軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

天災は続く

このところ、台風18,19号と、まるで判を押したように日本列島を大型台風が縦断する。沖縄周辺から、方向変換することなくまっすぐ北上すればいいのに…などと考えるのだが、地球の動きはそれを許さない。なんとなく、アジア周辺諸国よりも我が国の方に天が“祟って?”いるのじゃないか、と情けなくなる。
ところが10日の夕方、書斎を出た途端、思わず足がすくんでしまった。空一面が「真っ赤」なのである。よく見ると、さざ波のような雲の流れが、一定方向(南北)に向いていて、それをコントレールか?と思うほどはっきりした一本の雲がそれを東西に切り裂いている。「地震雲か?」と思わずカメラを向けた。
台風の前にはこんな現象があることは知っているが、それにしても強烈な色だ。

≪10日午後5時28分撮影・富士山方向≫

実は現役時代、飛行教導隊との訓練のため、T-2で三沢を飛び立ち訓練空域に上昇していた時、本州東岸沿いに南北に一本、北海道南端沿いに東西に一本の太い雲が伸び、それがクロスしているのを見たので、「奇妙な雲だな〜。地震雲じゃないか?」といったが、前席の教導隊長は「そうですかね〜」と全く話に乗ってこなかった。

ところが訓練を終えて着陸すると、整備員が「本州で地震があったそうです」と言ったから驚いた。新聞には、茨城県沖と北海道釧路沖で線状に地震が起きて、それぞれ広範囲に揺れたとされていたから、十字架のようにクロスしていた雲の下であることは間違いなかった。
この経験以降、私は地震雲に関心を持って居るのだが、まだまだ見分ける“自信”はない!
3・11大地震の前日午後、友人の神主さんから「40mを超える大津波を伴う大地震が来る」と電話があったが、「関東大震災なら今更避けられないから、覚悟しています」などと生意気な受け答えをしたが、翌日本当にそうなってしまったので驚愕した。


今回電話すると「蔵王も変化しつつある。どこであろうと起きておかしくない状況だから、用心しなさい」と告げられた。さすがの神主さんにも、けた外れに乱れている人間の傲慢さにはなすすべがないらしい。
震災グッズは揃えてあるから一安心だが、何とか回避できないものか、と神頼りの毎日である。読者の皆様方も、ご用心されるに越したことはないとお伝えしておく。


ところで、香港の「雨傘革命」は、北京政府がデモ隊封じの謀略を進めている割にはなかなか効果が上がらないようだが、ウォール・ストリート・ジャーナルは見出しに「梁振英は巨額受領問題で調査目前」(中国語電子版9日付報道)。BBCは「香港政党、簾政公署(汚職捜査機関)に梁振英の裏金問題告発、調査求める」(同)と書き、フィナンシャル・タイムズも梁長官はこの疑惑問題で調査を受ける見通しだと報じた。
デモ隊との会談は延期になったが、≪行政長官「全人代決定に基づく」 民主派要求改めて拒否、中国高官と協議へ≫などと報じられているから、梁振英長官は北京の指示待ちらしい。
これでシナが香港を併合したつもりであることがよくわかる。チベットウイグルのように…。台湾政府は少し理解し始めたようで結構だが。
しかし今回は彼の首の方が飛びそうだ!



≪巨額裏金受領疑惑がもたれている香港の梁振英・行政長官=大紀元日本から≫


≪退陣要求する学生たち=大紀元日本から≫


さて、読者からわが国南方洋上にシナの漁船が進出してやりたい放題だ、との声が寄せられた。産経の報道によるものだが、海洋大国・わが国の周辺を警備する海上保安庁は、全職員約12000名であることは案外知られていない。
これで警備ができると思っている国民の方がおかしいのである。だから私は周辺警備のための海上保安官を増員せよ! 国内治安確保のために24万人程度の警察官も、どんどん減って23万人ほどになった自衛官も速やかに増員せよ、と吠えてきたのだが、退官後17年余、全く効き目がないからばかばかしくなって吠えるのをやめているところである。

あの(といったら名誉棄損かも?)韓国警備艇でさえ、シナの横柄な漁船を銃撃して船長を射殺しているが、シナは何とも言ってこないらしい。力を信奉する国は、力で応えられると言葉が出ないらしい!


≪韓国警備艇、シナ漁船を銃撃・8日=大紀元日本から≫


≪韓国の海洋警察隊員に暴行する中国漁船の船長とみられる男:これを見ると韓国警備隊員はシナの船長に組み伏せられているようだから、暴力行為ではシナの方が強そうだ!=10日、韓国南西部沖(韓国海洋警察提供・共同)≫


国際情勢は、ひとえに≪軍事力≫に左右される。大相撲で日本の男たちはモンゴル人にかなわないのと同じことだ。
それでも危険を感じた韓国警備艇側は射撃して船長を射殺したから大したものだ…。

日本の外交官たちの多くはペンで育ってきた方だから「剣より強い」と錯覚しているに過ぎない。国際的には「話せばわかる」筈はないのに。
外交官採用試験に、相撲かボクシング、又はレスリングを取り入れてキン肉マンを大使に任命したら、周辺諸国は黙るに違いない。

とにかく今の混沌とした国際情勢下においては、イスラム国に代表されるように「問答無用」がまかり通っているのだが、その底流には力があることを知る必要がある。ペンを持ったことがないような国々では「目には目」で対抗しなければ物事は解決しないのだ。ノーベル平和賞を受賞したマララさんは「ワンペン、ワンブック…」を求めて国連で名演説したではないか!
外交官たちが弱腰なのは、わが国にれっきとした軍事力がないからなめられるだけで信用されないのだ。だから「お金=それも国民から巻き上げた税金だが」をばらまいて、在外勤務間をこともなく過ごそうとしているに過ぎないのだ。
そのうえ、元首相などという変な輩がしゃしゃり出て、裏外交をするものだから、余計に外交官の立場は弱くなるのだ。
気の毒としか言いようがないが、憲法を変えて当たり前の国にならない限りは、どんどん血税は垂れ流される。


戦後の復興時期に、金がかかる軍事力整備を回避して経済第一で国家の立て直しを図ったのは当時としては正しい判断だったといえよう。
しかし経済大国になったにもかかわらず、独立国国民の3大義務「軍事・納税・教育」を放棄したままで、バブル景気に酔いしれて、同盟国としての役割も果たさず、金をばらまいで逃げてきた結果が現在の日本の弱体化を招いているのだ。
今まで自国防衛のための軍事力整備につぎ込んだ予算と、安保ただ乗りして同盟軍に保護してもらうために提供した多額の出費とを「損益、収支決算」してみれば、どれほど無駄な税金が世界中に流れたことか。
軍事力ではなく提供してきた金を自国軍の建設に使っていれば、尖閣竹島問題も起きていなかったと私は思っているのだが、ぜひ経済専門家に試算してほしいと思う。
少なくとも、日本人の中に「成金趣味」は蔓延したが、「日本人としての誇り」と子供たちの「精神的成長力」は大きく損なわれた、と私は見ている。

尖閣で一気に関心を集めることとなった中国の不審船ですがさらに遠く離れた小笠原でも憂慮すべき事態となっているようです。ここまで広範囲となると海上保安庁尖閣で忙しく手がまわらないのではなかろうかと心配です」といった読者のコメントに対しては、≪戦後70年間、わが政府がとり続けてきた事なかれ主義による「備えなければ斯くの如し!」の惨状が国民の眼前に示されているのだ≫とお答えしておきたい。


ややもすると外交官の中には、赴任先の評判を気にして、血税をふんだんに流し続け、裸の王様になって喜んでいるものも見受けられる。
そのように「敵性国」に奉仕して、いい気分に浸ってきた朝日新聞社はついに倒れる時が来た。しかし今まで貢献してきたシナや南朝鮮から、表立って救出しようという支援の輪が広がっているとは聞かない。シナはシナ、韓国は韓国、そして日本は日本なのだ。裏では助けを求めているかもしれないが…

国際情勢とはこんなものだ。いざとなれば切り捨てられることを覚悟して、勇気ある決断をすべきだ、と安倍首相には言っておこう。


それは同盟国・アメリカだって同様なのだ。敗戦後の貧困から我が国を大いに援助してくれたが、その日本は経済大国になっても一向に“甘えの構造”から脱却しようとしなかった。これを怒らない方がどうかしている。
仮に韓国が戦後も日本の統治下にあって、半島を自衛隊に守ってもらいながら、やりたい放題で文句ばかり言い続けていたら、統治している方のわが国民は、ヘイトピーチ程度ではすまなかったろう。その関係が戦後の日米関係だったのだ。
このまま自覚なき生活を続けていれば、「遊びほうけているキリギリスを蟻は助けない」という童話を身をもって知る時が来るだろう。

続いている天災をみて、そんなことを「フッ」と考える今日この頃である。


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「韓国が次に騒ぎ出す「歴史問題」:拳骨拓史著=PHP¥1450+税」

朝日新聞の“虚報”を利用して日本国を貶めた気になっていた韓国政府は、逆に自国の民度がいかに低劣かという事実を、徹底的に世界に知らしめたが、次は「歴史の闇」に迫る気らしい。もっともその背後には、日本“国民?”という身分に隠れた「弁護士」という連中がいて、彼らがシナや韓国に仕掛けていることを日本人は知らねばならない。若者たちよ、彼らがいかに歴史を捻じ曲げてきたかをよく知ってほしい。


ジャパニズム21号:青林堂¥926+税」

●今回は「朝日新聞誤報!特集」である。私も体験の一部を“控えめに”書いたが、高山正之氏と但馬オサム氏との対談で、高山氏が産経社会部デスク時代に、毒ガス誤報事件で殴り込みに来た朝日新聞学芸部長と堂々と渡り合った…ことが書かれていたので、なんとなく昔を思い出した。
御巣鷹山事故の時私は空幕広報室長だったが、怒鳴り込んできた朝日の記者と“けんか”になったことは文芸春秋誌などで公にされているが、NHKのお偉いさんが怒鳴り込んできたことは知られていない。
当時「NC9」という夜の定番ニュース番組で、宮崎キャスターがとんでもない自衛隊批判をしたのだが、それは彼女のせいではなく、陸幕に取材に来た取材班が、リハーサルと称して撮った一部分だけを報道させられたからで、私がこれを批判すると看板番組に傷をつけられた、と幹部が“怒鳴り”こんで来たのである。「何を根拠に…」と偉そうに言ったから、「陸幕防衛部長室での取材に私も同席していたのだ」というと、「あんたは航空だろう。なぜ陸にいたのだ?」とわけのわからないことを言った。
そこで「リハーサル」取材時に記者が間違い質問をしたので私が訂正したこと、記者が「ああそうですか」と認めて「本番」の取材になったこと。しかし放映では間違いを指摘した方のフィルムが流れたことを説明したのである。
ところが彼は「出るところに出て決着つける…」などと偉そうに言うので「私は取材間すべてを録音してあるので、どうぞご自由に。その時テープを出しますから」というと、同席していた報道記者が「これは室長の勝ちだな」といって二人とも引き上げたことがあった。
この程度の人間が天下の報道機関か!と失望したのだが、今回のこの記事を読んで、こんなことは日常茶飯だったことを知った。いい加減な報道をしているのは「朝日」だけではないのである!
ところで私の原作を漫画化した「ストレンジャー」はいよいよ天女伝説に入った。作画担当のあびゅうきょ氏の想像力がどんどん膨らんでいっているので実に楽しくなってきた!
11月1日、靖国会館での「国防講座」では、講談社刊の「実録・UFO〜」をご紹介するつもりだが、“天界”の問題がどんどん収斂しつつあることが面白い。
しかし、天変地異だけはUFO=知的生命に回避してほしいと思う昨今である。


「軍事研究11月号:¥1230+税」
●世界が震撼する「イスラム国」に関する記事、「恐怖をつのり、戦士を募る!「イスラム国」が仕掛けるツイッター・ボム」は必見である。
「テロに対して軍事力(自衛隊)は無力である」とTVでのたまった評論家?がいるが、じゃ、何で彼ら殺人鬼に対抗するのかと聞きたい。
武器よりも効果的なものがあるとすれば教えるのが筋だろう。初めからあきらめているのか、それとも第2のポルポトの悲劇に甘んじる気か。まさか「憲法9条があるから大丈夫」と思っているのじゃあるまい。それとも「愛」が地球を救うのか?
ノーベル平和賞を受賞したマララさんのことは改めて書くとするが、17歳少女のレベルにも達していない日本人“大人?”男性が増えたことに気分が悪くなる。

これだけは伝えたい 武士道のこころ

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実録 自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO

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ある駐米海軍武官の回想

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