が統一指揮されているため、中国が設定した防空識別圏内の警戒などで飛行した。(共同)≫

情報によると、演習は空軍の新鋭機(SU-27か)約300機をセンターが統一して運用し、東シナ海のADIZを守る配置についたというのである。
既に尖閣攻撃演習が計画(第1級戦闘準備冷)されていて、ADIZ内に侵入してくる空自機を撃退する演習を今日から8月2日の午後6時までするらしい。

尖閣上空に進出してきたSU27=産経から≫


ここまで彼らが増長したのは、延々と続いてきた「集団的自衛権論争」を分析して、「日本政府は、絶対に先制攻撃をしない」「空自機は絶対に先に攻撃してこない」「日本国民は、意見が分かれていて本気で戦う勇気がない」と見たからだろう。
その上、兵器の数で勝負する国柄だから、今や沖縄の空自機(約20機)に比べてセンターは300機の新鋭機を運用し、この「尖閣攻撃演習間」スクランブルしてくる自衛隊機に対して、ただちにスクランブルできるように待機中であり、「日本が反撃してきたら12分で現場に駆けつける!」と意気盛んらしい。

そしてあの“タカ派”の羅援元少将は、「自分の領土で演習するのであってなんら国際的非難を受けるいわれはない。その後は尖閣を中国軍のミサイル演習場として世界に公表する絶好のチャンスだ!」とこれまた意気盛んらしいが、まさか政権闘争終結後、中将として軍に返り咲くためのアドバルーンじゃなかろうが…
尖閣を攻撃する演習をしても、沖縄には“手下たち”が潜入して活動しているから、空自の活動は妨害できる、うまくいくと沖縄「開放」も夢じゃないと豪語しているらしいが、国内騒乱から人民の目を外に向ける絶好のチャンスであることに変わりはない。


現在最高指揮官の安倍総理はコロンビア訪問中である。小野寺防衛大臣には、情報入手と、万一に備えた対策を練っておいてもらいたい。用心するに越したことはない。
連日猛暑の中で防衛任務に就いている南混団の後輩たちに、ゆめゆめ油断めさるな!といっておきたい。


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≪おなじみ『WiLL9月号』である。9月号はの総力大特集は「朝日を読むとバカになる」である。空幕広報室長時代に直接体験した私にはよく理解できる!ご一読あれ≫

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