軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中南海“事件”

中国杯で負傷した羽生選手は、苦痛と戦い出場して2位に入賞し、車いすで帰国した。
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦、中国杯の男子フリーの直前練習で中国選手と激突し、頭部などを負傷しながら棄権せず、2位に入ったソチ冬季五輪金メダリスト、羽生結弦選手(19)=ANA=が9日、上海から成田空港に帰国した。羽生選手は車いすに乗り、マスク姿で航空機から姿を見せ、空港内で居合わせた人々に頭を下げる場面もあった。取材対応はしなかった。日本で精密検査を受ける予定。(産経)≫

TVで、大会前の練習風景を見ていた素人の私は、危険だ!と感じたのだが、やはり衝突事故が起きてしまった。
リンクで最後の調整をする選手たちの人数や動きを、どこが監視し制限しているのだろうか?と思ったのだが、アジア大会における仁川会場での不思議?な出来事と合わせ、ライバルがトップを“狙う可能性”があるのじゃないか?とふと浮かんだのである。
そしてとうとう事故が起きてしまったのだが、私には偶然だとは思えなかった。マ、しかし、起きてしまったことは仕方がない。今後はコーチを含め、十分な配慮をしてもらいたいと思う。若い羽生選手に後遺症が残らないことを祈りたい。 



中国杯の男子フリーの直前練習で中国選手と激突して負傷し、帰国した羽生結弦選手=9日午後、成田空港=産経から≫


 
タンザニアで、中国に輸出?する象牙を取るために、象をトサツしていることは前回書いたが、これが犠牲になった象の死骸である。何とも痛ましい。
イルカやクジラを保護する団体の意見が聞きたいものだ。

≪牙を抜かれて捨てられた若い象=産経から≫


ところで読者から「中国は何かあわてていないですか、自分にはそう見えるのですがどうでしょうか?」というコメントが届いた。
実は今、北京市の中枢部・中南海で“事件”が起きているという。中南海は、北京市の中心部西城区、紫禁城の西側に隣接する地区で、中華人民共和国政府や中国共産党の本部や要人の官邸などがある。
私が見学した時には塀の外から、「中にはトウ小平らの広大な屋敷がある」と説明を受けた。

中南海周辺図=インターネットから≫


世界を震撼させた“中南海”事件(19­99年4月25日)は、1万人を超える法輪功学習者が突如北京の中南海で集団陳情を行い、江沢民らを恐怖に陥れたものだが、今回の“事件”は、習近平主席の指導で、「住み着いている元要人家族」らに移転を迫ったことが原因だという。


汚職退治の一環として、習主席は私腹を肥やした要人らが数軒の持ち家を持っていることを禁止し、持ち家は1軒のみに制限し、自ら率先したらしいが、李先念・第3代国家主席夫人の林佳楣ら老夫人たちは猛反対しているという。彼女は李先念より20歳も若いとはいえすでに80歳を過ぎている。
湖北省に壮大な記念館を伴う実家があるというのに退去しない理由は、中国共産党創設に貢献した8代元老の一人であり、若造如きの指示には従わない…ということらしいが、どうも中国人民対外友好協会会長を務める李小林とその婿である人民解放軍空軍政治委員の劉亜洲中将らが家族だということも一因で、特に劉亜洲中将は2012年7月30日、中国人民解放軍の85回目の建軍記念日を前に、彼が胡錦濤主席から上将に任命された時、当時副主席だった幼馴染の習近平から任命書を手渡された経緯がある上、習主席と同じ太子党党員であり、今や彼は軍事に関する主席の重要なアドバイザーだからではないか?という噂が立てられていて、主席は困っているらしい。

≪今年来日して各方面を回った李小林夫人・民主党本部で=産経から≫


林佳楣未亡人は、夫が元老の一人で、共産党をここまで築き上げたのだというプライドがあり、太子党員など2世、3世など目じゃないだろうが、頑固なこれら元老夫人らは「老婆集団」と呼ばれているという。日本では女性は「輝いている」が、シナでは西太后の例もあり、女を怒らせると始末が悪い。さて今後どうなるか見ものである。


そんなことで、習主席は頭が痛いだろう。そこにつけ込んだ上海派江沢民一派は、一斉に習主席攻撃に出たといわれる。


≪中国の習近平国家主席の権威を傷つける出来事が続発している。小笠原・伊豆諸島周辺に、赤サンゴを密漁する中国漁船が200隻以上も押し寄せたうえ、中国の犯罪集団が習氏の専用機を使い、ワシントン条約で取引が禁止されている象牙を大量に買い付けていたと告発されたのだ。北京でのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に合わせるようなタイミングに、反習近平派の策謀を指摘する声もある。

中国人民解放軍の一部は、習氏の腐敗撲滅運動に不満を持っている。また、退役軍人の中には漁民になっている者も多い。反習近平派が漁船団を動かして、習政権を揺さぶっている可能性はある」(夕刊フジ)≫


中国漁船大船団によるサンゴ密漁、習氏が昨年3月のタンザニア公式訪問時に、大量の象牙を専用機で不法に持ち出したとする報告が公表されるなど、あまりにもタイミングが良すぎることが気にかかる。

尖閣の時も、今回の小笠原も、海上民兵を主に活用して、漁と対日示威活動、さらに国内闘争の反対派封じというわけだ。

そこで急きょ日中首脳会談を提案して、日本の主張をことごとく封じたという“成果”を強調しているらしい。

≪日中外相の表情、特に王毅氏の表情が硬い…=産経から≫


安倍首相は今まで中韓に対しては「門は開いている」と宣言していたが、今回は、自ら出かけていく形となり、そんな敵情に利用されて“軍門に下った”かのような印象を、世界に与えてはならない。
以前、誰かさんが、個人の友情を優先して靖国神社参拝をやめたり、天皇陛下を訪中させて[軍門に下った]かの印象を世界に与えた苦い経験を外務省は忘れていないと信じたい!


同じコメントに「どうやら日本が譲歩したとみられているようです。小笠原の漁船団におびえて譲歩したとみなされ、今後さらに中国の蛮行が強まるでしょう。中国は相手が弱いと見れば、ますます強く出る、そういう国であることぐらい知らないわけではないでしょうに」というのがあったが、今回の日中首脳会談で、万一そのような印象を世界に与えたら、「安倍総理の大失態(コメント)」ということになり、第1次安倍内閣時代の轍を踏むことにならぬとも限らない。大陸の内紛に利用されないように、というのが過去の日中関係の教訓である。


世界が注目している香港の民主行動も継続している。これの取り扱い方によっては、習政権は危機的事態に陥るだろう。面会に行った香港長官に習主席は「全力で支持する」と表明し、「一国二制度」を貫徹すると発言した。

今回のAPECには、落ち目のオバマ大統領も出席するが、あまり影響力はないのじゃないか?


何よりも、うそをついてまで体面を重視する中国の不断のやり方とは違っているところが不可解である。
内憂外患のさなかに行われる今回のAPECでは、習主席のかじ取りが大いに興味深い。
10日は新聞休刊日、TV報道とインターネット情報に注目しておいた方がいいだろう。

日朝正常化の密約(祥伝社新書)

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