軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

“人道的”対処?

小笠原周辺の領海内で、シナ人どもがサンゴの密漁をしているのに、指をくわえて“見守って?”いるわが官憲の態度に気分が悪くなる。
おまけに台風接近で、盗人どもが「避難要求」すれば、“人道的”に対処して、領海内に停泊を許したとか。
台風一過、それ見たことか、続々と強盗団が侵入してきた。
政府はあわてて「罰金を重くする」法改正に取り組むそうだが、どこか抜けていないか?考え方が“緩すぎる”。


ついに現地の漁業組合長が水産庁に直訴して「日本の漁民を救ってほしい」と嘆願したが、ボールペンしか持ったことがなさそうな「優しげな」事務官は、何も確約しなかった。
「上司に伝えます」とだけ言ったのだろうが、伝えたらそれで一件終了だろう…‥。
漁業組合長は「行政は何もしてくれない」とぼやいていたが、官僚はお上の言うままに動いているのだし、そのお上は自分の選挙区問題と、不正な資金問題で右往左往、国政の場であるにもかかわらず、議題そっちのけで互いに醜聞を披露しあっている。
下條正男拓大教授が「領土を守り国家主権を守るのが政治なのに、多くの政治家にその覚悟はなく、守ろうとしたのは自分の選挙区だけだった」といったとおりの“惨状”である。


尖閣問題でも、沖縄の金城正松さんは「国は尖閣を守ってくれなかった。国境が形骸化している。海保からは「尖閣に上陸してはいけない」といわれていて、その威圧は40年以上続いている(産経)、と述懐している。どこでも同じなのだ。拉致被害者さえ奪還できないのだから…。

自国民を排除しておいて、他国民が上陸するのを阻止しようとする海保に「手を出すな」と指示するのが日本の首相なのだから、これで「自国の主権と国民を守る」といえた義理か!


以前、私の現役時代の平成8年9月の沖縄もそうだった。
そのせいで台湾(国民党)と香港の活動家らが続々と侵入してきた。2500tの貨客船(定員18人)に乗組員6人、活動家18人、報道関係者44人の合計68人が乗って、尖閣水域を侵犯したが、警備が厳重と見たリーダーら4人が飛び込んだ。
「自国の海で泳いできた!」と出資者に弁明する予定だったようだが、リーダーが水死した。ところが海保は、人道的観点からヘリで救助して3人を石垣の八重山病院に収容して助けた。


≪当時の新聞から=朝日、毎日、日経≫

わが政府は≪人道的≫だと自賛?していたろうが、助けられた彼らと死んだリーダーは、シナでは≪愛国者≫と宣伝され、TVの特集番組で“烈士”と紹介されたから、次々と手を挙げるものが出た。
何しろ日本官憲はシナとは違って「銃撃はおろか排除さえせず、万一の場合には優しい看護婦がいる病院で手当てをしてくれる」というのだから、我も我もと後に続くのはシナ人の愛国青年だからそうだろう。

10月、40隻を超える漁船団で再び来襲し数名が上陸した。この時も一応「逮捕」という格好は付けたが直ちに[国外退去処分]ということでおかえり願った…その後、民主党政権時代に、センゴク31事件が起きて、体当たりした船長を丁重に送り返したことに似ている。

これで彼らは自信をつけた。日本政府は「人道主義だから絶対に危害を加えられない…」と。
この時点で尖閣侵攻作戦案は完成したようなものだったが、世界の列強入りする式典である北京五輪が残っている。
この間、彼らは鳴かず飛ばず北京五輪成功に向けて突進したが、くちパクであろうと、花火の画像捏造であろうと、五輪は“大成功”したと認識した。そしていよいよ「尖閣はシナ固有の領土である。われらが領土を日本の海保の巡視船が警備するのはおかしい!ただちに警備を解くように」と宣言した。


この論法で行けば、やがて小笠原諸島も元々シナの領土だったのだ!といいかねない。


今や、シナ国内の河川は毒水と化していて、重金属の流出で沿岸地帯の海洋生物は絶滅寸前であり、漁師は生きるのに懸命である。
そこに赤サンゴが群生する他人の領地が目に入った。これを見過ごす手はないから、船団を組んで侵入して奪取し始めた。捕まっても日本は人道的であり、刑務所入りしても本土にいるよりも手厚い介護が受けられる。何も怖いことはない。自然保護なんてそんな高尚なことなど言ってはおられない。

こうしてやがて小笠原周辺の天然サンゴは壊滅するだろう。それよりも何よりも、世界的に日本の弱腰が宣伝され、同盟国の米国でさえ、あきれてものが言えなくなりはしないか?

日本政府は、自国民よりも、盗人を大切にする政府であると…。こんな玉抜き国何ぞアメリカ人青年の血を流してまで防衛してやる必要はない、と共和党でさえ言いかねまい。


北朝鮮に拉致された同胞を救うのに、コンサートばかりしているようじゃ、いつになったら解決するのか…どこかこの国の政治のピントはズレている。脳内汚染が進んでいるのじゃないか?


処でシナが自然保護に違反しているのは、我が国のサンゴだけではない。
今朝の産経にはこう報じられている。

≪習氏専用機で象牙密輸 国際環境団体が報告

ロンドンを拠点とする国際環境保護団体「環境調査エージェンシー(EIA)」は6日、中国の犯罪集団が、昨年3月の習近平国家主席や中国政財界幹部によるタンザニア公式訪問を利用し、大量の象牙タンザニアで買い付けて不法に持ち出したとする報告を発表した。
現地密輸グループの証言として、象牙は外交用に使われる袋に入れられ、習氏の専用機で運ばれたとしている。

中国外務省の洪磊副報道局長は6日「報告には根拠がない。中国は一貫して野生動物の保護を重視してきた」と述べ「強烈な不満」を表明した。

象牙の取引はワシントン条約で禁止されている。

また、中国海軍が昨年12月にタンザニアの最大都市ダルエスサラームを訪れた際にも、活発な象牙取引が行われ、ある業者は艦船の乗組員に5万ドル(約570万円)分を売ったと証言。海軍士官2人に渡すため、象牙81本を港に持ち込もうとした中国人も拘束されたという。(共同)≫


今までのシナの象牙輸入量は年間65tであったが、今年は100tを超えているという。このため現地では一日に100頭の象が屠殺され、3349本の象牙を持ち帰ったというから、少なくとも1675頭の象がシナの利益のために屠殺されたことになる。こうしてタンザニアの象の70%が殺されたというのだから恐ろしい。日本のクジラやイルカなどには猛抗議する自然保護派団体が、シナ政府に抗議したとは聞かない。不公平じゃないか!
タンザニアでは主席の専用機のみならず、寄港した軍艦でも象牙を運搬しているといい、その強欲さは尋常ではない。

ついにオーラが消滅したオバマ政権だが、こんなシナとの関係を、ケリー米国務長官に言わせると“米外交で最重要課題”だそうだ。
国務省はもともとリベラルの巣窟だが、オバマ政権はチトひどすぎはしないか?赤サンゴか象牙製の高価な“美術品”でも貰ったのではないか?と疑いたくなる。

ノーベル平和賞が泣きそうだ…=産経から」


シナ政府が、自国漁民らの他国領内での盗掘行為を非難しようと何と言おうと、彼らを始末するはずはない。「日本政府と協力している?」よく言うよ”といいたくなる。

海保に逮捕され、保釈されて帰国した船長は「烈士の称号」でも付与されるのじゃないか? 報道官の発言の様子を見ていると、むしろ奨励しているくせに、といいたくなる。
何あろう、尖閣は第1列島線内にあり、小笠原の海域は彼らの主張する第2列島線に含まれている。この海域は彼らがSLBM潜水艦を保有した際、活動範囲にする最重要海域でもある。サンゴを盗みつつ、海底の状況を把握する一石二鳥の行為とみて間違いあるまい。

≪第1、第2列島線図≫


それにしてもわが政府の対応ぶりには、歯がゆくて仕方がない。マア、OBだから何を言っても無駄だが、現役諸官の苦労が気の毒でならない。
海保も含めて、気の毒だな〜〜

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