軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

日本外交の真価が問われている

拉致問題をめぐる日朝交渉で、宋日昊・朝日国交正常化担当大使は北朝鮮側の作業が進捗していないことを理由に、拉致再調査報告を一方的に先送りした。既に長期間継続されていた問題であり、日本政府が認定している被害者は12人だから、いまさら調査の必要などないことは明らかである。
特定失踪者や残留日本人に関する調査も、再調査開始からすでに2カ月経っているのだから、先送りは北朝鮮が仕掛けてきた駆け引きだと関係者は怒っている。
安倍首相が公約した拉致問題解決のための日朝再調査問題は正念場にさしかかったようだ。

北朝鮮朝鮮中央テレビが9月9日に放映した、足を引きずって現地指導する金正恩第1書記(左)の映像(聯合=共同)≫

遅延の理由は「北朝鮮内部の対立」か?といわれている。内部対立とは主な拉致被害者の管理を行ってきた工作機関の統一戦線部(統戦部)と、一部被害者だけの再調査を主導している国家安全保衛部(保衛部)の対立ではないか?というのだが、とにかく“若くて勇ましく”その上足を負傷しているという最高責任者に、うまく伝達できず、ハンコ!が貰えないのじゃないか?

誰が「調査結果」を金正恩第1書記に持っていきご了解を得るのだろう?万一ご機嫌斜めだったら命が危ない‥


案外、親日派親中派の間でひと悶着おきているのじゃないか?と私は思う。宋日昊・朝日国交正常化担当大使の会議の席での動きを見ていると、何となくそわそわしているから、この問題は彼の権限を越えたのだろう。
そこで興味深いのが日本側の代表者が平壌に来て直接調査状況を見るように示唆した事である。
愈々“暴力団”本部に招かれるのである。そこへ、わが外務省の[喧嘩をしたことがない]紳士らが出ていくと、ハナから勝ち目はなかろう。いいように丸め込まれるのが落ちである。
体育会系で裏ワザが効く、体力気力旺盛な「随員」を加えてほしいものだ。国内では元気に大はしゃぎしていた小泉総理でさえも、金正日が謝った途端、口がきけなくなった経緯がある。安倍総理はその時同席していたのだから、相手の出方は経験済みのはずだ。
よほどしっかり覚悟が出来た者を派遣しなければ、相手になめられるだけである。しかもこの事件解決はこれ以上停滞が許されない。
≪虎穴に入らずんば虎児を得ず≫だ。私は虚弱体質の外交官では≪ミイラ取りがミイラ≫になりかねないのじゃないか?と心配している。

日本側からは、現場をよく知る、拉致問題に詳しい専門家の派遣を期待したい。


ところで、御嶽山のニュースが報道界を占拠している。まるでそれ以外にニュースはないかのようだ。捜索活動が中断すると、間を持たせんとするかのように絶望とみられる遭難者にかかわる「個人情報」を垂れ流し続けているが、もういい加減こんなワンパターン報道はやめたらどうだろう。
確かに遭難者とその家族にとっては、どんな情報でもほしいという気持ちはわからぬではないが、TVはワンパターンすぎる。同じ画面ばかり流して…。早く気持ちを切り替えたらどうだろう。


いまアジアで起きていることは、今後のアジア情勢を占う重要なものであり、日本の将来に直接間接大きく影響するものだ。
その一つが香港で拡大している「雨傘レボリューション」=香港の民主化要求学生運動である。

≪雨傘革命=産経から≫

この騒動は、ついに中国の「国慶節」をぶちこわし、中国共産党のメンツを地に落とす結果を招いた。

≪香港の政府庁舎周辺の道路で抗議活動を行う学生ら=同上≫ 


既にセントラル地区の占拠には十数万人以上が参加し、香港金融街が麻痺、不良債権露呈に銀行団は気が気じゃなかろう。この香港の学生運動を世界のメディアは「雨傘革命」と命名したが、中南海のメンバーには「天安門広場事件」の悪夢がよみがえったに違いない。
大紀元日本9月30日」は、29日付米華字ニュースサイト・博訊網の情報として「中国の習近平国家主席が28日夜、香港民主派を武力弾圧するとの梁長官らの要求を拒否したことによって、事態の悪化を避けることができた」と、独占情報筋の話として伝えている。

それによれば、「28日夜10時頃、対香港マカオ政策を主管する中国共産党で序列3位の張徳江・政治局常務委員や中国政府の香港出先機関である『中連弁』のトップ張暁明主任、香港トップの梁振英・行政長官らが連署で、北京指導部に香港民主派の道路占拠活動への武力弾圧を要求した。
しかし、習主席はこうした要求に激怒し、断固として拒否した。その代わりに、「香港の事情は、(香港)人民に相談しなければならない」との指示を下した。
さらにその場で習主席は張暁明主任と梁振英・行政長官を厳しく叱責した。情報提供者は「2人の落馬は避けがたくなり、これも香港問題を解決するには悪影響を最小限に抑える最善策だろう」と言ったという。

これが事実だとすれば、きっと彼の頭にも「天安門事件」がよぎったに違いない。

驚いたことに、オバマ大統領や台湾の馬英九総統も「学生支持」のメッセージを出した。

香港のすべての繁華街は交通麻痺常態に陥っているが、市民は学生への食料、衣料品、カンパを続けており、前夜祭的な集会だけでも学生は数十万人が集まったという。
いまや香港の株式は大きく下落し、太子党が運営するファンドも動きが取れないといわれていて、世界のマスコミの関心は香港に集中しているが、それに反して北京の動きはほとんど無視、北京政府はあわててネットを遮断している。

この状況から、習近平が香港に駐屯する人民解放軍を投入することはほぼ不可能に近くなった。香港の「雨傘革命」は長期化するだろうが、これが台湾にどう影響するか。


≪香港警察はデモ隊に催涙スプレーを噴射=大紀元日本から≫


≪警官隊噴射のコショウ水が目に入った男性に洗眼を施す警官=同上≫



;">≪香港民主派のデモ活動=同上≫



更に見逃せないニュースは、米で初のエボラ感染が確認されたというものである。
≪【ワシントン=小雲規生】米疾病対策センターCDC)は9月30日、米国内で初めてエボラ出血熱の感染者を確認したと発表した。感染者はエボラ出血熱が拡大している西アフリカのリベリアから家族に会うため、20日に米国に到着。24日ごろから症状が出たため、26日に治療のために病院を訪れた。現在はテキサス州ダラスの病院で、隔離状態で治療を受けている。
西アフリカで感染が広がるエボラ出血熱。日本国内で生活する西アフリカ出身者は、故郷で暮らす家族や友人の安否に不安を募らせている。国内で流行する可能性はほとんどないとされているが、現地に進出している日本企業はそれでも“万が一”に備え、従業員の感染防止に向けた対策を打ち出す。厚生労働省は感染者の入国を水際で食い止め、国内で感染が確認された場合も万全の治療を行うための準備を進めている(産経)≫
絶対に水際で防護しなければならない。厚生省に期待する。

エボラ出血熱感染が確認された患者が入院する米テキサス州ダラスの病院=9月30日(AP)≫

エボラウイルス=産経から≫
9・11の時にも、炭疽菌騒動で治安が乱れたことを忘れてはならない。テロリストにこのウイルスが悪用されないよう、十分な警戒が必要である。


ところでシナでも最悪のデング熱が蔓延しているらしい。
≪【大紀元日本10月1日】中国の広東省は今年、過去10数年間で最悪のデング熱流行に見舞われている。同省衛生当局の最新報告によると、28日までに感染者数が1万1867人に達し、昨年同期比で17倍近く増加している。うち4人が死亡した。中国紙・南方週末などが伝えた。

感染拡大の勢いは衰えていない。同省は26日、デング熱感染者は新たに834人確認し、27日は777人、28日は更に1152人に増加。近隣の福建省や広西省、雲南省などでもデング熱感染を確認している。

広州市は今年6月に、初のデング熱の患者が発生している。9月22日までに、全省では5190人の感染者を確認した。一週間後、患者数は2倍近くの1万人を超えた。

デング熱は既に全省20都市まで蔓延している。そのうち広州市だけでも約1000人の感染が確認されている。広州市及び佛山市で4人が死亡した。ここ数年来初めての死亡症例だ≫


その上に油断できないのが「イスラム国」問題だが、トルコも鎮圧に参加する決定をした。香港の「雨傘革命」と「イスラム国」問題に神経をとがらせているのはシナ政府だろう。
参加しているウイグル人たちが帰国して、大陸内で“エボラウイルス”のように、矛先を北京政府に向けかねないからだ。そうなれば、チベット、モンゴルも動き出すだろう。
尤も、香港の雨傘革命が成功すれば、台湾のみならずチベットウイグルもモンゴルも動き出すだろうから、習近平主席は新たな≪核心的利益≫問題を抱えることになる。

御嶽山の地下マグマ同様、世界中のマグマが動き始めている。誰がこれをとめられるのか?いずれにせよ国際情勢は流動的だから、わが外務省にはひと踏ん張りしてもらわねば困る。
ざっと見たところ、世界の指導者の中にこれらの異種類の複合状況を解決できそうな、そんな実力者の顔が見当たらないのが不安である。



さて次に今朝の産経の曽野綾子氏の「透明な歳月の光」を紹介しておきたい。「『働きたくない人』をどうするか」という題で、神戸で小学1年生の女子児童をバラバラにして捨てた47歳の殺人鬼についての所感だが、≪どんな事情があるにせよ47歳になる、身体に不自由もない男性が、何も仕事をせずに生きていけるという社会構造が、私には不思議でならない≫というのだが、私も全く同感である。


こんな生きているだけでもおぞましい大人?の男性が、社会の片隅?で“堂々”と生活保護を受けて殺人をしているかと思うと、この国自体が狂っているとしか思えない。
日中からパ○○コに通い、非生産的な生活をしている者に限って、高級外車を乗り回しているのだから、中近東のテロリストたちにもきっと理解できまい。
曽野女史は「働きたくない者は、食べてはいけない」という聖書の言葉を引いているが、共産主義思想も【働かざるもの喰うべからず】といったのじゃなかったか?
「私は働かない人には、社会的な軽い制裁があって当然だ、とこのころ思うようになった」というが、私は以前から当然だと思ってきた。しかも“軽い”必要はないと思っている。
年をとっても、少しくらいの病気をしていても、人間は皆懸命に働いている。そうしない怠け者は≪遠島島流しサバイバルゲーム≫をさせるべきだ。
曽野女史は最後に「多くの働かない人が食べている福祉国家日本は、やはり健全とはいえない」と結んだが、私も不健全極まりないと思っている。安倍政権の各大臣方よ、しっかりとこの言葉を受け止めて改善に取り組んで、正直者が馬鹿を見るような社会を変えてほしい。


PR
==================

「NHK亡国論:西村幸祐著。KKベストセラー¥1360+税」
マスコミ情報に詳しい西村氏が、朝日の次にNHKを斬る。この会社は、年収平均1700万円という高額所得者の集合体らしいが、その割には放映している“作品”の程度は実に低い。
特に韓流ものといわれる軽薄で奇妙な歴史物語について、私も内部の関係者に聞いたことがあるが、「製作費が馬鹿安だからですよ」とにべもなかった。
零細企業か外国企業だか知らないが、とても専門家集団とは言えない集団が作り上げた安物DVDを流しているだけなのだそうだ。
それで高収入が得られるのだから、公金は不要なじゃないか?と聞いたが返事はなかった。
朝日の社長は「ご愛読者のみんなさまへ」≪信頼の回復を目標に、再生に向けて会社一丸となって精進してまいります≫という愚にも付かない文を公表した。きっと受験の時に「天声人語」を読まなかったに違いない!!
「末筆ながら、“ご愁傷さまです”と心よりお祈り申し上げ」ておくが、西村氏は「NHKと朝日新聞はGHQが生んだ、双子の『売国メディアだ』」という。その一つがやっと潰れつつあるから、次はこの会社だろう。
民営化するだけでも長生きできまい。西村氏が徹底的に追及しているのでご一読いただきたい。
やっと我が国にも、戦後の呪縛を解く悪質メディア解体の時が来たのだといえよう。

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

ジェットパイロットが体験した超科学現象

ジェットパイロットが体験した超科学現象

実録 自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO

実録 自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO

金正日は日本人だった

金正日は日本人だった

自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

日本を守るには何が必要か

日本を守るには何が必要か

ある駐米海軍武官の回想

ある駐米海軍武官の回想

日本の空を誰が守るのか (双葉新書)

日本の空を誰が守るのか (双葉新書)