軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ミリタリー・アンバランス

何よりも、宇宙飛行士・油井君が無事帰還したことを喜びたい。

≪帰還した油井君。NASA発表≫

ますます宇宙が身近なものに感じられるようになって来たが、果たして「知的生命体」は存在するのか?


先日浜松町で、JCETI主催の講演会に招かれ、非常に有意義な時間を過ごしたが、地球人類の一員としてまだまだ分かっていないことが山積していることを痛感した。油井君の体験談を聞くことが出来たらいいのだが…
彼はきっと宇宙から地球を眺めていて、多くの点に気が付いたことだろう。アジア大陸で進展している“砂漠化”や、両極や、エベレストなどの氷河の減退などなど…
12月9日の大紀元日本には、「チベット高原、氷河縮小 アジア20億人の水源危機」と次のように出ていた。


≪「世界の屋根」ヒマラヤの氷河が縮小している。研究によると、ヒマラヤ山脈をふくむチベット高原の気温は温暖化により上昇し、氷河は20年以内にすべて溶けてなくなると予測されている。アジアの20億人以上に淡水を供給するチベット高原は数多くの大河の源となっている。氷河の消失はアジア地域の数十億人に影響におよび、将来、水源の争奪戦を招きかねない。

米メディア「ボイス・オブ・アメリカVOA)」12月5日の報道によると、中国チベット自治区青海省などに広がるチベット高原の気温はアジアの他地域に比べて4倍の早さで上昇しており、氷河は急速に後退し続けている。専門家は、近い将来、チベット高原にある大部分の氷河と永久凍土は溶けてなくなるとみている。
「世界の屋根」と称されるチベット高原は、総面積約250万平方キロメートルと日本の国土面積の約6倍で、世界の約14.5%の氷河を保有し、南極、北極に次ぐ「第三極」と呼ばれている。また「アジアの給水塔」とも称され、アジアの20億人以上に淡水を供給している。中国の長江(揚子江)や黄河チベットを横断し後にガンジス川に合流するツアンポー川、東南アジアを流れるメコン川、サルウィン川、インダス川など、複数の大河の源となっている。
しかし気候の変化によって氷河面積と草原面積は著しく縮小し、荒れ地が増えている。いくつかの河川は絶えず水位が下降しており、永久凍土も融解している。水位が下降している河川の多くは世界有数の大河川であり、中国やインド、パキスタンバングラディッシュミャンマー、タイ、ベトナムカンボジアに流れている。チベットの一部の地域で既に水の供給が減少し始めている。
水道行政を管轄する中国水利部が2013年に公表した数値によると、2011年までに中国が2万8000もの小さな河川が消失した。
中国国営通信「新華社」は4月、チベット高原の18%の氷河は既に溶けてなくなり、一部の研究者は、ヒマラヤ山脈地域の氷河の大部分は20年以内にとけてしまうだろうと予測した。
チベット高原を調査する中国の研究によると、氷河減少の主な原因は、世界的な地球温暖化。ほかには焼き畑や、インド側の家庭用の調理用ストーブを挙げた。チベット登山管理センターの張明興主任の話では、標高5200mにあるエベレストのベースキャンプ地は、氷河がすべて溶け「石ころしかない」という。
気温上昇にもたらされたもう一つ深刻の問題は、チベット高原の永久凍土の融解だ。近い将来40%の永久凍土が消失し、2100年までに80%消失すると可能性があると中国科学院の最新研究が推算している。
そして現実問題としては、チベット亡命政府は、水資源をめぐる争いを懸念しているという。(以下略)≫


その中国は、このような地球上の大問題などには無関心で、PM2・5をどんどん増加させ、周辺諸国に害を及ぼしているが一切無関心のようだ。
その上、あこぎに儲けた金で南シナ海サンゴ礁を勝手に埋め立て、軍事基地を造成している。
そんなシナの行動を眺めていると、わが国周辺は日清戦争前の雰囲気に戻っているかのような錯覚に陥る。あの頃も清帝国は、「同治の中興」と言われて国力は充実し、欧米諸国から「眠れる獅子」と言われ、さすがに彼らも手を付けることを控えていたものだ。
我が国も壬午、甲申事件ではわが方に理があったものの、ミリタリーバランス上引き下がらざるを得なかった経緯がある。そして長崎に入港した、彼らの象徴的な「定遠」と「鎮遠」から上陸したシナ兵らは、長崎の町で乱暴狼藉の限りを尽くした。しかし我が国は抵抗できす、警察官の帯刀禁止条件を飲まされた。これは明らかに「軍事力」をバックにした典型的な“帝国主義”的行動であった。


このころ福沢諭吉が「シナの海軍は今でも日本の3倍近いが、今後ますます増強して琉球回復を唱えて、戦争を仕掛けてきたらどうなることだろう。上陸してきた清の兵隊が、どんな残虐行為、暴行を働くか想像するだけでも恐ろしい」と危惧していたことは有名である。

私が現役のころまでの両者のミリタリーバランスは、相手にするさえもおこがましいほど“鎧袖一触”であったが、あれからはや18年余、今では逆転しつつあり、私がファントムで鍛えられた第304飛行隊がついに沖縄に進出せざるを得ないほどになっている。
「アリとキリギリス」「ウサギとカメ」と警告を発してきたものの、一老兵のたわごとなど、完全に無視されてきた。


ところで今朝の産経に、前回私が“冗談”で書いた通州事件の話が出ていた。
「『通州事件ユネスコ記憶遺産に申請へ つくる会「世界に知ってほしい」 中国軍の邦人200人殺害」という記事である。


≪国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に中国の「南京大虐殺文書」が登録された問題で、「新しい歴史教科書をつくる会」(高池勝彦会長)は11日、2017年の記憶遺産登録を目指し、日中戦争の発端となった盧溝橋事件直後に200人以上の日本人が中国側に殺害された「通州事件」の資料をユネスコに申請すると発表した。

通州事件は1937年7月29日、北京東方の通州で日本人が中国人部隊に襲われた事件。申請する資料は、東京裁判に提出された証言や外務省の抗議声明などの公的文書のほか、当時の新聞の号外なども予定している。同会は「通州事件が忘れられている現状を意識的に変えなければならない。広く世界に知ってほしい」と訴えている(以下略)≫


日本人は草食系でもあるからか、実に穏やかで闘争を好まない。最近、異常と思える犯罪が目立つのは、私の友人の分析によると、そのほとんどが“何らかの別の血統に基づいている”者たちだという。
警察庁の犯罪統計もその傾向を示しているが、「個人情報保護法」で手厚く守られているから、真相はわからない。

しかし、わが国の近代化の時期においては我が国の“誤判断”に基づく紛争よりも、他国の干渉によるものが大きいことを学ぶべきではないか?

その意味では、今回「通州事件」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に申請することによって、日本人自らが、隠された過去を知ることは、シナや韓国から「歴史に学べ!」と言いがかりをつけられていることでもあり意義があることだろう。


さてそのシナでは、習近平主席の30万人軍軍縮という“公約”に基づき、来年1月1日から次のような編成になるという。

12月5日の「博聞社」の特ダネだそうだが、中共の軍事改革で新しく成立した、陸軍総部の司令官に、現在の成都軍区司令・李作成上将(62歳)が発令された。陸軍の政治委員は蘭州軍区の政治委・劉雷(58歳)、その蘭州軍区の副司令・彭勃が陸軍副司令に、陸軍政治部主任には張書国が着き、この陸軍総部は現在の北京軍区聠勤部駐屯地に設置したと報道した。

軍事筋からの情報らしく、詳細は年内にも報じられるらしいから、その時点でまた解説を試みたいが、今日は読みづらいが添付された一覧表を参考までに貼り付けておく。

中共中央軍委改革後の内部の各機構主要幹部名簿≫

 


一方、12月11日付の大紀元日本によれば、故「中共元老」大将の息子、習近平に公開状 独裁政治の終結呼びかけ≫とある。


中国共産党元老の一人で、毛沢東の忠実な臣下とされた故・羅瑞卿大将の息子が12月3日、香港メディア「アップルデイリー」に、共産党による独裁政権を終わらせるよう習近平国家主席に訴える公開状を発表した。
 羅瑞卿大将の次男・羅宇(71)氏は「義弟・習近平君と協議したい」と題する公開状で、十歳年下で同じ「紅二代」の習近平氏に、中国の現状について自身の見解を述べた。羅氏によると、習近平政権は周永康薄熙来らが企てたクーデターを阻止することに成功したが、反腐敗キャンペーンは「党全体が腐敗しているから既存の方法では成功しない」という。
「全員が汚職に手を染めているとき、誰があなたに協力できるだろうか。7人の常任委員のうち、1人は支持し、1人は中立の立場にいる。しかし残りの4人は失敗を待っているようだ」と警告した。
 また羅氏は、現在の中国は信仰、道徳、環境、経済、金融、教育、医療、資源など、全ての面において「危機が迫っている」とし、「根本的な原因は中国共産党の独裁政治だ」と断言。習主席が取る次のステップとして「本気で反腐敗をするなら、順序立てて徐々に民主化へと歩むしかない」とアドバイスした。下記はその手順と羅氏の持論。

 1.メディアを解禁する▼報道の自由があれば、役人も暴露されるのを恐れて不正行為に抑制することができる。

 2.一党独裁政治をやめる▼中国にも憲法はあるが、共産党をはじめ誰も憲法を順守していない。

 3.司法権を独立させる▼文化大革命天安門事件法輪功への迫害、これら全ては憲法に違反した行為で、しかも中央が先頭に立って憲法違反をしている。

 4.選挙を行う▼選挙で選ばれた役人は簡単に不正行為できない。

 5.軍隊を国家化にする▼軍隊を政治闘争のための道具として使ってはならない。

「この5つは民主政権の基礎であるが、現在の共産党政権には一つもない。そのため独裁専制と呼ばれ、世界で最も遅れた反人間性の政治制度だ」と羅氏は指摘した。


習近平氏を「義弟」と呼ぶ羅宇氏(大紀元資料)から≫


羅氏は公開状で、習氏とは親世代から家族絡みの付き合いがあったことを明かした。「兄弟のように語り合いたいが、独裁政権下では不可能で、海の向こうから呼びかけるしかない」とつづった。

羅宇氏はかつて中国人民解放軍総参謀部に所属。当時の階級は大校(上級大佐)。天安門事件での共産党による学生鎮圧に不満を抱き、1989年にフランス航空ショーに出席して、そのまま海外に残った。1992年に当時の江沢民主席によって軍籍と党籍を剥奪された。

この公開状が発表された後、大紀元は羅宇氏に独占インタビューを行った。内容を近日中に掲載する予定≫


この記事が何を意味するのか、効力があるのかなどは今後を見るしかないが、ISも中共人民に「蜂起」を呼びかけている。
それに加えて中国高官らが1カ月で9人「不審死」を遂げている。また、元北京大学助教授が「習近平政権は民主化へ歩み」はじめているとして「中国共産党を排除すれば 習近平氏は歴史上の英雄になる」と分析しているそうだが、他方、毛沢東の失策で3600万人が死亡した「大飢饉」を暴いた作家が国際賞を受賞した。
          
軍事大国化を目指している新「清帝国」は、第2次日清戦争を引き起こす気だろうか?

どちらにしてもミリタリー・アンバランスは戦争を招くことを忘れてはなるまい。

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