軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

日本人やめたい??

今朝の産経「透明な歳月の光」欄に、曽野綾子女史は「日本人やめたいという甘え」と題してこう書いた。


≪ここのところ、シリアやアフリカ諸国からの難民のニュースが、始終私の心に引っかかっている。といっても、私には有効な救う手だても体力もないわけだが、とにかく子供を抱え、あてどのない長旅を続けて、どうにかヨーロッパの目当ての国にたどり着こうとする人々の苦労は、終戦時の体験のある私には、身に染みて分かる。
 赤ちゃんのおむつはどうするのだろう。あの人たちは、何十日もろくに入浴もしていないはずだ。食べ物だって、栄養の点まで考えていられない。とにかく子供が飢えを訴えなければそれでいい、というものだろう。そんな状態を続けると子供にはさまざまな症状が出る。極度の栄養不足は下痢を伴うし、軽い皮膚病と思えたものも治らなくなる。眼に異常が出る。
 人生は一生に一度くらいは、こういう目に遭うものなのかもしれない。天災の時、日本人は、関係者が「想定外の災害」だったと言うとひどく怒った。しかし、想定外の災害に遭わなくて済む人生はほとんどないのかもしれない。
 アフリカからの難民は、密航ビジネスを営む怪しげな業者の手を借りて、サハラを北上してアルジェリアリビアに逃げているという。ニジェール中部あたりから、リビア南部まで、1人約1万4千円払う、と毎日新聞服部正法記者は書いている。この中には途中の検問所で不法出入国を見逃してもらう賄賂の約8千円分も含んでいるという。アフリカでは多くの土地で、べっとりと汚職体質が染みついている。国のためとか、同じ民族の子供や女性のため、などという日常的な発想は、公的演説以外で出会ったことがない。
 実に一つの国家が、成熟して生き続けるということは大変なことなのだ。こんなにも長く、分化した利己主義の時代が続くのか、と驚くばかりだ。その国で生きていられなくて、何の保証もない他国まで平穏を求めて逃げていく人々がこれほどいるのに、日本人の中には、「こんな日本に子供たちを住まわせられない」とテレビの画面で言う人がいた。それならどうぞ今すぐ日本人であることをやめて、どこにでもお好きな国に移住なさってください、と私は言いたくなる。「今の日本でいいのですか」と言う人にはこう答えよう。この世には瑕瀧のない人も国家もない。日本をもっとよくするために、私たちはそれぞれの立場で国のために尽くすのだ。しかし現実問題として、この程度にでも差別なく豊かに安定して運営されている国家は世界に少ない。
 安保開運法案が参院で可決された時、熱狂的にデモ隊の論理を支持した日本の一部マスコミは常軌を逸していた。現政権が道筋を誤ったのなら、次の選挙で落とすという方法がある。むしろそれだけが正規の手段だ。デモに賛同した人だけが平和主義者で、そうでない人々は間違っているという人は、多数決原理を採用する民主的原則を学び直してもらうか、民主主義以外の方法に変更するか、改めて決定してもらいたい≫


地上波テレビを見るがよい。朝から晩まで食い物の話。男と女の痴話話、衣食住に困ることなく、天下泰平すぎて、若者たちが殺し合い、中には「殺して」と言われて「ガールフレンドを殺した」高校生さえ出ているありさまじゃないか。
祖国の危機に際して、敵艦に体当たりして散った同じ世代の青年たちに対して、どう申し開きができるというのか!

それとも関係ない!としらばっくれる気か?

世は末世なのか?と疑いたくなる世情だが、曽野女史が書いたように、一度目を外に向けると難民の群れが世界中に溢れていることがわかるだろう。
一体、小学生さえ持ち歩いている「スマホ」とやらで、今の子供たちは何を学んでいるのだろう?
現職警官でさえ“闇サイト”で知り合った仲間と女性をいたぶるという、人間の世界から外れた獣が増えているのを見て「こんな日本から・・・・」というのならわからぬでもないが、とりわけ才能もない連中が寄り集まって一見平和主義者ぶってデモ行進しているような連中が言うのだから、馬鹿も休み休み言え!と怒鳴りたくなる。

もっとも、今のメディアは、犬が人を襲っても記事にならぬとばかりに、猟奇的な事件を取り上げて、いかにも「人権保護者」ぶっているのだから始末が悪い。彼らは売れなければ仕事にならないから仮面をかぶっているのだ。
勿論、そんな連中には、曽野女史が言ったように「どんどん出て行ってもらいたい」が、こんな連中ほどいざとなれば安全で住みやすい日本にしがみつくのだ。


隣の“大国”を見るがよい。27日の産経のコラム【北京春秋】に、矢板記者「習近平氏らの外遊先で直訴狙う陳情者 『ほかに打つ手がない…』」とこうレポートしている。 

≪中国の習近平国家主席が25日、訪問先の米ワシントンの路上で、中国から来た複数の陳情者に車列を遮られる騒ぎがあった。陳情者らは警備に当たっていた米国の警察に一時拘束されたが、すぐに釈放されたと聞き、ホッとした。

陳情者の一人は北京の元小学校教師の女性だ。自宅の強制立ち退きで当局に賠償金を求め続けていた。面識はないが、取材先の別の陳情者から「仲間の一人が習主席に直訴するため渡米した」と聞いていた。「ほかに打つ手がなくなった。射殺されても構わない」と覚悟していたという。

中国には彼女のように追い詰められている陳情者は数百万人もいるといわれる。党官僚の横暴により、財産や肉親の命などが奪われ、司法で解決してもらえないケースがほとんどだ。習近平政権は発足後、陳情者に対する弾圧を強化。国内での陳情が難しくなったため、最近は指導者の外遊を狙って警備が手薄な外国に行って直訴するケースが増えているという。

陳情者たちは外国メディアに注目されることを狙っているようだが、このような無謀なやり方が問題解決につながった事例は聞いたことがない。世界のメディアの前で中国の最高指導者に恥をかかせた元教師の女性が帰国後、どんな過酷な仕打ちを受けるのか心配だ≫


それを証明するのが次の一連の写真だ!目を見開いてよく見るがよい!

≪車列が来ると、冤罪者(陳情者)たちは上訴状を掲げて車に近づいた≫


≪一人の北京から来たピンクのシャツを着た女性(北京春秋で言う女性教師)が車列に飛び出す。3段目のサングラスの女性は日本人妻の杉本華さん、上海の日本料理店を略奪され現在は夫と共に東京に住む。渡米して「全財産を返してくれ!」と命を懸けて抗議≫

[:]
≪女性教師は習近平主席の乗用車の下に潜り込んだ。
「死ぬのは怖くない!政府に略奪された財産をすぐ返してくれ!」と抗議。警官があわてて駆け付けて引きずり出そうとする≫


≪数人の警官が慌てて車の下から教師を引っ張り出した!その後は米国だったからこれで済んだが、北京だったら公安にしょっ引かれて拷問を受け、心不全で“自然死”するのだろう」


[:]
≪杉本さんは“日本国民の財産”を返せ!と抗議。取り締まりにあたった米国の警官は「死を覚悟して陳情する中国人女性にびっくりした。こんなことは生まれて初めての体験だ」と語ったが、シナ国内で法輪功などに対して行われている北京政府の非人道的所業の一端が理解できたか?
杉本さんは上海の日本料理店を奪われてはや5年、夫妻で東京に住むという≫
 


自国民をこんな目に合わせて、少しも反省しない政府が北京にある共産主義国だということが少しは分かっただろうか?
来年以降、今度は「爆買い」ではなく、シリアのような難民になって彼らが押し寄せたら「日本に住みたくない!」と言った平和主義者は、入れ替わりに大陸に移住されたらいかがか?
その方が双方にとって幸せだと思うが…


さて、習近平主席の「個人秘書?」として訪米に同行した習明澤の資格は不明らしい。≪博聞社≫の特別報道によれば、外交部の名誉外交部員?として、変名で参加したという。
主席自身は同行させるかどうか迷っていたらしいが、弁交事主任の栗戦書が決めたという。極秘だったので、代表団員も知らなかったらしく、諸外国のメディアも報じてはいない。実は23歳の彼女の顔写真がなかったかららしい。
母親が国連で“英語で”演説した時、流暢だったのは娘が指導したのだ、ともっぱらの噂らしいが、ネット上では「習は娘を変名で同行したが、犯罪じゃないか?」「これは共産党政府がよくやることだ…」などと皮肉られているという。


次は天津大爆発で話題になった、天津市内のロケット基地の写真である。

≪大爆発を起こした『中国大推力ロケット天津基地211廠」の写真=博訊新聞網から≫



ところで日本に住みたくないという方にもう一つ教えておこう。


大紀元日本は28日、香港メディアの報道だとして、「北朝鮮は国内の中国人商人・華僑を大規模に粛清している」と報じた。スパイ罪で逮捕し、8年以上の禁固刑処分、また一部は無期懲役または処刑だという。


≪今年に入ってから、北朝鮮国家安全保衛部は100人以上を逮捕した。容疑は、中国政府に情報提供、韓国社会の映像を拡散、北朝鮮社会の映像を中国や韓国に持ち出し、脱北者の国内送金を仲介、宗教布教活動などだという。

 北朝鮮の政府統計では、華僑の人数は約5千人で、中国外交部は「3千人強」としている。同情報筋の話では、北朝鮮国家安全保衛部は華僑に対し、監視や盗聴、中国の携帯電話の使用禁止などを実施している≫
というのだが、わが国では報道されていない。


ところが今日、産経のインターネット版が「中国が邦人少なくとも2人をスパイ容疑で拘束」したと伝えた。


≪【北京=矢板明夫】日中関係筋は30日、中国国内で今年6月までに、少なくとも2人の日本人男性が「スパイ行為」にかかわったとして中国の治安当局に拘束されたことを明らかにした。昨年11月にスパイ摘発に特化して施行された「反スパイ法」を適用された可能性がある。
 これまで正式発表は一切なく、詳細は不明だ。同筋によれば、このうち1人は、遼寧省の中朝国境付近で中国の「機密情報」を不法に手に入れようとした疑いがかけられているという。拘束はすでに三カ月を超えており、スパイ罪で起訴される可能性もある≫
というのだが、「浙江省でも5月に観光旅行中の日本人」が拘束されている。


また、上海発共同によると、
日中関係筋は30日、中国当局に拘束された日本人男性2人のうち1人が、浙江省当局にスパイ容疑で拘束されたことを明らかにした。同省内の軍事施設周辺で拘束されたとみられる。
 中国の習近平指導部は最近、中国国内で活動する外国人への締め付けと監視を強化しており、全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会は昨年11月、中国国内で活動する外国などのスパイ摘発を定めた「反スパイ法」を施行していた。 
 中国国内ではこのほか、今年3月にビジネスツアーで広東省を訪れた米国人女性企業家がスパイ容疑で拘束され、米中間の外交問題になっている≫
とある。


実は日本国民は、ほとんど忘れていただろうが、昨年の11月3日に産経の同じ矢板記者が、「中国の『反スパイ法』、日本や東南アジア念頭か 定義あいまい…恣意的運用も」とすでに報じていた。


≪【北京=矢板明夫】2日付の「新京報」など中国各紙は、全国人民代表大会全人代=国会)常務委員会が1日に「反間諜法」(反スパイ法)を可決し、即日施行したと伝えた。同法はスパイ行為を初めて法的に定義したとされるが、「法律には曖昧な部分が依然として多く含まれ、司法機関が恣意(しい)的に解釈し、体制を批判する活動家の弾圧に利用されることが心配だ」(人権派弁護士)と指摘する声もある。

 同法を策定した理由について、中国の耿恵昌国家安全相は全人代で「わが国が直面する新しい情勢に対応するため」と説明した。

 共産党関係者は「日本や東南アジアなどの周辺国との対立が増え、外国の情報機関が中国国内での活動を活発化させている」とした上で、「従来の国家安全法などでは対応しきれない部分が出ている」と話し、今回の法整備は日本や東南アジア諸国を念頭に置いていることを示唆した≫


愈々彼らは動きだしたのである。自国内においては「国家反逆罪」を適用して、いつでも人民を拘束できるが、外国の観光客には適用できない。
そこでつくられたのが「反間諜法」(反スパイ法)である。

そして第一弾が二人の日本人に適用されたのだが、外務省はどうしているのかしらん?自国民保護は大丈夫か?
北朝鮮はその報復として、国内の華僑を処分し始めている。

景気回復も重要だが、戦後のわが国は、大砲が撃たれない“戦争”にはあまりにも無関心すぎる。


岡崎研の一員として2008年まで大陸と交互に行き来して「安保対話」をしてきたが、ある筋から、北京の学者らと別れた後、帰国時の空港で何が起きてもおかしくないので、手荷物などの管理を厳重にしておいた方がいい、とアドヴァイスされたことがあった。
つまり、個人になれば、空港で監視する係員の独自の行動が可能になるから、私のような“対中発言”をする者は、注意するに越したことはない、というのである。
多くは指定されたホテルの部屋でポケットに「麻薬」を入れられ、自分は知らないといくら言ってもすでに遅い。
第一シナ語が話せないのは致命的である。下級官吏は権威をひけらかせて怒鳴りつけるから一方的な調書になる。書いてしまえばそれで終わり!日本大使館も忙しいから動かないだろう。それは北朝鮮拉致被害者を見ればよくわかる。

そういわれたのでその後は一度も大陸には渡っていない。

どうだろう、「日本人をやめたい」「こんな日本に子供たちを住まわせられない」というお母さん方、体験ほど貴重なものはない!
子供のためにも大いに歓迎する! 一度お試しになってはいかが? 

日本が中国の「自治区」になる

日本が中国の「自治区」になる

月刊中国2015年6月号

月刊中国2015年6月号

ジャパニズム 26

ジャパニズム 26

戦闘機パイロットという人生

戦闘機パイロットという人生