軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

トランプ政権、いよいよ始動!

世論を二分?しているというトランプ氏がいよいよ第45代米大統領に就任する。これで今までのような、偽善的社会はトーンダウンするのじゃないか?
何度もここに取り上げたが、米国の“リベラルたち”は、どこか中華思想に似た行動をとる。
例えば、ルイス氏である。
キング牧師公民権運動をすすめたルイス下院議員は、トランプ氏を《正当な大統領としてみていない》と発言し、就任式を欠席すると語った。
彼にとっての「正当な大統領」とはいったい誰なのだろう?自分に都合の良い人物しか、認めないというのであれば、これは専制主義だろう。


意見は違っても、互いに存在を認めたうえで議論するのが、“米国式”民主主義ではなかったのか?それとも公民権運動者とは、それを認めない人々の集まりなのか?

自分以外の存在を認めない代表者は隣国のシナであり、彼らの行動は「中華思想」として有名だ。オバマ政権でシナに深入りしすぎたせいか、米国までもが中華思想に染まったのか?


「リベラルたちの背信」の著者、アン・コールター女史は、結びで「なぜ彼ら(リベラルたち)はアメリカを嫌うのか」として、「彼らの原動力は文明への憎悪である」「リベラル派は、自分たちが神だと思っている」と結論付けている。

そういえばルイス下院議員の発言もそれに似ている。彼らは「神」なのだ!

就任式には現役の民主党議員らのほとんどが欠席するといい、式場外ではデモを仕掛けるという。どうせ不法入国者たちを有り余る金の力で動員するのだろう…。


いずれにせよ“外国”の政治上の出来事だから日本人とは無関係だが、責任は米国民にあるのであり、トランプ氏を選出したのも彼らだという事がわかっていない。投票数ではクリントンが勝っていた、などと未だに強調するメディアもいるが、選挙制度を作ったのも自分らじゃないのか?

こんな、気分次第でどうにでも“民主主義”を変更する(できる?)国民とそのメディアにはあまり深入りしない方がいい。

黙って新政権のスタートを注目すべきだろう。どうせ我が国の有識者たちの“占い”事は「当たるも八卦、当たらぬも八卦」なのだから。


ところで、降ってわいたような珍事が起きた。
19日の産経が、3面で「アパホテルが客室に『南京大虐殺』否定の書籍を置いていると中国が非難した」と報じたのである。
共産党大会を控え、経済も苦境、人身も離れつつあるから愛国心をあおろうという魂胆なのだろうが、おそらく人民の関心を外に向けさせるための手段なのだろう。


部屋に置かれているのはアパグループ元谷外志雄代表のエッセーをまとめた本だが、日本史から外されている“真実”を追求したもので、南京大虐殺こそ、朝日新聞のねつ造による虚構であり、否定されて当然のものである。内政干渉も甚だしい!


2000年9月、岡崎研究所の一員として北京の社会科学院で日中安保対話に参加した時、彼らは開口一番これらを非難したから、私は彼らに「真の歴史を勉強するよう」“助言”し、「お国には国定の歴史書しか存在しないだろうが、日本に来れば自由に本が読める。もっと勉強しなさい」と諭すと、彼ら(特に若手女性研究員=実は陸軍中佐)は猛烈に反発してきた。
とにかく討論にならないから、怒った私は「大東亜戦争ははっきり言って貴国の軍に負けたのじゃない。残念だったが米軍に負けたのだ。そこで天皇の命令で勝っていた日本軍が武装解除に応じたのだが、それも中国の共産軍ではない。国民党軍にである。
そこで得た日本軍の武器で共産軍は国民党軍を追い出して大陸を統一したのじゃないか。感謝されるならいざ知らず、文句言われる筋じゃない!」というと、彼らは“破裂音”を連発させて喰ってかかってきた。
司会していた研究所長はさすがに無言だったが、出世を意識した若手研究者は罵詈雑言を浴びせてきたから、ついに「そこまで言うのなら、もう一度戦争して決着をつけるか!」と“諭した”モノである。
あの国の研究者らは、相手がおとなしいと見れば嵩にかかって食ってかかる“悪い癖”がある。しかし今回の彼らのクレームに対して元谷氏は決してひるまないだろう。

歴史の事実は彼が言う通りなのだし、ましてやアパホテル国営企業でもない。
政府が何と言おうと圧力をかけようとも応じまい。
現に「同社は『特定の国や国民を批判するものではなく、あくまで事実に基づいて本当の歴史を知ることを目的としたもの』と説明、そのうえで『日本には言論の自由が保障されおり、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならない』との考えを強調した」と記事にはある。

更に産経によると、≪新華社の女性記者らが新宿のアパホテルに潜入、「右翼思想宣伝に全力」と批判≫という。
わが国内には新華社はじめシナの報道機関が多数入り込んでいて、積極的な情報活動を行っているのだが、
≪中国外務省が日本のアパホテルに対し、「南京大虐殺」や「慰安婦強制連行」などを否定する書籍を客室に備えたと批判している問題で、国営新華社通信は18日、女性を含む複数の記者を東京新宿区のアパホテルに派遣して“潜入取材”を行い、「実地調査、怒りの上にまた怒り」と題する映像ニュースを配信した≫という。

その映像によれば、≪ホテルに入った記者らはまず、フロントに「右翼書籍」が販売されていることを“発見”した。その後、客室に入った女性記者は、「このような狭い空間にもかかわらず、アパホテルは右翼思想の宣伝に全力を傾注している」と話しながら、テーブルの上の鏡のわきに備えた書籍「本当の日本の歴史」などを手に取り、「これはこのホテルのCEO(最高経営責任者)が書いた本だ。南京大虐殺慰安婦を否定している」と説明した。

 その上で、書籍は日本語と英語で書かれていること強調し、「アパホテルはこのような形で日本国民と、世界各地からくる外国人観光客に右翼思想を広めようとしている」と話した。

 映像の最後は、ホテルを出た記者の取材を受けたオーストラリア人と中国人の観光客の「歴史を否定するホテルなら私は利用しない」「このホテルに二度と行くなと広く呼びかけるべきだ」といった同ホテルへの不満のコメントを紹介した。

 同記事は中国国内の各インターネットサイトに広く転載された。「中国人の日本への渡航を禁止すべきだ」「みんなでアパホテルをボイコットしよう」といった批判な書き込みが多く寄せられた一方、「この記事はアパホテルへの営業妨害行為ではないか」といった冷静な声も散見された≫という。

これこそ産経が強調する「歴史戦」の実態なのであり、屈してはならない。北京のホテルではCCTVを見ることが出来るが、そこではいつも捏造された対日戦争のドラマが放映されている。見るに堪えない粗末なものだが、我々はそれを見ようと見まいと自由だから放任しているのだ。
自分のことは棚に上げて他人を詰問する、これこそ中華思想の権化だろう。

ところでこの問題をねつ造した本家本元である“チョーニチ”新聞はどうか?

朝日は「札幌アジア大会組織委、アパホテルに「差別・偏見ないよう」 客室の本、中国から批判」と、まるで他人事のような記事を書いている。いい気なものだ!


又【北京発時事】は≪札幌市などで2月に開催される第8回冬季アジア大会組織委員会が、旧日本軍による南京事件を否定した書籍を置いているとして、中国で批判が高まっているアパホテル側に対し「スポーツ理念にのっとった対応」を求めていることが19日、分かった。

 大会では札幌市内の同ホテルが各国選手らの宿舎に充てられる予定。組織委は問題となっている書籍を客室に置くのは適切でないと判断しているとみられる(以下略)≫と報じたが、組織委とはなに人で構成されているのか?

ネットに、シナ人の記者が、友人の日本人との“激論をネットで紹介し「日本人から本件に対するフィードバックがあった」というが、≪主に中国側の反応への支持派、穏健派、反対派の3つに分かれ、支持派は「中国人は宿泊ボイコットすべき」、穏健派は「中国人の感情は理解できる」、反対派からは「経営者は政治家ではない。中国人は政治と経済を混同して語るな」との主張が見られた≫という。


やはり、日本人の親中派が陰で動いていることがよくわかって「歴史戦」が継続していることを教えられるが、問題はこのように「敵に塩」を送る日本人の存在だろう。

いや、日本人ではなく、成りすましのシナ人か、それとも今慰安婦問題で醜態をさらしている隣国の人間かもしれないが…。


それよりも問題にした冬季アジア大会組織委員会である。いやなら宿泊しなければいいだけだ。何もアパホテルに圧力をかける必要はない。東京の何とか組織委員会もそうだが、一体彼らは自分を何様だと思っているのだろう?いつも上から目線で行動する癖がある。

米国のリベラルと同じく「自分が神だ!」とでも思っているのか?
そういえば昔「日本は神の国だ」と発言してメディアにたたかれてひっこめた方もどこかにいたが…。


元谷氏には信念を貫いてほしいと思う。著書に間違いはないのだし、日本は自由の国なのだから…。
それにしてもこの問題に関する菅官房長官のコメントはいただけない。
≪(シナの)報道官の発言一つ一つに政府としてコメントすることは控えたい」というのはいいとしても、そのうえで「過去の不幸な歴史に過度な焦点を当てるのではなく、日中両国が国際社会が直面する共通の課題、そして未来志向に向け取り組んでいる姿勢を示すことが重要だ」というのだが、かの国が「未来志向に向け取り組んでいる」と本当に考えているのか?
姿勢さえも示していないじゃないか。韓国同様「ウイン、ウイン」の関係なんぞ国際関係ではありえないのだ。
「報道官にも少しは日中間の真の歴史を学んでほしいものだ」くらい言えないのかな〜


それはそうとして、岩国基地に米海兵隊のF35が到着した。
次々に配備され強化されるが、これで沖縄のF22と加えて、日本列島には強力なステルス戦闘機部隊が配備されることになる。

岩国基地のついたF35=産経から≫


一番恐れているのは北朝鮮とシナだろう。いつでもICBM基地などを破壊できる体制がそろったし、東シナ海の戦力もアップするからだ。しかも出動の権限を持つのは“有名な”トランブ新大統領と来ている!


その昔、ブッシュ大統領が北を「悪の枢軸」と評した時、リベラルたちは一斉に≪ブッシュは馬鹿だ!≫とさげすみ、北に釈明し弁解した。
メディアは「ブッシュはイラン、イラク北朝鮮という別個の態勢をまとめて『悪の枢軸』としたが、そのような枢軸は存在しない」と“平和主義者”リベラルたちは言葉遊びに興じていた。その結果、北朝鮮は生き延びて、未だに「悪の枢軸」としてアジアに脅威を与えている。しかし北朝鮮を生き返らせた民主党政権は消えた。今度何かあったらイスラエル空軍のように、いきなり「ステルス機」が北の息の根を止めるのじゃないか?

矢張り今年は天下大乱の年になりそうである。


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≪『内閣法制局は「憲法の番人か?」:日米安保解釈を検証する・水野均著:並木書房¥1800+税≫
憲法解釈を国会で“気ままに”解釈して強弁してきた歴代法制局幹部の発言を検証したもの。いずれにせよ彼らは官僚なのであり、事なかれ主義から脱却できない存在だ。いわば彼らも言葉の遊びに興じていた米国のリベラルたちと少しも変わらぬ存在であることが本書を読めばよくわかる。


≪「トランプ革命で甦る日本:西村幸祐+ケントギルバート:イースト・プレス¥1200+税≫

西村氏は、日本のメディアの嘘八百を勇気を持って暴いてきた一人である。今度はギルバート氏とともに、米国のメディアを斬りつつトランプ政権が誕生した背景に迫る。
トランプ時代を迎える日本にとっては、好むと好まないとにかかわらず必見だろう。


≪「沖縄の危機!『平和』が引き起こす暴力の現場=ロバート・エルドリッチ、宮崎政久、仲村覚、仲新城誠。兼次映利加編=青林堂¥1200+税≫

5人のジャーナリストらが、沖縄の現状と体験を書いている。特に海兵隊外交政治部次長の職を沖縄メディアの横暴で奪われたエルドリッジ氏は「報道される沖縄と報道されない沖縄」と本当の沖縄の姿を描く。ここ沖縄も、米国のリベラルメディアを上回る横暴の限りが尽くされている場所なのだが、ほとんどその実態は伝わらない。沖縄メディアも、知事らと同じく「自分が神だ!」と思っている部類なのだろう!


≪子供のための。漫画で読む「古事記1」:久松文雄著:青林堂¥1000+税≫

分かりやすいと好評だった作品に「総ルビ」をうって子供たちにも読みやすいようにしたもの。
伊耶那岐命と書かれても今の子供たち(大人もだが)イザナギのミコトとは読めまい。古事記や神話で難しいのは神々のみ名が読めないことだ。その点で非常に良い考えだと思う。



≪『ヘイトスピーチ法」は日本人差別の悪法だ:小山常美著:自由社ブックレット¥500+税≫

九州で育った私には、“ヘイトスピーチ”は一方的にわが方がやられっぱなしだった記憶がある。
九州勤務時代も、町役場などに「部落解放」「差別をなくそう!」という垂れ幕を掲げていないと、待合室に汚物をまかれたりしたもので、恐れをなした役場は、さわらぬ神にたたりなしと無視したのが間違いの始まりだった。彼らは相手が弱いとみると、慰安婦像のように留まるところを知らずに暴走するからだ。
この法律も、議員らを脅迫して?造らせたものだろうが、それほど国内には生き方が異なる集団が増えたことを意味している。
トランプ氏が「不法移民を国外退去させる」と叫んだのは、このことに通じる。日本の立候補者には絶対にできない発言だろう…。
何が正義か!と言いたくなる。ご一読をお勧めする。



≪「航空情報3月号≫

もう3月号か!と驚くが、特集は「航空自衛隊2017」と「南西シフトと最新装備」で、出来れば有効に活用すべき≪下地島≫についても触れてほしかったが…。
「V-22報道の真実度」は有意義な記事だ。
パイロットへの道(2)」では芦屋基地特集だが、私が訓練を受けたのは昭和39年、T-1だった…。若者たちが途絶えずに続いているのはうれしい限りだ。初志貫徹してほしいと思う。

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