軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国共産党体制は2017年に終わる?

今日の産経は「中国、人権派弁護士を再び拘束か  連絡取れず」という次の共同電を報じた。



≪中国陝西省で今年初め、インタビューを受けた高智晟氏(AP=共同)≫

≪中国の人権問題を扱うウェブサイト「維権網」は25日、中国で法治の徹底などを訴えて投獄された後、昨年8月に出所した著名人権派弁護士、高智晟氏が24日、公安当局に再び拘束されたと伝えた。連絡が取れなくなっているという。

 米側は中国政府の高氏への対応を注視しており、25日に予定される米中首脳会談で、主要テーマの人権問題として取り上げる可能性がある。

 同サイトによると、高氏は24日午後、陝西省の親族の家から地元当局に連行された。

 高氏は官僚の汚職疑惑追及などで知られ、2010年に身柄を拘束、11年に新疆ウイグル自治区の刑務所に収監された。出所後も当局の監視下にあった。

 AP通信が今月、高氏のインタビューを報道。高氏は身柄拘束中に電気ショックを与える棒を顔に押し当てられるなどの拷問を受けたと明らかにした。(共同)≫


ところが奇妙なことにそれに符合するかのように、昨日の「大紀元日本」には『中国共産党体制は2017年に終わる』という、氏の未発表文が紹介されたから、実は大丈夫かな〜と心配していたところだった。記事を引用する。


≪2015年初め、陜西省の自宅でジャーナリストのインタビューを受けた高智晟弁護士 (AP Photo/Isolda Morillo)≫


≪2015/09/24 18:06

 中国の著名な人権弁護士・高智晟氏は、刑務所で拘留期間中に書き上げた未発表の著書で、共産党専制政治は2017年に終わると予測していることが明らかになった。米AP通信による5年ぶりの高弁護士へのインタビュー内容でわかった。

 敬虔なクリスチャンである高弁護士は、土地収用や貧困者などの弱者を無料で弁護したことで、国内外で名を馳せた。迫害されている気功法・法輪功や地下教会の問題を担当したことで2006年に「国家政権転覆扇動罪」で逮捕された。その後、釈放・収監と自宅監禁が繰り返されている。

 2014年8月に釈放された高弁護士の心身は、「破壊」していると伝えられていた。中国在住の家族の話では、歩行が難しくなるほど衰弱し、会話にも支障が出たという。しかし、今回のインタビューでは通常の会話ができるほど回復していた。

 「私たちが生きて出所するたび、敵の負けだ」と高弁護士は述べた。迫害にもかかわらず、中国から離れないと決意している。妻と子は、米国難民として保護を受けており、夫の自由を求めて米政府や人権団体へ働きかけている。
書き上げた2冊分の原稿

 AP通信によると、高弁護士は現在、実兄と陜西省に住んでおり、警察から日常的な監視を受けている。2014年までに2冊分の原稿を書き上げた。高弁護士によると、文章は出版するために中国国外に送られたという。

 1冊めは、3年間の独居房と拷問の苦痛とむごさ、堅い信仰と揺るぎない中国の未来への希望。中国にとどまることは「神が与えた任務」と高弁護士は述べた。

 2冊めは、高弁護士が受けた「神の啓示」によると、中国の共産党専制政治は2017年に終わるとの予測を書いた。また民主主義が築かれる計画と、共産党の崩壊について記されている。

「生きるため」拷問で精神離脱を身につける

 AP通信のインタビューでは、拷問についても明かされた。電気棒でショックを与える方法では、激痛のあまり、精神が身体から離れる奇妙な体験をしたという。身体から離れた自分は「まるで踏まれた子犬のように吠えていた」という。

 精神の離脱は、長年の刑務所生活の中で「生き残るために身につけた特殊能力」だと、高弁護士は述べた。

 ノーベル委員会は2008年、人権問題に立ち向かう高弁護士をノーベル平和賞候補に選んだ。中国法律の研究者でニューヨーク大学法学教授ジェローム・コーエン氏は、高弁護士は中国で抑圧を受ける人権弁護士の象徴だと述べた。また、「大胆で、勇敢、実直な人間だ。彼ら(共産党)は容赦なく高氏を壊した」とも述べた≫


生死の境をさまようと、幽体離脱現象が起きるのは確実らしい。
友人の経済専門家は「シナは来年経済的危機を迎える」と私に言った。私はいよいよ来年でシナは崩壊か、と“希望的”観測をしていたのだが、このニュースを見て、政治的にも限界が来ていることを察知した。


中國共産党は習主席不在間を穏便にしておかねば、彼の帰国後詰問されることは分かっているから、それまでの間に高氏を拘束して、発言させないようにする気だろう。しかし「人の口に戸は立てられない」ことを知るべきだ。

米国が一番気にする「人権問題」が突発したのだが、案外これは、江沢民派が起こしたことかもしれない。外遊中の習主席にとっては大きなダメージになりかねないからである。
習主席は、懐具合を隠して、米国で航空機を“爆買い”するという。うっかり契約すれば、ボーイング社もドイツの「ボロクソ・ヴァ―ゲン?」同様、倒産することになるのじゃないか?

最もアングロアメリカンは、そこまで落ちぶれてはいないと思うが…・

さて自由と民主主義を尊重するオバマ大統領はどう対処するか? いよいよ面白くなってきた。



ところで国内では、新国立競技場問題で、検証委員会が「計画全体が脆弱」だと指摘した。「計画が脆弱?」とは聞きなれない言葉だが、一般的に脆弱とは「もろくて弱いこと。また、そのさま」とされ、「―な地盤」「―な神経」」と用いるとされているから、計画が脆弱…とはあまり聞きなれない言葉だ。


要するに「杜撰」ということだろうが、相手は文科省だ。検証委員会もあからさまにいえないから、気を使ったのだろうが、産経によると、計画が迷走した理由が「難プロジェクトを遂行するシステム全体が脆弱で適切な形になっていなかった」という文言を要約したらしいから、やはり[ズサン]という解釈でよいのだろう。報告書の要旨に目を通してみたが、いやはや、言葉もない!
要は組織全体が「祭りに浮かれていた!」ということだろう。
「本プロジェクトの意思決定がトップ・ヘビーで、機動性がなかった」という表現も理解に苦しむが、「競技場建設」という単純な問題だったにもかかわらず、≪“有識者”会議で決定されてしまうと、JSCが後日変更することは著しく困難となるという意思決定の硬直性を招いたといえるであろう≫というところから見て、要は「船頭多くして船が山に登った」のに、乗員乗客の誰もがそれを見て見ぬふりをするという「無責任体制」だったということに尽きるだろう。週刊誌はもっと鋭くその裏をついているから、国民には分かりやすいが「検証委員会」という“有識者”の言葉だからわかりにくいのだ。

それとももっと具体的に指摘すべきを、委員会までもが「ナ〜ナ〜」で書き上げたのか?
何しろトップには、元最高指導者がいることだし、官僚のトップもいるから、言葉を濁したのかもしれない。
責任の所在という項目で「多くの関係者がそれぞれの立場において真摯にその仕事に取り組んできた」というに至っては、ではなぜこんな結果を招いたのか?という疑問に答える形にはなっていない。
「JSC、組織体制を整備できず」と産経は中見出しを付けたが、要は「群盲が象をなでていただけ」としか理解できない。アッそうだ「群盲」は禁句だったか!

≪下村文科相が辞任の意向を安倍首相に伝達 内閣改造までは続投=産経から≫


元空自パイロットとしてこれら一連の「国家プロジェクト」の活動の有様を見ていて、いざ有事の際に、どうなるのだろう?と「指揮系統の不備、統率上における徳性に欠ける指揮官の存在、お役所仕事さえ出来ない組織、マンネリ状態、その自覚のなさ」に言葉を失ったのだ。

そういえば沖縄時代、台湾(国府)軍OBらが、ヘリをチャーターして尖閣降着し、建造物を破壊する!と息巻いた時、これは空自の出番だ、と思って私は周辺空域に厳戒態勢を敷いたが、時の首相は「武器を使うな!」と言い、当初はE2Cさえ派遣しようとはしなかった。
「武器を使うな!」とは味方に言う言葉じゃなかろう。いかに自衛隊を信用していないか!とはらわたが煮えくり返る思いがして「相手に言え!」と部下の前で言ったことを思い出す…
この時も役所はマンネリで、ことの重大さを理解していなかったのであった。


報告書の最後は「プロジェクトを遂行するシステム全体が脆弱で適切な形となっていなかったために、プロジェクトが紆余曲折し、コストが当初の想定より…」とある。

事、国防に関しては「システム全体が脆弱で適切な形となっていなかった」などという言い訳はできないのだ。
文科省には徹底的にウミを出してもらうほかないが、国防を預かる防衛省はこうであってはならないことを肝に銘じてほしいと思う。
それにしても日本は“どこまで”平和なんだろう〜〜と感心する。



届いた雑誌のご紹介
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「WiLLの11月号ワック出版¥820」

いつも痛快な記事が多いがWiLLまでも≪総力特集・中国の自壊が始まった!≫と特集している。矢張り自壊がはじまっていたのだ!!
とりわけ「軍事パレードで習近平、威信失墜(遠藤誉)」は興味深い。
福島香織女史の『中国残酷物語』を読むとなぜ彼が左手で挙手したか?の原因も想像できる。
原因はパレード中に、陳情者が列に飛び出して、直訴しようとして撃たれたことにあるそうだが、いかにも暗殺におびえる習主席らしい。その後ずっと緊張しっぱなしだったから…
習夫妻にとっては、案外訪米中が一番安心安全なのじゃないのか?

「中国人に占拠された『川口市芝園団地』」には身震いする。
尤もその前に、全国いたるところで凶悪な事件を起こしている“異民族”もいるから、川口市だけの問題じゃないが…


最後に佐瀬昌盛防大名誉教授が「朝日新聞とのわが戦争」欄に、「田岡俊次編集委員との大激論」を書いている。
同様な体験をした一人としては、昔を思い出して不愉快な気分になった…。
佐瀬教授とはある会合で「私が最も尊敬する朝日新聞…」とギャグで話し始めたところ、「佐藤さん、本気で言っているの?」と“絡まれ?”た。
そこで「彼らはペンは剣より強いと錯覚しているだけで『剣が鞘に収まっている』ことを前提に粋がっているにすぎませんよ」と言ってやっと同意してもらったことがあった。それほど佐瀬氏はひどい目に遭っていたことが今回よくわかった。
今回は彼が「…自分はもともと防大を受験したかった」と不思議なことを言ったと佐瀬氏は書いていいたが、ノーベル賞作家も確かそうだったはずだ。



「『丸』11月号:潮書房光人社¥1500≫
軍事史、とりわけ大東亜戦史の秘話には事欠かない。写真も貴重なものが“続々”でてくるのでいつも感心させられている。
広大な太平洋戦域に海没している軍艦や航空機の写真を見るたびに、英霊のご冥福を祈るのだが、それにしても70年前のわが国は、戦争の善し悪しは別にして、大変な財産を保有していたものだ、と感心する。
今回は「捷一号作戦」が特集されているが、それよりも「軍極秘/大和型戦艦の年間維持費(原勝洋)」の方が目を引いた。
第7艦隊の年間維持費は海自の総予算に匹敵する!と昔聞いたことがあるので、改めて大日本帝国の底力を思い知った。
こんなことを言うと、今時袋叩き似合うかもしれないが…。

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