軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

“怪奇現象か?”と見まごうばかり…

3月10日、今朝は奈良市の友人からこんな便りと写真が届いた。
明治38年3月10日未明、風塵荒さむ奉天城頭に精鋭熊本第六師団の先鋒が突入し・・」と明治の戦史にでてきます。
奉天占領のこの日が、にちに「陸軍記念日」となりました。祝 日露戦捷!


ところでこの数日、19日に予定しているUFO講演会の準備で資料を整理していたからか、改めて新聞記事を手に取ってみて驚いた。自分の方が軽度?の認知症になったのか、と報道内容に違和感を覚えたのである。
まずこれだ。
 

1、【広島中3自殺】
ずさん管理また発覚…本当の「万引記録」、自殺生徒の誤記録と同じサーバーに保存…間違って使用か
広島県府中町の町立中3年の男子生徒=当時(15)=が、誤った万引記録に基づく進路指導を受けた後、昨年12月に自殺した問題で、実際に万引した生徒の名前を記載した生徒指導報告書が校内のサーバーに保存されていたことが9日、分かった。

担任は同じサーバーに保存されていた誤った方の記録を使用していた。正しい記録もあることは知らなかったとみられる。正誤2種類の文書を共存させるずさんなデータ管理が、誤った進路指導の一因となった可能性がある。

教育委員会によると、担任が使用したのは校内の生徒指導会議用の資料で、自殺した生徒が万引をしたと記載。一方、生徒指導報告書は学校側が町教委に提出するために作成、実際に万引した生徒名が正しく記載されていた。

昨年11月、中3を担当する教諭の一人が、生徒の非行歴を調べるため、サーバーから誤った方の資料を入手、男子生徒の担任にも渡した。

この資料は、平成25年10月の生徒指導会議で生徒名が違っていると指摘があり、紙の資料は訂正したが、サーバーの元データを修正していなかったことが既に分かっている。

同校は、非行歴を進路指導の参考にしていたが、確認のためにどの資料を使うべきか、などの手順を定めていなかった。坂元弘校長は「使うべきではない資料を使ったのは大きなミス」と話している≫


これが青少年を健全に育成すべき教育者の実態なのか?
それとも反戦平和の“広島県”だけの特徴なのか?

ズサンを通り越して無責任極まりない。とても親が安心して子供たちを任せられる組織ではない。
教育者は人生経験に乏しい子供たちを、自分の経験から“善導”すべき立場にあるはずだ。
仮に過去に万引きの経歴があったにせよ、立ちなおさせるように導くのが教師ではないか。それが今度は初めから更生不可能と決めつけて罪人扱いしていることが許せない。しかもそれが「誤情報」によるというのだから全く持って許し難い。一連の関係者らはどう責任を取るつもりか?
校長も教育委員らの表情からも、全くその責任感が感じられないのが異常だ。私の“幻覚”なのだろうか?


2、「プロ野球巨人の現役3選手が野球賭博に関与していた問題」
≪巨人軍の高木京介投手(26)が新たに賭博に関与していたことが発覚。清原容疑者逮捕に続き、プロ野球界に再び衝撃が走った…。≫


若いころからちやほやされ、巨額の収入を手にする立場になると、己の立場を見失うのが人の常だが、そんな未熟な青年らを“善導”するのが大人たちの務めであろう。
しかし球界随一の“名門”である巨人には全くその気風が感じられない。どこか「ゆるい」のである。組織を取り仕切っているのが政官界の“大物”だからか、選手獲得も一方的とのうわさが絶えないが、それがこの有様だ。

野球ファンの青少年たちの夢を食い物にしたという点では、広島の中学教師らと同じく罪が重いというべきだろう。


ところがこの記事を『朝日新聞』で読んで驚いた。記事の見出しにはこうあったからだ。
「巨人の野球賭博」≪甘い調査、期待できない自浄能力…≫

慰安婦問題や南京“虐殺”問題では、全く「自浄能力が欠如」しているこんな新聞社から、“読売”巨人軍も言われたくはなかっただろうに。
≪ヌケシャーシャーとよく言うよ!≫と切り返せないのが辛そうだ…。
愛読紙の産経は「野球賭博と巨人 当事者能力に欠けている」として「ファンや球界に対する最悪の背信行為である。これで事件の幕引きとはいえまい。徹底調査や厳正な処罰を抜きに、再発の防止も信頼の回復も図ることなどできない」と書いたが、この方が適切だろう。


3、【高浜3、4号機差し止め】
産経は「視点・またもやゼロリスク求める異常さ」として、こう書いた。
 
≪高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定によって、稼働中の原発が司法判断で初めて止まる“異常事態”となった。
今回の決定は、昨年4月に再稼働前の同原発3、4号機の運転差し止めを命じた福井地裁が、100%の絶対安全という不可能な「ゼロリスク」の実現を求めた姿勢と軌を一にするものだ。

原発の安全性判断には高度な専門知識が必要になる。それゆえ専門家集団の原子力規制委員会が安全性を厳しく審査。関電も原子炉の冷却システムなど何重もの安全対策を講じ、高浜原発は1年半以上かけて「世界一厳しい」とされる新規制基準に合格した。

しかし決定は新規制基準にも疑念の目を向けた。災害が起こる度に「想定を超える」災害だったと繰り返されてきた過ちに真摯に向き合えば、常に危険性を見落としている可能性があるとの立場に立って十二分の余裕をもった基準にすべきだ-と。一見正しい理屈だが、安全性確保に向けて超えるべき明確なハードルを示したわけでなく、どこまでも裁判長の「主観」でしかない。「脱原発ありき」といってもいいだろう。

昨年4月の福井地裁決定は異議審で覆った。今回の決定に対し関電が今後申し立てる異議審でも、最新の科学的知見を踏まえた理性的な審理を求めたい。(桑波田仰太)≫


裁判官の「厳格さ」には舌を巻く以外にない。科学に「完全性」を求めることは土台無理である。
私が3800時間乗った戦闘機も、「絶対に墜落しない」ものではない。そうならないために、普段からパイロットも整備員も、関係部署が一丸となって「安全」を追求するから、墜落を免れるのだ。
どんなに近代的な製品でも、所詮は人間という“生臭い生き物”が作るものである以上、いつかは故障するものだ。
唯、原子炉事故は万一の場合の被害範囲が大きいから、さらに入念な点検が欠かせないだけだ。
この判決を下した裁判官が、自家用車の免許を持っているかどうか知らないが、車だって故障するし、完全無欠な裁判官が運転していても、時にはハンドルを切り間違えるはずだ。

それほど完全性を求めるのなら、昭和46年7月に起きた「雫石事故」にも適用してほしかったと思う。あの判決文を読んでみるがよい。
地上の裁判官に、空中という3次元の動きが理解されないにしても、常識で理解できたはずだ。民間機の方が「追突」したのだから。それを無理して自衛隊の責任にして幕引きを図ろうとするから奇妙な冤罪判決になり、最後はうやむやのうちに消滅したのだ。
3次元の世界に疎い国民の多くも偏った報道で知るだけだから、「そんなものかな〜」程度の理解で終わったのだ。


JR東海の「認知症老人死亡事故責任問題」も突き詰めればおかしいといえる。なぜ重症の認知症老人が厳重なはずの改札口から駅構内に侵入してホームに降り、さらにそのホームから降りて、普段は人が立ち入れないはずの線路に降りたのか? JR側にミスはなかったのか? JRは人手不足だから、監視体制が緩んでいたとしか思えない。
しかしこの裁判で地裁と高裁は、遺族側の責任にして高額な賠償金支払いを命じた。
最後の砦であった「最高裁」で判決は覆ったが、資金難と良き弁護士に恵まれない一般人であれば、とうの昔に諦めて全財産を没収されていたことだろう。今回は、一部メディアが言うような最高裁の「大岡裁き」ではなく、当たり前の常識的判決だったのだ、と私は思っている。


最後に「責任問題」という点から、次の記事を紹介しておきたい。
政治家の“犯罪”は、田中角栄以降、なぜ追及されないのか?という疑問が起きたからである。


4、【阿比留瑠比の極言御免】
原発事故「班目マンガ」の衝撃 拒絶反応から顔の描けない登場人物って… 当然あの人!?

≪一読、ここまで赤裸々に実態を明かしていいのかと衝撃を受けた。原子力安全委員長として平成23年3月11日の東電福島第1原発事故対応にかかわった班目春樹氏が、インターネット上で公開している自作マンガのことである。事故当時の菅直人首相をはじめ官邸政治家らの無責任で場当たり的な言動が、班目氏の目に映ったまま実に率直に描かれている。

顔のない人物

マンガは4コマの連作で、登場人物がどの政治家なのかは似顔絵でおおよそ判別できる。だが、その中で顔が描かれていない人物が1人いる。

「当時、官邸にいた政治家たちの中で1人だけ拒絶反応がある。一番会いたくない人であり、たぶんトラウマになっているようで似顔絵を描けません」

班目氏に聞くとこんな心境を明かし「マンガはこっそりと出しているもので、私の鬱憤のはけ口のようなものです」と語った。記憶が飛んでいる部分もあるので事実だと主張するつもりはないとのことだが、読み進めると、この顔のない人物の立ち居振る舞いの異様さ、危うさが実感できる。

たとえば事故発生翌日の12日朝、第1原発の視察に同行した際には、炉心溶融メルトダウン)への懸念を伝えようとする班目氏に対し、顔のない人物が「質問にだけ答えろ」と遮り、原発各号機の出力などやたらと細かいことばかり質問する場面が出てくる。

また、この人物が緊急時にもかかわらず、「ところで東工大にも専門家はいるか」と自身の出身校の学閥にこだわったことと合わせて「そんなこと知ってもしようがないだろ!」「なんだ! この質問は!」などといらだつ班目氏の「心の声」も書き込まれている。

12日午後、官邸内で開かれた会議で、1号機への海水注入が協議されたエピソードも出てくる。

これに関しては、産経新聞が以前、菅首相が「海水を入れると再臨界するという話があるじゃないか」と怒鳴っていたと書いたところ、菅氏は「あり得ない話だ」と否定した。だが、班目氏のマンガには顔のない人物がこう怒鳴る姿が描写されている。
再臨界の可能性があるのに海水注入なんかできるか!」

班目氏がある官邸政治家に「総理はすぐ怒鳴り散らしますね」と言ったところ、この政治家が別の首相補佐官を示してこう述べるシーンも印象的だ。

「あの人なんか怒鳴られ役として補佐官やっているくらいだから」

ひどい正当化

さらに、15日未明に菅首相が東電の清水正孝社長(当時)を官邸に呼んで、福島第1原発からの全面撤退を止めたという「都市伝説」も明確に否定している。官邸政治家らが緊張の面持ちで見守る中、清水氏が「撤退などしません」とあっさり述べる姿を描いた作品のタイトルでは、こう強調されている。

「総理が撤退を止めたということは絶対にありません」

この後、菅首相が東電本店に乗り込んで「撤退などしたら東電はつぶれるぞ」とぶった大演説に対しては、班目氏は手厳しく次のように指摘している。

「怒りをぶつければ人は動くと思ってる人を総理にしちゃダメでしたね。聞いた者の心を傷つけ、まったく共感を呼ばない史上最悪の演説だった」

マンガを通じ、当時の官邸の右往左往ぶりと、その後の自己正当化・美化のありようを改めて思い出した≫


漫画を掲載できないのが残念だが…


鶯の声を聴きながら、この国の社会は、平和で穏やかな空気に満ちている、といい気分になっていたが、実は日本社会は“怪奇現象”だらけであり、自分の方が認知症かと見まごうばかりだった!という私の感想まで。

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自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

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