昨日に続いてやむなく“政治評論”を書く。
というのは昨日は自民党の内紛で「トンビに油下をさらわれるぞ」と警告したつもりだったのだが、なんとトンデモ“トンビ”が名乗りを上げたからだ。
メディアは彼と仲間内だからか、面白おかしく“ワイドショウの場外編”で盛り上がっているが、今朝の産経記事を見てやはり…と危惧せざるを得なくなった。
過去の東京都知事は、長期政権を担当した石原氏が4期目で投げ出した後、その後任に猪瀬直樹氏が選ばれ東京五輪招致を成功させたものの、政治資金提供問題で辞職、その後、例の北九州出身の政治学者・舛添要一氏が選出された。
しかし、例の多額の公費乱用や公私混同“事件”が明るみに出て追及され、政権にしがみつこうとしたものの、大方の都民(国民)の失笑を買って辞職した。
今回はその後釜を選出する選挙なのだから、前例を猛省し、2度と同じ愚を繰り返さない決意で都民のため、税金の無駄を省く施策を重視する候補者を選ぶべきにもかかわらず、そんな都民の願いよりも旧態依然としたメンツと特権を重視する既成政党が支持する候補者が選ばれるという、前回のあきれた都知事の行状とは無関係な、自分勝手な主張をする候補者選びが現出している。
そんな中で飛び出したのがジャーナリストの鳥越氏(76)だから、巷の格好の話題になったが、彼はご高齢(私と同年)であるうえ、癌で療養中で体力が気がかりだとか言われている。
しかし、そんな個人的な理由よりも、彼が都知事に立候補する最大の動機が「改憲阻止」だというから、まるで国政選挙に出るつもりか?と都民の期待と意思を無視するかのような態度には怒りと驚きを禁じ得ない。
都民も国民の一人だから当然憲法に関心は持っているが、その前に、前回、前々回の都知事がいかに堕落していたか、とりわけ舛添前知事のように貴重な都税を浪費できないように制度を改革し、日本の首都としての名誉を挽回して東京を健全な首都に回復してほしいと思っているのだ。
その意味では≪改憲阻止≫よりも『健全な都政の復活』が願いだというべきだろう。都民を愚弄するにもほどがある。
今朝の記事を読んで、私は20年前の沖縄の混乱を思い出す。
当時の沖縄県知事は「学者」であったから、県庁職員らが彼を“神棚”に飾って、県政では県の幹部らが実質的な反日活動を推進した。そしてその有力な手段は16万部程度の販売部数しかないエキセントリックな現地の“2大紙”であった。
勿論教職員もこれを支持して平然と日中から活動し子供らを指導したから、学校教育は惨めなものとなり、子供たちの精神は蝕まれた。
心配した親は、学校よりも学習塾に通わせることに熱を入れたものである。
このようにとにかく彼らは「反米デモ」に血道を上げたが、その結果沖縄の現状はどうなったか。
勿論その背景には、当時の橋本首相の無知があったし、金で黙らせようとする不健全な政府の対応に、県民の多くが不快感を示していたのも事実だが、その結果大多数の、本質的には先祖を敬い穏健である沖縄県民の融和が失われ、人心は分裂状態になってしまった。
今やその隙をついて“外国勢力”が忍び込んできて意のままに沖縄県政を牛耳っているではないか。
それは県知事が「県政」よりも、己の分を忘れた安全保障という「国政分野」に血道を上げるようになったからである。つまり“県”知事が「県民の生活と安寧確保を無視した」からだ。
今朝の産経記事を読む限り、彼は意図的にまるで東京を「第2の沖縄」にして混乱させその轍を踏ませ“どこかの国に貢献しよう”としているかのように見える。
彼の最大の目標が「安倍政権打倒」である上、都民に対する「ちゃんとした公約」は準備不足でまだ立てていないという会見内容がそれを裏付けている。これではあまりにも都民に対して無礼であり、無責任だろう。
戦後民主主義下の選挙は、知名度優先であり、そのためにはメディアという媒体を最大限に活用する風潮が固定してしまったから、大阪の「パンパカパ〜ン知事」や宮崎の「芸人知事」、兵庫の「号泣議員」などが選出されるのだ。
一面、県民の民度がよく表れているように思われ、地方自治体の「選良」の名が聞いてあきれる現象が続いている。
明日が告示だから、その後は選挙評論は控えるが、都民の健全な良識ある行動を期待したい…
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