軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

国内問題から目をそらす気か?

23日、靖国会館で講演した。境内は、夏休みとあって、若者たちが目立ったが、とりわけ神前で真剣に参拝している姿に感動した。
今年の8月15日も、総理大臣は真榊でごまかす気だろうが、青年たちには英霊に対する心構えが育ちつつあると思われる。
戦後教育の最大の欠陥は「大人たちの教えざるの罪」にある。
尤も今の“大多数の大人たち”には知識と勇気とモラルが欠如していて、青年たちの模範にはなり得ないだろうからやむを得まいが…。

今回の国防講座は「核問題」だったせいか会場はほぼ満席になった。関心の高さがうかがえる。
そんな中、18歳の男子高校生と22歳のかわいらしいOLに質問を受けたから、老兵のやる気スイッチもONになった!
特にOL君からは「東シナ海の中国機の異常接近」について「ロックオンはあったのですか?」と言われて驚いた。

この件については発売になった[WiLL]9月号(後ろにPR)で潮君と対談しておいたからご一読あれ。


さて、南シナ海問題だが、ASEANは25日に外相会議の共同声明をまとめ、何とか「結束」したことを演出した。しかし、仲裁裁判所の裁定には触れられなかったので、シナの外相はメンツが立った!と喜んでいるらしいが、加盟国間には大きなしこりが残った。

典型的な大陸国であるシナが、儲けた?金で海空軍を増強し、他国の海域を侵略して基地を造成しているが、不慣れな海洋に進出するのは後顧に憂いを残すのではないか? 老婆心ながら、おやめなさいと言っておきたい。
皮肉なことに海洋に進出した途端、肝心の大陸内では各地が水浸しになっていて、多くの人民は住まいを失い、無能な共産党に強い怒りと恨みを持ち始めているから、今後の国内治安の悪化は、避けられそうにない。

すでに多くのネットメディアは被害状況を報じていたのだが、遅ればせながら産経が取り上げた。それほど被害が大きかったという証明だろう。


「中国河北省の洪水で市長が異例の“日本式謝罪” 国内で広がる反響 」
≪【河北省●台市(中国北部)=西見由章】豪雨による洪水被害で25人が死亡、13人が行方不明となった河北省●台市の董暁宇市長ら市幹部は23日夜、記者会見を開き、対応に不手際があったとして謝罪した。中国メディアが報じた。中国の現職の行政幹部が謝罪するのは極めて異例だ。
 「人民の生命と財産の安全を守ることができず、深い自責の念とやましさを感じている」。董氏はこう謝罪した後、6人の市幹部とともに深く頭を下げた。
 中国共産党による一党統治は、過ちを犯さない「無謬性」が前提だ。昨年、多数の犠牲者を出した天津の爆発事故や広東省深セン市の土砂崩れでも後に担当者の責任が追及されたものの、現職の市幹部が謝罪する場面はなかった。
 中国のネット上では、董氏の謝罪への反響が広がっている。「役人の大きな進歩だ」と評価する意見のほか、「謝罪だけでなく行動も『日本式』にしてほしい」と注文をつける声も相次いだ。
 大きな被害が出た同市大賢村の住民の多くは、ダムの水の放流が洪水を招いたにもかかわらず事前に何の連絡もしなかった「人災」と認識している。市側は洪水の原因は人為的なものではないと否定したが、不満の高まりを受けて謝罪に追い込まれた格好だ。
董氏は会見で、市側の落ち度として豪雨に対する予測が甘かったことや災害対応が遅れたこと、被害統計も不正確だったことなどを挙げた。市側は担当者の責任を追及する姿勢も示しており、董氏自身もその対象となる可能性がある≫


隠しおおせなくなったためだろうが、共産党幹部が謝罪とは珍しい。
どんな被害が出ているのか、報じられた画像を掲載しておこう。


遼寧省瀋陽で、冠水した道路を走る水上バイク!(共同)」


大紀元日本24日によると、「7月18日から2日連続の集中豪雨により、河北省邯鄲市周辺の県、町、村に甚大な被害が見られるほか、連絡の取れない多くの地域が孤立無援の状態に置かれているという。(ネット写真:以下同じ)」







「7月上旬に中国南部を襲った水害に続き、18日には中国北部の多くの省が連続的な集中豪雨により広範囲の被害を受けた。河北省邯鄲市周辺の県、町、村に甚大な被害が見られるほか、多くの地域が連絡が取れず孤立無援の状態に置かれている。被災者の数は相当数とみられているが、当局は死傷者情報も含めた正確な人数を把握しきれていない」と記事にはある。


21日には、「中国北部豪雨で75人死亡・不明、北京で過去最高降雨量観測』と報じられていたが、
≪中国民生部が20日に発表した統計によると、18日から猛烈な雨に見舞われた中国北部の、北京市、河北省、山西省河南省甘粛省など6の省と35の市と131の県で、173万人以上が被災し、75人が死亡・行方不明となった。

 中でも北京市の降雨量は観測開始以来最大となった。北京市政府は今年初の洪水警報を発令した…。≫
とされていた。





「7月18日中国北部が豪雨が見舞われ、75人が死亡・行方不明となった。20日北京市では過去最高降雨量を観測した。冠水した北京市内の様子(ネット写真)」

ところが25日夕方の大紀元日本は、「北京豪雨、故宮内に深刻な冠水なく 市民は600年前の排水技術に感心」と報じたが、
≪インターネット上では、多くの北京市民は昔の建築技術の高さに感心し、現在の排水技術の低さを嘆き政府の管理に疑問視したコメントが寄せられた。

「豪雨でも深刻な冠水は見られなかった故宮(ネット写真)」

 「昨日故宮に行ったけど、あれほどの大雨なのに、故宮の中を歩いても冠水はそれほどなかった。でも故宮を出で、少し歩いただけで靴がすぐにびしょ濡れになった」、「昔の人は排水システムを重視し、それを作るのに良い材料を選ぶようにしていた。われわれの代になったら、洪水などの防災設備はめちゃくちゃで、利益のために何も顧みないようになったのか?」、「昔は手抜き工事をしたら、首をはねられた、だが、今やあちこちで手抜き工事をしている。人の心は悪くなったし、道徳も低下している。天災人災が絶えずに現れる。われわれは災難の中で苦しみをなめている」≫


愈々現指導部の指導能力の低さが話題になりだした感があるが、現指導部は“文化大革命”時代に青春を過ごしている者がほとんどだから、設計図も引けず、計算は金しかできないのだろうという。
おまけに軍の最高トップは汚職まみれでついに終身刑が下される有様で内部は四分五裂だ。

そんな内部の腐敗混乱から人民の目を「外に」そらすために、これから指導部はなりふり構わぬ行動に出そうだから、用心に越したことはない。
同盟国の米国も、今はそれどころじゃないし、次期大統領は「内向きの政治に没頭」するようだから、やはり自分の身は自分で守る以外にないのだ。

そのうちにわが国でも都知事選の大失態も加わって、ここでも陰湿な犯人探しにうつつを抜かし責任を回避しようとする輩が出そうな気配だから、とても【前向きに前進!】などという掛け声は信じられそうにない。

その意味では、今の世界中の指導者たちには、わが国も含めて人格も指導力も期待できないということか…。
シナほどではないにしても・・・。


次は仲間から寄せられた「戦史検定」に関するPR。

届いたメールにはこうあった!
「本年も11/20に「戦史検定」を開催いたします。
戦史検定
http://www.senshikentei.org/

運営スタッフは全員ボランティアで検定の収益はすべて「戦没者慰霊碑の保全費用」に寄付します。

そのため、恥ずかしながら広告予算もありません。是非ぜひ、先生のブログでご紹介ください。8/1〜受付開始です。ご寄付と思って「力だめし」をしていただきたし!」

何卒何卒よろしくお願いいたします。(最敬礼)」

若者たちの力試しに期待したい!

届いた本のPR
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WiLL 9月号:私と潮君の対談も出ているのでご覧あれ!


航空情報誌9月号
特集の「アジア諸国の航空戦力」もいいが、AIR TATOO 2016、CVN−74ジョンステニスなどのグラビアが素晴らしい。

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