軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中韓の衰退始まる?

昨日午後は、国防協会で「中国との付き合い方」と題して、日中安保対話の体験を通じて私が得た感想をお話ししたが、国防に熱心な方々の集まりとあって、時間がオーバーしてしまった。
どうも私の悪い癖で、聴衆が熱心に聞き耳を立てると、つい調子に乗って“裏話”をしてしまうから時間が足りなくなるのだ。
元々1時間半の予定だったせいもあって、またまた主催者にご迷惑をおかけしてしまったと反省している。

靖国会館で隔月実施している兵法研究会主催の「国防講座」は、午後1時から、中休み、質疑応答を含めて午後4時までなので、脱線転覆はお手の物だが、これに合わせて準備している≪電気紙芝居≫の量がどうも多くなることが原因のようだ。
次回、金沢と富山における内外情勢懇話会での講演は大幅カットで行こうと思っている。
しかし退官後の17年間の体験話に過ぎないのだが、ほとんど[初耳]だというから困ってしまう。これも“虚報”を得意とした朝日現象によるものか??


さて、今年のノーベル物理学賞に、青色発光ダイオードの実用化に貢献した、赤崎、天野、中村の3氏が選ばれたことは、日本人を大いに勇気づけた。
今やLEDといえば、子供でも知らぬ者はいないだろう。世界人類に大きく貢献した3人を誇りに思うのは当然だ。

≪赤崎勇教授=産経から≫


≪天野浩教授=産経から≫


中村修二教授=産経から≫


それに比べてシナ大陸では、ノーベル賞を受賞すると牢屋に入れられて拷問を受け廃人になるらしいから、この国はいつまでたっても進化しないのだ。
シナの友人が「この国では、知能の高いものは牢屋に入り、低いものが金持ちになって威張り散らすから少しも進歩しないのだ。人民は不幸だ!」と嘆いていたがその気持ちはよくわかる。


しかし、そろそろほころびが見えてきた。1国2制度というまやかしが崩壊し始めているのである。
国民党が支配する台湾でも、学生が立ち上がった「ひまわり革命」で国会の正常化を図ったが、香港でも学生が「民主化」に立ち上がった。
香港政府は強制的手段で排除しようとしたが、習主席はこれをやめさせ、民主的?手段で排除させようとした。天安門事件の再来を危惧したのである。これはよい判断だったが、香港に潜入した汪洋は、デモ学生の中に親中派とやくざを混入させて、学生の方が先に仕掛けてきた!として一気に暴力で排除しようとした。しかし、学生らは実に親切心に溢れていたからやくざも手が出せなかったようだ。少なくとも今日現在までは、ヤクザの仕掛けに乗っていない。学生リーダーが誰であるか知らないが、実に健全である!
おそらく、大陸には通用しない、イギリス式民主主義?が香港市民には浸透していたのであろう。大陸で、農民たちやウイグル族相手に、非人道的な殺戮に手慣れたやくざたちも、面食らったに違いない。
しかし、香港政府はやすやすとは会議に応じないだろう。そこが台湾と違う点である。つまり、学生と妥協すれば、香港政府の梁振英行政長官はじめ要人たちは失脚せざるを得ず、それは北京政府の失点につながるからである。
どこに落としどころを持っていくか、今後の焦点になろう。失脚を免れるためには、争点である「選挙方式」に改善を加えること、つまり候補者を共産党が事前に審査する条項を撤回することしかない。しかし仮にそうしても、忘れたころに復活させるだろうから、民主派には油断はできない。習主席の采配が見ものである!


ところで隣りの韓国には、エボラ熱やデング熱とは異なった「火病」が蔓延しているようだ。産経新聞の前ソウル支局長を起訴するというのである。
今朝の産経はこれ一色だが、主張欄の「一言でいえば異様である」という言葉がすべてを物語っている。


私の現役時代の訪韓体験から言えば、韓国は日米同様「民主主義国」と理解していた私が間違っていた!と痛感したものである。米軍が駐留している“気安さ”からか、国情を我が国と同列に見がちだったが、言論の自由は制限されていてその上平気で春を売る若い女性たちと民度が低いタクシー運転手らを見て面食らったものだ。宿泊したホテルでもKCIAによる金銭目当て?の盗聴がはびこり、どちらかというとナチスドイツ支配下的異様さを感じたものである。


ハンギョレ新聞記事によると韓国検察は「法よりも朴大統領の面目のために動いた」点を問題視したという。
要するに、あの“世界を驚かせたセウォル号の悲劇”が起きた事故当日の大統領の所在が不明確だったことを、韓国紙が「噂される男性の実名を明記」したコラムから「朴大統領が行方不明に…誰と会っていた?」と引用した加藤前支局長のウェブサイトコラムを≪名誉棄損≫だというのである。
ならば、大統領は、なんの根拠もない“従軍”慰安婦問題を世界中にばらまいて我が国の名誉を棄損する行為を行っているのだから、日本人有志が大統領を名誉棄損で訴えたらどうする気か?


韓国検察の起訴状は、小泉元首相的表現で言えば“笑うしかない”が、「セウォル号事故発生当日、被害者、朴大統領は青瓦台の敷地内に居り、被害者、チョン・ユンフ(会っていたとされるお相手?)は青瓦台を出入りした事実がないうえに、外部で自身の知人と会い昼食を共にした後、帰宅したため、被害者らが一緒にいたとの事実はなく・・・・」と大統領らの詳細な行動記録を暴露しているのが面白い。何よりもこれを最初に報じた自国の新聞に対してはお咎めなく、それを引用した日本の新聞を起訴する姿勢は、後進国以下だといわれても仕方あるまい。おそらく[言論の自由]という観点から、韓国政府は国際的な袋叩きに合うだろう。
そのうちに裁判で“藪蛇”になる恐れが十分ある。下手すると大統領の失脚につながる恐れもあるから「ホドホド」にしておいた方がいいのじゃないか?と助言したい。それとも大統領“擁護”を表にした引退工作かもしれないが…

ところで私も引用したことがあるこの情報はどうなのか、ぜひ韓国メディアに伺いたいと思っているものがある。
≪5月(2002年)中旬、北朝鮮当局は、韓国中興の祖ともいえる故朴正煕の長女・朴槿恵女史の平壌訪問を受け入れた。金正日は、朴女史を恋人のように優遇して彼女の父親である故朴正煕を褒め称え、韓国を訪問することができたら、真っ先に朴大統領の墓参りをしたいと語った。朴女史は北側から最大限の歓待を受けただけでなく、板門店経由で帰国した≫
このころ北朝鮮金大中大統領を見限っていて、当時野党党首であった朴女史を利用しようとしたといわれるのだが、彼女が何の目的で訪朝したか真相はどうなのか?地元新聞社に伺いたい。

北朝鮮が公表したご両人の写真≫


朴槿恵女史に対する“名誉棄損”問題はさておいて、わが国会の“良識の府?”であるはずの参議院における議員らの下品さにも呆れかえるしかない。産経5面にはこうある。

≪「民主・野田参院議員 反省なし」  「懇ろ」やじ「九州ではよく使う言葉」

民主党議員が参院予算委員会山谷えり子国家公安委員長に対し「懇ろ(ねんごろ)」とやじを飛ばした問題で、民主党野田国義参院議員が8日、記者団に自らの発言と明らかにした。「誤解を招き申し訳なかった」と釈明したが、同党執行部も含め「セクハラやじ」とは認めなかった。閣僚が標的にされた参院自民党にも徹底追及の姿勢は見えず、うやむやの決着となりそうだ。

野田国義議員=産経から≫

野田氏は「思想的に親しいとの意味で使った」と述べ、セクハラの意図がないと強調。セクハラと解釈されたことに「逆に憤っている」と開き直り、発言内容への反省は皆無だった。

「九州ではよく使う言葉」とも強弁した野田氏は、古賀誠自民党元幹事長の秘書や福岡県八女市長を経て平成21年の衆院選民主党公認で初当選。24年に落選後、25年参院選で福岡選挙区で当選した。
(以下省略)≫

「九州ではよく使う言葉?」とは恐れ入った。私も九州育ちだが、一般的に「男女間で情を通じる」ことに用いられるのは“常識”だ。
例えば「外務省づめのN記者は、女子職員と“懇ろになって”情報を取った卑怯者だ!」とか、「馬鹿なY議員は“懇ろ”になった中洲のスナックママに週刊誌に売り飛ばされた!」などと酒席で語り合われるものだ。
野田議員は「八女市長」経験者らしいから、参院議員を「八女」たらどうだ?九州人の面汚しだ。

とにかく民主党という“下品な”集団にはあきれてものが言えない。こんな連中が3年間も我が国を“おさめた”のだから背筋が凍るが、有権者の眼力にも呆れてしまう。
都議会の下品やじ、狂った地方(痴呆?)議員の行状、嘘つき新聞などなど、わが国も近隣諸国並みに衰退しかかっているのが情けない。


頑張っているのがノーベル賞受賞者たちと、体育選手、御嶽山でまだ活動している自衛隊員、警察官、消防団員らだろう。
ところで標高3000mの御嶽山の現場は酸素の希薄さと低温だけでも体力を消耗する。そろそろ捜索はそれぞれ行方不明者になっているご家族にお任せして、各部隊は本来の任務に復帰したらどうだ? 
不運だったとはいえ所詮、レジャーじゃないか、というと御叱りを受けるだろうから口には出さないが、代表して小沢遼子女史に加勢してもらい実体験してもらえばいい。


そんなさなかにもかかわらず、シナ軍は、南シナ海防衛の虚をついて、ついに西沙諸島永興島の滑走路延長工事を完成し、爆撃機が離着陸できる基地にした。この周辺海域の制空権をがっちりものにしたのである。
プラトリー(南沙)も浚渫工事中だから、滑走路が完成した暁には新鋭機が進出してくるだろう。そして次は尖閣だ。
来年築城基地の第304飛行隊が那覇基地に移動するが、飛行運用上は混雑が避けられまい。シナによる制空権争奪計画が遂行されているのである。
混雑した那覇基地よりも、がら空きの下地島に進出して南西方面の守りを固めなければならないこの時、国会でセクハラやじや、冷え込んだ日中、日韓関係の打開策なんぞに貴重な時間を費やしている時間はないのだ。
「馬鹿な大将、敵より怖い」といわれるゆえんである。

≪10年前の永興島:当時は戦闘機約10機程度が配備されていた=インターネットから≫


≪着々と拡張整備される南沙諸島=インターネットから≫


≪やがて滑走路が出現するだろう=南シナ海、インド洋方面の制空権確保は第7艦隊だけでは難しくなる…≫

そして東シナ海へ…、「蟻はキリギリスを助けない」ことを知る時が来るだろう!。



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