軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

天気=天皇のご気分

両陛下は、ご高齢にもかかわらずフィリピンでの戦没者供養の旅を終えられきょう帰国される。
今朝の産経はこう書いた。

戦没者の碑に供花される天皇、皇后両陛下=29日午前11時56分、フィリピン・ラグナ州(代表撮影)≫


≪【両陛下ご訪比】「今回が最後とは言えなくなった」…両陛下、終わりなき旅 30日ご帰国

 【カリラヤ=大島真生】平成17年のサイパン、昨年のパラオ共和国に続いて先の大戦最大の激戦地フィリピンでの邦人戦没者のご慰霊が29日、実現した。天皇、皇后両陛下は今回の「慰霊の旅」で、戦禍を繰り返さないという変わらぬ強い意思を示された。深く深く拝礼される両陛下の後ろ姿に、日本から駆け付けた遺族が目頭を熱くしていたのが印象的だった。

 両陛下のご慰霊の旅の原点は、ひめゆりの塔事件などと呼ばれる火炎瓶事件だといわれる。(中略)
昭和50年7月17日、沖縄国際海洋博覧会開会式に出席するため沖縄を訪問した皇太子夫妻時代の両陛下が、このひめゆりの塔を参拝された際、過激派2人に火炎瓶を投げつけられたのだ。
 しかし、両陛下はその後も沖縄での日程をこなし、沖縄の人たちが日本人、米国人、軍人、民間人の区別なく、戦没者を弔った「魂魄の塔」に花束を手向けられた。沖縄訪問前、陛下は「石ぐらい投げられてもいい」と述べており、不測の事態が起こることも覚悟した上でのご訪問だったとされる。ここで改めて、二度と戦争という過ちを起こしてはならないという思いを強くした両陛下は、即位後、本格的な慰霊の旅をスタートされた。
 沖縄、広島、長崎、硫黄島と続いた慰霊は、国境を越えて続けられている。「パラオに行かれたら、もう次はないかもしれないと思っていた」と宮内庁関係者は本音を吐露する。
 だが一方で「海外でのご慰霊は、フィリピンが最後とはいえなくなった。両陛下はともに80歳を超えられましたが、ご慰霊の旅は終わりなき旅なのです」とも語る。
歓迎式典や晩餐会、国交正常化60周年記念レセプションなど、日比両国の友好親善が強く進んだ今回のフィリピン訪問だったが、友好親善に大きく寄与したのは、やはり日比両国の戦没者のご慰霊だった。
 日比の不幸な過去を振り返り、戦没者の追悼を続けることで、未来志向の両国関係を構築した両陛下の今回のご訪問。両陛下は30日、帰国の途につかれる≫
敬語の使い方に不満があるが、現代日本人は教育されていないから仕方ないのだろう。
昨日TVで実況を見たが、アナウンサーの敬語も全くといって良いほど不備だらけで、聞くに堪えないところが多く、報道内容が薄れるほどだったが、これも仕方ないのだろう。
お気の毒なのが、本人の“教養”が低く見られることであろう……品位と教養を保つ意味でも、自己研さんすることをお勧めする。



現地では、御到着を待つご遺族方は天候を気にしていたが、不思議なことに御到着とほぼ同時に雨は上がり、日が射した。
其の昔、昭和天皇御訪米時に、前日の豪雨が嘘のように快晴になったので「天皇晴れ」という言葉ができたほどだった。
我が国の国旗は日の丸である。聖徳太子は「日出ずる国…」と表現したし、天皇を昔は「天子様」とも言った。
だから「天気」とは、「天子様のご気分=天皇のご気分」を表すもので、昔から人々は天を仰いで「今日もお天気がよろしいようで…」と挨拶したものだ、と母に教わった記憶がある。
そして今回もカリラヤの慰霊碑の前で、それが再現された。


産経26面には「雨、英霊のうれし涙」「感無量、両陛下がいらしたら晴れた」と見出しにあり、ご遺族の伊藤早苗さん(75)は「感無量です。天皇、皇后両陛下をお待ちしているときは雨だったのに、いらしたら晴れるなんて。さっきの雨は英霊のうれし涙だったのでしょうね」と語っている。
わが皇室の「無私」の精神、「四方の海、皆同胞」という伝統がしからしめるものだろうと思う。
元歩兵第1連隊将校だった佐藤昇一さん(100)は、80代となられた両陛下が慰霊の旅をつづけ、平和を祈り、戦争の記憶の継承に努められていることを「ありがたい」と思い、「両陛下のお姿を見て、亡くなった戦友たちも『ありがとうございます』と言っているのが聞こえます」と語っている。おそらく50万余の英霊が、この時、天空に整列してお迎えし、感涙にむせんだ証しなのであろう…

産経は両陛下の御慰霊の旅が「今回が最後とは言えなくなった」と書いた。
昭和37年、先の大戦戦没者に対する「忘れめや 戦の庭に倒れしは 暮らしささえしおのこなりしを」という昭和天皇の御製がある。
ご心中いかばかりだったかと、お察し申し上げる。

今上陛下の旅は、その御名代としての旅であるといっても過言ではないが、先帝陛下の願いを果たすためとはいえ、広大な先の大戦の全戦域を慰霊して回られるのは物理的に限界がある。これからは、御身を御いたわりになり、靖国神社で合わせてご供養されることを切望したい。
英霊の魂は“武道館”ではなく、靖国の杜に集合しているのだから、安倍首相は、その大御心を体して、今年の8月15日には堂々と参拝してその道を開くよう切望したい。


ところで今日の産経抄子はこう書いた。

≪【産経抄】政治とカネ、民主党のあの人たちは… 1月30日

 その小さな生き物を、首相官邸の外通路で見かけたのは数日前のことだ。だいだい色と黒の明暗が鮮やかな1匹の蝶が、羽を立てて壁面にひっそりととまっていた。殺風景な真冬の永田町にあって、気持ちがわずかに和んだ。
「冬の蝶 日溜(ひだま)り一つ 増やしけり」(小笠原和男)。

 ▼インターネットで検索すると、蝶の名はすぐに判明した。成虫が越冬するアカタテハである。人工物ばかりの土地で、寒風や雨雪に耐え忍びながらやがて来る春を待っているのか。

 ▼甘利明前経済再生担当相の金銭授受疑惑と辞任をめぐり、永田町は大荒れ模様である。民主党など野党は、「これで幕引きとはいかない」と敵失に大はしゃぎだ。疑惑解明は必要だが、国民生活に直結する国家戦略、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)質疑よりも、醜聞追及を優先させるかのような姿勢には萎える。

 ▼振り返ると民主党政権時代も、政治とカネの問題は頻発した。母親から月額1500万円の「子ども手当」をもらいながら「気付かなかった」で済ませたり、在日韓国人から多額の違法献金を受けても「承知していない」とシラを切ったりした元首相らがいた。

 ▼権力闘争が本質である政治の風景は荒涼としていて、時に虚無的ですらある。権謀術数やパフォーマンスが横行し、本当のことは分かりにくい。それでも、国民は自らが一票を投じた政治家や政党に望みを託すしかない。選良たちには肝に銘じてもらいたい。

 ▼ただ、そんな殺伐とした永田町でも、いろんな動植物がたくましく生き抜いている。春には国会周辺でツクシが伸び、夏には官邸でイトトンボも見た。命の営みは、深刻ぶった政治家たちによる一時の喧噪などまるで無関係に続いている。≫


政治と金の問題は永久に解明されることはないだろう。問題はその“程度”にあるが、今回の暴露は、どうも納得できないものがある。

政界にまつわるのは“権謀術数”だが、今回は“陰謀術策”というべきじゃないか?

甘利明経済再生担当相や甘利氏の事務所側が、千葉県内の建設会社と都市再生機構(UR)の間に生じた補償交渉の口利きの見返りに、建設会社関係者から現金を受け取ったなどとする記事が週刊文春に掲載。甘利氏は記者会見し、金銭授受疑惑の責任を取って、閣僚を辞任すると表明した。≫


気が付かなかった秘書も秘書だが、今の秘書は、サラリーマン化した派遣社員風で「日銭いくら?」の世界なのじゃないか。だから、主に仕える精神は欠落しているといえる。
こんなことで国政が動くのだから情けないが、それにしても今回『仕掛けた男』の正体はなんだろう? 甘利大臣はTPPで指導的立場にあり、責任を果たした男である。

≪TPP交渉を担当した甘利大臣=インターネットから≫


いずれ週刊誌が暴くのだろうが、単独行動とはいいがたいから、裏に組織があるのじゃないか? それが外国人勢力だったとしたら大問題だろう。


≪「甘利氏を嵌めた週刊文春『禁じ手』スクープに屋山太郎がモノ申す!」(オピニオンサイト「iRONNA」)が、週刊誌報道に端を発した閣僚辞任の背景に迫ります≫には、屋山氏が、
「…甘利さんはTPP交渉を推し進めたが、もっと大きな視野で見ればTPPによって日本の市場は確実に増える。例えば、1955年に日本はGATT(関税及び貿易に関する一般協定)に加盟したが、その時は市場が広がるといって日本中が歓迎した。これは私の個人的な見解だけど、今回のTPPによって、世界のGDPの4割を占める巨大な経済圏ができるっていうのに「反対」というのは違うと思う。甘利さんはフロマン(米通商代表部代表)に怒鳴られたこともあったが、アベノミクスの柱でもあるし、国のためとの思いで必死になってやっていた。
 私が記憶している限り、今回のような「禁じ手」を使ったスキャンダルは過去になかったのではないか。現金を手渡す時も用意周到に記者が録音や撮影をするなんて、こんな露骨なやり方はこれまでなかった。スキャンダルが発覚した当初、自民党内でも「ヤラセではないか?」という疑念の声が上がったのも無理はない。…≫と語っているから、一読するとその背景が推察できる。


それにしても甘利氏は“迂闊”だった! TPPなど多忙すぎて足元を振り返る余裕がなかったからだろう。その意味ではハードな任務を担当させた安倍首相はいずれ彼に論功行賞を考えるべきではないか?と思う。こんなことが続くと、仕事をしっかり果たす大臣はいなくなるだろうから…。
腐りきった野盗(もとい!野党)連中の暴論に振り回されないよう切望する。アジア情勢は予断を許さない時だから特にそう願いたい。


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≪おなじみWiLLの3月号、1月に3月とはこれいかに?と言いたくなるほど出版が早いが、それほど懸案事項が集積しているという証拠か?

慰安婦問題は、こちらが下手に出れば出るほど、彼らはつけあがる。昨年末の“合意”はなんだったのだろう?
私は「盗人に追い銭」になるのじゃないか?と気にしたが、蒟蒻問答で、堤、久保両氏が「10億円は朝日が負担しろ!」と正論を吐いている。
慰安婦問題も、南京問題も、実は朝日が捏造したことは既に証明されている。
仲間から送られてきた次の映像を見れば一目瞭然だろう。≪拡散希望≫とあるからご参考までに紹介しておく。
「背乗り 吉田清治 - YouTube

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