軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

豊洲市場を水俣病化するな!

小池都知事はよく頑張っている!ともっぱらの評判だが、10日に「安全性の大前提が変わってくる」として「豊洲市場の盛り土不備問題」で緊急会見を開いた。メディアは一斉に取り上げたが、報道内容には驚くことばかりだ。


都が開いた安全性に関する専門家会議の結論を、勝手に無視して設計を変更したり、盛り土を誤魔化して肝心の建屋の下に空洞ができていたり、出るわ出るわ、嘘で固めた移転計画の凄まじいばかりの無責任情報である。

「嘘つきは泥棒の始まり」とは子供の頃よく両親に聞かされたものだが、この論法で行くと、都庁の職員も議員もみんな“税金泥棒”だった!という事になる。


私は現役時代、北は青森から南は沖縄まで勤務したから、地方議会の内情はある程度理解しているつもりだが、それにしても日本の首都がこれほど腐敗しきっていたとは思いもしなかった。
小池知事誕生までの経緯を見て「いや〜地方どころか首都東京も腐りきっているな〜」と慨嘆したものだがそれは当たっていた。

幸か不幸か、マスゾエ問題が起きていなければ、こんな不都合な真実は闇の中にしまいこまれて、一切都民の目には触れなかったことだろう。

何と一部の傲慢な連中に貴重な税金を支払っていたものか…と嘆かわしくなる。

インターネット上にはこの問題で賛否両論が展開されているが、最近は移転支持派がめっきり減ったのは、あまりにも凄まじいダーティな利権争いが展開されていたことが明るみに出たことと無関係ではなかろう。


豊洲新市場の土壌汚染はどのくらい深刻なの?」という記事には、「一連の調査結果からは、少なくとも現時点において大きな問題は発生していないとの結論になる。追加調査を行った場合でも、その結論は大きくは変わらないだろう」と土壌汚染の危険性についてなんとなく「都が提出したデータ」を基に基準が満たされているかのように解説されていたが、それでも最後には「築地移転問題の本質とは?」と題して、

≪では、豊洲への移転問題はなぜこれほど紛糾するのだろうか。その理由は、移転までのプロセスにあると考えてよい。全てが移転ありきで話が進んでいた印象は拭えない。東京都が作成したパンフレットを見ると、現行の築地市場を使用しながら再整備するというプランについては、「工事期間中に利用者の築地離れが起こる懸念があるため不可能である」と結論付けている。

だが本当に不可能であるならば、1980年代から何度も築地の再整備計画が持ち上がっていたこととの整合性が取れなくなってしまう。こうした移転ありきのスタンスが、一部の都民の反発を誘発し、それが環境問題にエスカレートしたと考えた方が自然だろう。

都が行った環境調査の結果が正しいものならば、築地移転問題の本質は環境問題ではなく、意思決定とコンセンサスのプロセスという政治的な部分にありそうだ≫としている。(ITmedia ビジネスONLiNE )

つまり、小池知事が常々問題視しているように、肝心な情報が都から適時適切に公開されてきていなかった、と認めているのである。

なぜそうなったのか?が問題だが、それは初めに「移転ありき」で進んだ背景を調べないとわかるまい。
巨額の金が動いた背景には何があったのか? 誰が一番得したのか?
当時の“排気ガス問題を解決した”環境維持派の知事はなぜ汚染にまみれた地区への移転を決断したのか?
彼もまた、都議会、都の職員らに“丸め込まれて”決断したのだろうか?
あれほどの大物であるから、にわかにはそう思いたくない…。

築地から豊洲への移転の陰で、何がどう動いていたのか?それを策謀したのは一体誰なのか? それが前回の都知事選で浮き彫りになってきたのは間一髪ではあったが、都民としては非常によかった。数年後に「第2の水俣病」でも発生したら取り返しがつかなかっただろう。どうせ誰も責任は取らないからだ。
それにしても今までかかった、巨額の費用は、いったい誰がどう計算して、適切である!と判断して議会に報告し、執行されたのか?


薄暗かった闇が、ほのかに見え始めてきた。都民は今までこんな闇社会に利用され続けてきたのだ。声なき声の怒りが聞こえてくるが、よく見張っていないと日本社会ではいつの間にか[ウヤムヤ]にされて終結しかねない。


70年余前、日米開戦直前にワシントンの日本大使館員は、緊張感を欠いていて、電報の14部が届いていたにもかかわらず、宴会に出かけていて機を失し、密かに暗号電報を解読していたルーズベルトの罠に、まんまと引っかかり、「卑怯なだまし討ち」にされたのだったが、終戦後、一応調査されたものの「ウヤムヤ」にされ、その後驚いたことに“戦犯たるべき幹部職員ら”は事務次官天皇の御用掛、大国の大使に出世して全く責任を取ることはなかった。
ただ一人当時総領事であった森島守人氏だけが戦後告発したものの、これまたうやむやにされて左遷されている。そしてその罪のほとんどは東条英機を筆頭にした軍人にかぶせられたから国民は悪いのは軍人だ!と思い込まされてきた。

その意味で大東亜戦争の真実は、日本国としては未だに解明されていないし、戦争の反省はされていないと私は信じているのだが、官僚や政治家らの中には終わっていると勘違いしている者もいる。


今回の騒動では、このような無責任で悪質な利権争いを見逃してはならないだろう。

小池都知事は、緊急会見の質疑応答の中で、
「まず、4・5メートル。2メートル足す2・5メートルやってきましたと言っていながら、建物の下の部分が抜けているというのは、まさしく間違った公開の仕方、情報だと思います。ここは真摯に反省をしながら、このような間違った情報を与えるなどということは、都政に対しての信頼を回復すると言っていることと、逆行するわけでございますので、この豊洲市場問題のみならず、全都庁の職員に、この点について、当然のことというか、あまりにも基本的な話なのでございますけれど、改めてそのことで粛正をしていきたいと、このように思っております」

「…でも、私はやはり、あくまでも当局が責任をもってこの問題をクリアにしていかないと、同じようなことが、この部署だけでなくて、自分たちで自分たちのことを説明できない都政というのは、それはダメだと思うのです」

「ですから、そのことを含めて、東京大改革ということで、私は進めていくというのが、私が都知事に選ばれた最大の役目ではないかと思っております。つまり、これまでの延長線で、なあなあで、なあなあと言ったら前の方に失礼なのですけれども、これまでどおりの延長線ではいかないということを、私は宣言しているわけでございますので、そのために必要なことをしていきたいし、何よりも職員の方々にも、是非、意識改革ということをしていただきたい、このように思っております」
と語っているが全く同感である。“犯人”を必ず[粛清]し「総括」してほしい。
今まで「なあなあ」の世界にとっぷりと漬かって、うまい汁を吸い続けてきた者たちは、次期都議選が待っているから気が気じゃあるまい。
ようやく目覚めた有権者も、この騒動の行方を見守り、不適切議員を排除するよう行動しなければ、首都東京からは何時までもうまい汁に集るハイエナのような【なあなあ】議員の排除はできないだろう。

小池知事には巨額の税金の流れの解明に取り組んでもらうとともに、第2、第3の水俣病の犠牲者を東京から出さないようにしてほしいと期待している。


今日は届いたシナの内情については2点だけ掲載するにとどめておく。


≪習主席らから誕生日祝いを受けた江沢民氏は、8月30日に突如上海の自宅で体調を壊し、緊急入院した。習主席は直ちに常務委員の代表として張高麗を上海に差し向けようとしたが、ウズペキスタンのカリモフ大統領が死去したので張はウズペキスタンに飛んだ。江沢民氏の病状は「中風」で、安定しているというので変更されたものだが、北京では90歳の高齢患者だから、どこまで回復するのかに関心が深まっているという≫


≪「習近平はまだ未熟であり、江沢民が未だに軍の権力を握っている」
ウォッチャーはニュースで流れたこの写真から、今度の軍事改革で、習近平主席は表面上だけで、実権を握っていないと推定している。
総政治部副主任・賈迋安上将(写真右:江沢民の腹心)が中央軍委政治工作部の臂章をつけている。その左が杜恒岩上将で、江沢民派は依然として要職についているからだという≫


≪その中国の経済状況をニューズウィーク(日本語版)が表紙に掲げている。非常に興味深い・・・≫



≪そのニューズウィークは、ノーベル賞経済学者にヒラリー評を書かせているのだが、それにしてもヒラリー女史も寄る年波には勝てないようだ…。
女史は9・11式典中に体調を崩して中途退場したらしく、健康問題を抱えているともっぱらの噂だ。巨額の資金を提供しているシナは焦っているだろうな〜。トランプ氏が大統領になれば、すべてはパーになるのだから…。
南シナ海オバマ政権の間に取っておこうという算段だろうが、クリントン女史も危ういとなれば…尖閣も危うくなるか?≫


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やっと日の丸が付いたか…。
南シナ海全域に及ぶ中国エアパワー」は必読。
やがて「東シナ海」もそうなるかも知れないのだから…


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法研究会会長の近作である。敵も知らず、己も知らずに大ぼら吹いているわが政治家の皆さんに読んでもらいたいものだ。

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