軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

大陸国家、海洋国家、そして半島国

田舎の山荘?から世の中を見渡していると、面白いことに気が付く。
昨夜からニュースになっていた【世界遺産登録】問題で、何がそんなに不服なのか、世界が見ている中で日本を貶めようと拗ねている韓国の姿にはあきれてものも言えない。
その昔、樺太を旅した時、日本国民だったにもかかわらず、戦勝国並みにソ連に扱われて、本土に帰国できなくなった残留半島出身者の方々と交流したが、依然として日本国民だったことを誇りにしておられた。
同行した一学生が「皆さんも強制連行されたのですか?」と聞いた途端、韓国人会会長が激怒した。
≪誰がそんなことを言った!強いて言えば我々は「一旗組」であり、連行されてはいない。日本統治下では本土の10倍の給料だったから皆樺太に稼ぎに来たのだ!≫
軍艦島は当時の近代化のモデル的存在だった。衣食住が完備して、給料をもらっていた労働者が、どうして「強制労働」されたといえるのか?
子供のころ、父は相浦火力発電所に勤務していて、炭鉱にも発電所にも多くの半島出身者たちが働いていた。勿論給料は出ていたし、社宅に入ってもいた。炭鉱では社宅並の住宅を建てていて、「炭住街」と呼ばれていた。そこから小学校に通う同級生もいたが、皆仲間だった。しかしそのうちに彼らは威張りだし、ことあるごとに暴力的になっていったが、当時の教師は復員した先生も多かったので、彼らは歯が立たないとみるといつも帰宅途中で待ち伏せするなど、陰湿ないやがらせをするようになった。
私も数人に待ち伏せされて小刀の「肥後の守」で脅かされたことがあるが、その後ろで操っていたのは炭住街の彼らだった。
しかし翌日先生が厳しく指導していたからすぐ収まっていたが、それが差別であり、朝鮮人いじめだというのなら、考え違いも甚だしい。


今朝の産経は≪勝ち誇る韓国メディア「強制労働を認定」 朴政権“決められない政治”に振り回される日本≫と書いたが、歴史に学ばない韓国同様、わが国の政府関係者も知識不足じゃないか?いったい何を”妥協”したのか?
皆んな、顔を洗って出直して来い!などと下品な言葉は使わないが、まさかパチンコマネーにたぶらかされてはいないだろうな?


そこで朝鮮半島という特殊な存在について、外交政策研究所代表の宮家邦彦氏がいいことを書いているから紹介しておこう。
≪コリア半島の歴代王朝は、漢族中華王朝だけでなく周辺の非漢民族王朝に対しても「事大外交」を続けてきた。今風の言葉で言い換えれば、新羅・高麗・李朝などコリア半島に生まれた王朝の多くは、漢族系、非漢族系を問わず、周辺の強大国家に対し「事大」して、自国の安全保障を確保してきたということだろう。事大主義とは朝鮮の伝統的外交政策だ。
大に事えるから事大。この大というのはむろん中国のことなのだが。つまり中国は韓国の上位にある国だったから、そこから侵略されても、ある程度仕方がないとあきらめる。しかし、日本は韓国より下位の国だ、だから侵略されると腹が立つ。上司になぐられても我慢できるが、家来になぐられると腹が立つ、という心理だ(「半島国家の悲しき世界観」=『Voice』 2014年11月号)


私は今別のメルマガに連載している文の中で、半島について若い米国外交官の鋭い指摘を紹介しておいたからこれも再度紹介しよう。
≪ストレイト(当時在漢城米国領事館員)は、詩作(彼が即興で詠んだ詩)では青臭い感情を表して朝鮮王朝に同情を見せているかのようですが、この王朝のだらしなさは、はっきりと見抜いていました。
「朝鮮はことあるたびに二枚舌を用いた。彼らは東アジアで最悪の策士である(They are the deverest intriguer in the Erst)。
皇帝は十年にもわたって他国同士にいがみ合いをさせてきた。ロシアと日本に交互におべっかを使ってきたのである」
「日露の戦いで日本が勝つたびに東京に特使を送りミカドに祝福の言葉を伝え、その一方で上海にいるロシアのエージェントと緊密に連絡を取っていた」
 日本がポーツマスでロシアとの講和条約を成立させた時も朝鮮の態度は同じでした。「講和の成功を祝う特使をミカドに送る一方で、アメリカだけでなくヨーロッパにも半ダース以上の特使を送り込み、日本がひどいことをやっていると訴えて」いたのです(「日米衝突の萌芽」渡辺惣樹著・草思社


半島国・朝鮮の地政学上の悲しき定めとでもいうべきか…

そう見れば、今大問題になっているギリシャの態度も何か朝鮮に似ている。
ギリシャバルカン半島最南端部に位置する共和制国家だが、半島南部およびペロポネソス半島に加え、エーゲ海を中心に存在するおよそ3,000もの島によって構成されているから、半海洋国家ともいえそうだが、北は西からアルバニアマケドニア共和国ブルガリアと、東はトルコと国境を接しているので国情は半島国家といって良いのだろう。
朝鮮もギリシャもまさに悲しき[半島国家]というべきか?

ところで気になるのは異様な軍事力崇拝国の大陸国家・シナの行動である。
地政学の概念から言う「大陸国家」とは、「海洋国家と異なり、主観的、革新的、排他的志向を有するとされ、地理的には大陸の中央か周辺であり、過去には陸上輸送及び軍備で覇権を確立したことのある国家をいう」といわれる。

それに対する「海洋国家」は「その隔離された環境から他の地域の影響が及びにくく、国内の団結力を維持し、海上交通力と制海権を握ることで、貿易によって国家の発展と存立に必要なエネルギーを取得できる」とされる。
つまり、「強大で強固な海軍力を有し外敵を防ぎ、エネルギー供給の妨害を排除するとともに海上交通路の要衝を押さえておけば領土を拡大する必要はない」と認識するとされるが、そうだとすれば、今や“主観的、革新的、排他的志向を有する”大陸国シナが、「海洋国家」に変貌しようと蠢いている最中だといえはしないか。無理だとは思うが…


そこで思い出す過去の事例を少しまとめておきたい。

第1次世界大戦は、欧州大陸内での戦争に海洋国家・英国と、米国が参戦して、海洋国が勝利した。

第2次世界大戦はさらに複雑怪奇だったが、大陸国家・ドイツが半島国・イタリアと、海洋国家・日本と手を結び、奇妙な3国同盟を結んだ。
これに対して、海洋国・英国は、同じ海洋国・米国と緊密に連携して戦い勝利した。
ところがそれに反して、海洋国・日本は、連携が無理なドイツなどの大陸国と手を結び、驚いたことに更に大陸国の象徴?たるソ連と手を結ぶという大失敗をしでかした。しかも盧溝橋から始まったシナ大陸との紛争を継続しつつ、である。大陸国は本来敵じゃなかったのか?

≪3国同盟を締結した松岡洋右外相:新しい歴史教科書(自由社)から≫


遅れて列強の仲間入りした米国も、マハンの海洋戦略を信奉している割には、海洋国日本を敵視し大陸国シナを支援した上に、あろうことかソ連を援助した。
世に言われる対日ABCD包囲網を見るがよい。海洋国の中に一人大陸国・シナが入っている。つまり、海洋国たる英米が、同じ海洋国いじめに走ったのである。植民地を失う恐怖からか?
それは、わが国の外交が、ドイツやソ連という大陸国家と手を結ぶ大失敗をしたからであり、国家成り立ちの性分?民族性?という観点からみると、もともと成立するはずのないものだといえた。


国際情勢の現状を見るがよい。EUという奇妙な国家形態は、大陸国家と半島国家の合体であり、もともと無理ではなかったのか? 
国連憲章にある民族自決、民族の自由意思を無視した人工的な統合には、必ずほころびが生じるのは歴史が示している。朝鮮併合もそうだったじゃないか!成功したのは同じ島国同士だった台湾だけである。


EUが21世紀の欧州政治家らによる壮大な実験?というよりも国益中心の経済大国支配体制だったとしたら、加入した結果、預貯金が自由に使えない国民こそ犠牲者だろう。


他方アジアでも、AIIBとかいう“おれおれ詐欺”まがいの金集めに一部の海洋国が賛同したが、ギリシャ同様いずれ悲惨な結果になるだろう。
米国が自信を喪失した隙をついて、大陸国家が海洋に進出しているアジアだが、もともと国境線的意識しか持てない大陸国が、南シナ海に基地を造成して、上空にADIZを引こうというのだから滑稽極まりない。

しかし、大陸国は本能的に排他的で「国境侵犯」的意識が強い国柄だから、かっての大韓機撃墜事件のようにADIZ=国境線という意識で対処し、民間機であれ軍用機であれ、容赦なく撃墜するだろう。
シナも、海南島の公海上で、米海軍のEP3C偵察機を“撃墜”した。尤もこれはF8というシナ海軍戦闘機パイロットの操縦ミスで接触したに過ぎず、“墜落した”のはF-8の方だったが、今後は南シナ海は言うに及ばず、東シナ海でもこの種事案が頻発するだろう。


そこに、大統領選に出馬を表明しているクリントン国務長官が、シナこそ脅威だと米国の仮想敵国に名指しした。やっと目覚めたのか、それとも選挙目当てか?

≪演説するクリントン候補=産経から≫

にもかかわらず、わが永田町の面々は、国際情勢が緊迫しつつあることなんぞ上の空、沖縄県の機関誌並み?の報道機関擁護に懸命である。

安倍首相には、雑音に惑わされることなく次に起きるであろう紛争を冷静に分析して備えを厳にし、敢然と任務を遂行してほしいと、老兵は願っている。


そこでシナ大陸内で起きている状況の中から、軍事関連情報を少しご紹介しておくことにする。

まず、シナ軍のインドに対する備えだ。


≪シナ空軍は、インドから約260kmの新疆和田基地に紅旗9地対空ミサイルを配備し、砂漠で実射訓練をした。ここは空軍第37師団が移動して使用する基地である=インターネットから≫

≪紅旗9を和田基地に搬入する機動運輸部隊=インターネットから≫




≪一方海の備えも怠らない。6月30日、ネット上に大連造船廠で建造中の国産空母の写真が出た。001型といわれるが、香港のTVによると、建造方式は米国式で、かなり捗っているという=インターネットから≫




≪これは女性パイロットである。2008年に15万人の高卒者を採用したが、うち33名が女性パイロットに採用された。そのうち10名が国産爆撃機?に選ばれ訓練段階に入っているというPR写真?だろう。
4名は済南の部隊、6名が瀋陽軍区の部隊にいるというが、彼女らは基礎訓練段階を終えたというもの。東シナ海に彼女らが出現するのは何時になるのか…待ち遠しいな〜=インターネットから≫


シナ空軍および陸海の航空部隊で編成された対日勝利記念日の“航空観閲式?”に備えた訓練中の写真。これを見る限り、なかなかの稼働率だ!
関連する写真も「パレード並み」に展示しておこう。







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ジャパニズム25号オキナワ特集である。青林堂¥926+税≫


≪緑十字機の記録=戦争を一日も早く終わらせるために:岡部英一著・自費出版
先日、ブログのコメント欄に登場された静岡県磐田市在の郷土史研究家・岡部英一氏の労作である。終戦直後、マニラのマッカーサー司令部に飛んだ降伏全権団の活動ぶりと、帰路の深夜、なぜ燃料欠乏で天竜川東側の海岸に不時着したのか、について実に詳細に資料を集めて分析している。

たしかにこの降伏全権大使一行が、帰路墜落して行方不明にでもなっていたら、その後の占領史は大きく変わっていたかもしれなかった。
磐田市の資料として出版されたもので、市販されていないそうだが、岡部氏の元には若干の予備があるそうだから、ご関心ある方は申し込まれたい。(下記参照)

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