軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

“冷戦”を“熱戦”にしてはならない!

弾が飛び交うのが「熱戦」で、そうでないのを「冷戦」と昔は言った。
我が国周辺で起きている事象は、メディアのタイトルを見るだけでも「歴史戦」「思想戦」「情報戦」などと弾が飛び交う前の“戦争”が継続していることを示している。
しかし、有権者の票数しか頭にないわが政治家たちは、ほとんど“不感症”だといってもいい。それに何より、政府が抱えるあらゆる懸案事項(防衛、経済、そして五輪…)を総理自らが国民に“優しく”解説するのだから、安倍首相の歳費は、所管大臣の数倍は出す必要があろう。

安保法制問題は、防衛大臣がフジTVに出向いてやるべきだ。所管事項じゃないか!
経済は副首相が兼務して、渋い顔して何か解説しているが、五輪は文科大臣じゃ不足だった。競技内容はともかく、まずは施設作りなのだから、国土交通大臣が所管すべきだったろう。
建屋が出来たら文科省に移していいが、費用見積もりもできない役人だから、国民の税金をいたずらに浪費する結果を招いてしまった。
都知事が言うように大臣か局長が辞職してもいいが、損失補てんは省挙げて実施すべきだろう。3・11では国民がかぶったように…
今回で縦割り行政の最大の欠陥が浮き彫りになった気がする。


ところで昨夜は、東シナ海日中中間線付近に中国が18基の海洋リグを立てたが、その軍事的意義について、某TV局から電話取材があった。
現役時代、日中中間線(シナは認めていない)に近接して、石油などの資源探索リグが林立したが、当時のわが国はこれは「経済問題」「海洋法上の問題」だととらえるだけで、軍事的観点で捉えていたのは海自と空自、海保?くらいだった。
今回、海底に掘削用のパイプがないリグを作ったというので、軍事基地化と判断したようだが、今まで、中国が勝手に日中中間線近傍に海洋リグを建ててガスを採掘していて、ストロー方式で日本領海部分から資源を盗掘している可能性がある!程度の認識だったものが、20年経ってようやく尻に火が付いた形だ。


しかし今回も日本政府は「新しく12基が建設されており、合計18基となっていた」と公表し、シナに対して“形式的な抗議”と“話し合い”を呼びかけただけというから実に情けない。
それに対してシナは、「問題を起こすな。対立を煽るのは日本側に責任がある」などといつものような一方的な論法で反撃した。そうだろう、彼らは日本は「国際紛争を解決する手段」を持っていないことを知っているのだから、何も怖くはないのだ。

防衛省が公表したリグ=産経から≫


その上、政府要人の“写真”を保存しているらしいから“鬼に金棒”
其の昔、上海の土産物店で「これパイアグラよ!、龍太郎先生が使っているよ!」と店主に日本語で話しかけられて驚いた経験があるから人民も知っていたわけだ。
これじゃ舐められた日本の政治家は怯えて手が出せないはずだ。真相は知らないが…
宮崎氏は、今日のメルマガに「さて日本は中間線に海洋リグを建設しなければならないのだが、なぜおびえているのか、誰におびえているのか。邪魔をしているのは日本の官庁である。尖閣に日本人が上陸しようとすると、これを妨害するのも日本の官僚、つまり背後にあるのは外務省と関連官庁である」。「カナダか仏蘭西か、海洋リグ専門企業を買収し、開発を敢行せよ」と書いたが図星だろう。
更に「日本の民間企業は、開発作業をしても、軍事的な安全を得られないとしてどこも名乗りでない。国策のエネルギー会社も何かにおびえ、開発計画をつくっても誰も乗り出そうとは言わない」というから不思議である。

日経新聞社がかの有名なフィナンシャルタイムを買収したじゃないか。日本企業もやればできるじゃないか?


軍事的には、打つ手はいくらでもある。まず“軍事用リグ”だと判明した時点で、尖閣にその対抗拠点を設置するのだ。ペトリを配備するまでもなく、海保の施設で十分だろう。互いに洋上レーダー基地を作ればいい。

≪シナが公表しているリグ周辺要図=産経から≫


≪シナは以前レーダー基地もないままADIZを公表して大恥をかいた!今度こそ!と思っているのだろう=産経から≫

更にやめなければ、今年度末に那覇基地に移動するF-15部隊を、ただでさえ混雑して軍事機能を十分に果たせない恐れがある那覇基地から、宮古島に隣接した「下地基地」に移動させるべきだ。これで十分この方面の制空権は確保できる。
中谷防衛大臣よ、与那国に展開する陸自部隊の上空援護のためにも、空自部隊の進出基地を下地島に変更してほしい。

放っておけば、今回のリグのように下地空港周辺にシナ人用のリゾート施設が立ち並び、ある日突然下地島が占領されかねないからだ!

そうなってからでは遅いのだ!よく検討してほしい。


ところでそれよりもシナの政争と経済活動の行く先が不透明になってきている。“保八(GDPの伸び率8%を死守せよ!)”という政府の掛け声は消え、ドンドン伸び率は下がっていったが、新卒学生らの不満は高まっているだろう。今朝の産経は「いよいよ中国バブル終焉か 中国の景況指数下落、5カ月連続で節目の50割れ 生産・受注縮小バブル」と報じるまでになった。


ところで政争の方だが、先月時点では、中国共産党最高レベルの主流派は王岐山と愈正声だとされ、太子党三人組が握ったといわれてきた。

確かに政権の座に就いて三年余、「史上最弱の皇帝」といわれたにもかかわらず、習近平は着々と権力基盤を築いてきている。
その裏には習政権の「反腐敗キャンペーン」が人民から支持されているということがあろう。まるでフランス革命前夜のように、腐敗分子が次々と断頭台に消えていくのだから、共産党に苦しめられてきた人民としては快哉を叫びたくなることもわかる。


しかし、このあこぎな?やり方に、党内の上海派江沢民派)などの抵抗が、増している。
これこそシナが最も得意とする典型的な権力闘争であり、習近平は、労せずして江沢民らが築いてきた「鉄道」「石油」の莫大な利権を取り上げた。
次は江沢民が握っている「通信」と「金融」分野だが、軍事方面での“改革”も見逃せない。習の軍事戦略上のアドバイザーは幼友達の劉源と劉亜洲だが、言わずと知れた太子党である。
 
そこで次の「シナの戦勝70年式典」までにどんな動きがあるかだが、前回書いたように、江沢民胡錦濤李鵬一派が水面下で打倒習近平を模索しているらしいから油断できない。
その上奇妙なのは、江沢民一派が米国と急接近していることだ。
習主席一派のスキャンダルをつかんでいる王岐山の動きと関連しているというが、大紀元日本はこれに合わせるように「元最高指導者江沢民氏 集団虐殺などで告訴相次ぐ」と書いた。


≪【大紀元日本6月8日】中国司法当局が5月1日から「然るべき告訴は必ず立件する」という司法改革案を実施したのを受け、中国国内で「江沢民告訴ラッシュ」が起きた。弾圧されている伝統気功・法輪功の愛好者が各地の裁判所や検察当局に訴状を送り、弾圧の発起人・主導者とされる元最高指導者・江沢民氏への刑事責任追及を求めている。
法輪功の情報サイト「明慧ネット」によると、告訴の理由は「ジェノサイド(集団虐殺」「拷問」「職権乱用」「違法拘禁」などで、5月28日〜30日の3日間でおよそ70人が「訴状を提出した」と同サイトに情報を寄せたという。(中略)≫


この記事には裏があるような気がする。つまり、それを察した習近平太子党派)が、機先を制して、江沢民一派を封じ込めようとしているのか?
とすれば権力闘争も大詰めに来ていると考えられる。誰が山に残る一匹の虎になるのか?


東シナ海の緊張を解くのは、わが方の毅然たる防衛体制の確立であり、軍事基地には軍事基地で対応すべきである。つまり、この海域のミリタリー・バランスを崩してはならないのである。

そして彼らの弱点である「補給線」を断つことだが、それは戦略的には本国内の権力闘争が盛んになれば、おのずと第1線部隊は翻弄されるから、敵の圧力を軽減できる。

リグの周辺は陸路で補給できる環境下にはない。つまり昔のガダルカナルだから、本国内の混乱を助長すればいいのだ。

それには、まずわが方の海空軍力を充実させて直接それに備えるべきだ。


もっと大きな国家戦略は、村山、河野らが出した過去の談話の破棄である。さらに言えば、安倍総理は、官房長時代に公言していた8月15日の靖国参拝を実行して、亡き英霊方に心から哀悼の意を表することである。


≪後輩からの贈り物。時宜にかなっているから以上4編をご紹介した≫


理不尽な軍事施設増強でもって、いたずらに東シナ海の緊張を高めているシナから、一方的に「わが国の国内問題」に干渉されるいわれはない。

反日新聞は、ここぞと騒ぐだろうが、首相が実行すればそれでおしまい!
戦後のばかげた問題に決着をつけるべき好機が来ているとみるべきだ。
この問題は、シナの問題というよりは日本国内に住む、次の報道機関のような反日グループが引き起こしてきた問題であり、彼らとの“内戦”なのだから。


≪70年談話に奇妙な一致点=産経から≫


≪彼女だって、靖国問題何ぞどうでもいいのだ。もっとも怖い顔してひと騒ぎするだろうが、それがなんだ!…=産経から≫




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「WiLL 9月号」
今、超人気者の百田尚樹氏と石原慎太郎氏の「放言の自由と言論の自由」という対談が面白い。例の「沖縄の新聞」の部分について百田氏はこう語る。

≪ことの経緯はこうなんです。六月二十五日、私は自民党本部で若手議員有志三十数名が参加した勉強会「文化芸術懇話会」に講師として招かれました。約三十分の講演を終えたあと、出席した自民党の議員たちと質疑応答を行いましたが、その席で飛び出したのが例の「沖縄の二紙はつぶさんとあかん」というあの言葉です。
「懇話会」は全く私的な集まりで、決して公的なものではありません。当日は何社も報道陣が来ていましたが、会の冒頭だけ報道陣を部屋に入れ、その後は退出してもらって取材はシャットアウトするというものでした。私は主催者に、「それでも部屋の外から話を聞くんじゃないですか」と訊ねると、彼はこう答えました。
「冒頭の話だけは聞いて書いていただいてもいいとは言っています。でも、退出したあとは取材はなしということを伝えていますから、それを書くのはルール違反になります」
さらに、「懇話会が終わってから報道陣を部屋に入れて、どういう話をしたのかをブリーフィングします」と言いました。それを聞いて安心しました。実際、会が始まって私か冒頭の挨拶をすると、報道陣が一斉に写真を撮り、ビデオ撮影もされました。約二分後、報道陣は部屋から退出し、私は講演を始めたんです。
石原 講演のテーマは「沖縄の新聞」というわけではなかったんでしよ。
百田 全く違うんですよ。講演の主な内容は、「国会議員としての責務を持って働いてもらいたい」ということと「集団的自衛権とは何か」。講演のなかで、マスコミや新聞社や沖縄のことは一言も話していません。
 ところが、講演を始めてしばらくして、ドアのすりガラスに耳がいくつもへばりついているのが見えました。廊下にいる記者が部屋のなかの会話を聞こうとして、ガラスに耳だけをくっつけているんです。すごくシュールな図で、講演で話しながら思わず笑いそうになりました。 私の声は人きいので、ガラスに耳をつけている記者にはおそらく声が聞こえるだろうなと思いながら、でも部屋のなかの話は「取材お断り」という紳士協定がなされていると聞いていたので別に気にせず、約三十分の講演を終えました。その後、質疑応答が行われたんですが、質疑応答といっても堅苦しいものではなく、しばらくすると参加者が口々に発言し、半ば雑談のような形での会話になりました。
 問題とされた言葉は、この時に飛び出したんです(以下略)。


以下はお読みになってのお楽しみだが、「オフレコ」何ぞ全く無視しているこの業界の実態がよくわかる。
百田氏はフリーだからまだいいが、これが公務員だったらひとたまりもなく、何人犠牲になってきたことか。
沖縄問題が起きる直前に当時の施設庁長官が記者との懇親の場(原則オフレコ)で村山総理の態度について聞かれ、その感想を述べたことが「総理は馬鹿だ!」と言ったとされて更迭されたことがあった。
なだしお事故の際も、病院に収容されていた“マリンギャル”に、白衣を着て医者に変装した記者が接近して「自衛隊員は潜水艦の上から見ているだけで助けてくれなかった」というウソの証言をさせ、潜水艦側に非難を集中させたし、御巣鷹山にJALが墜落したときも、奇跡的に救助され入院していた少女の傍に、医師を装って入った記者が「まだ他に生きている声がしていた」と証言させて、自衛隊の救助活動に対する非難が渦巻く結果になった。
この時もなだしお同様M社記者だったが、広報室でM社記者が、他社の記者からつるし上げられていたからよく覚えている。同業者同士の取り決めも平気で破るのだからすごいものだと思ったものだ。


特ネタさえ手にすれば彼らのもの、だから阪神では記者が銃殺される事件まで起きた。今回の「新国立〜」問題でも、責任者を追求して正義漢ぶっているが、彼らのルール破りに関しては誰も責任は取らないから、特に公務員にとっては出世も生活も奪われることになる。議員同様役人もメディアを怖がるはずだ。

「ドアのすりガラスに耳がいくつもへばりついているのが見えました」という風景は考えるだけで面白い。ガラスにペンキか胡椒の粉でも塗っておけばもっと面白かったのに残念!
なんだか夏の怪談話の“耳なし芳一”を聞くような気がする。


だから、前に掲げた「70年談話に奇妙な一致点」を掲げた新聞社の裏が取れるでしょうというお話!
つまり、いい記事の内容なんて、自分に都合がいい話だけで、読者が何と思おうともどうでもいい、つまりいい加減なのだという証拠であろう。

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