軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

グアムにミサイル?これは宣戦布告だ!

北朝鮮の金洛兼・戦略軍司令官は、米国領のグアム周辺へ中距離弾道弾を4発同時発射する「包囲射撃計画」を8月中旬までに完成させると表明した。そして「島根、広島、高知の日本上空通過」も予告した。
これは“戦争行為”であり、昔の宣戦布告に該当する。

これに対してトランプ大統領は「グアム攻撃なら報復」と北朝鮮に警告した。
「お盆休暇」を前にした日本国民のほとんどは“対岸の火事”的態度。
「怖いですね〜。やめてほしい」というのが精いっぱいの抗議のようだが、メディアは早速ワイドショーに組み込んで、面白おかしく“識者の解説”を楽しんでいる。
国会は今でも「カケ」と「モリ」のソバ談義だから、開いた口がふさがらない。憲法9条があるから大丈夫だという、異常な信仰心のなせる技だろうか?
それとも防衛を妨害するための北のシンパの策謀か?



もとより、戦後70年間、備えをしてこなかったのだから、今更じたばたしても始まらない、という一種の諦観のなせる業かもしれない。
しかし、落ちてくるものは引力の法則に従って、物理的に落ちてくるのだ。仮に弾頭部分がダミーだとしても…
それにしても我が国も北朝鮮如きに舐められたものだ。
しかし根拠はある。百人といわれる国民がさらわれて40年になるのに、奪還しようとすらしないのだからそれはそうだろう。盗人にとってはヤリ得だからだ。
その上、日本国内に送り込んでいる「工作員養成学校」にも、日本はどんどん予算をつけてくれるのだ。裁判になっても、裁判官を恐喝すれば、“合法的な”判決を出してくれるようになっている。メディアのみならず、法的機関にも工作員は送り込んであるからだ。

いや、そんな“外圧”に日本人が屈するはずはない。
日本国民は、戦後長らく「対岸の火事」を傍観してきたから、平常心が鍛えらているのであり、神経が太くなってしまっていて、ちょっとやそっとのことに驚かなくなっているのだ!


ところで金正恩首領様と、世界屈指の軍事力を誇るトランプ大統領という両“将帥”の闘いはどう展開するか?


旧軍のバイブル<統帥綱領>にはこうある。
「将帥の責務は、あらゆる状況を制して、戦勝を獲得するにあり。
 故に、将帥に欠くべからざるものは、将帥たるの責任感と戦勝に対する信念にして、この責任感と信念とは、その人の性格上不断の研さん修養とにより生ず。
 将帥の価値は、その責任感と信念との失われたる瞬間において消滅す。
 将帥の責務は「敵に勝つ」ことにある。故にいかに人徳があり、兵学に通じ、用兵の手腕をもっていても、敵に勝つことのできない者は、将帥としての資格はない」

そしてその解説には「敵に勝つためには、先ず部下の信頼を獲得するとともに、これに確信を与え、戦勝に対する熱烈なる信念のもとにこの部下を敵に指向し、万難を排してこの信念をつらぬかねばならない。戦勝を獲得するためには、戦略戦術の巧拙よりもこの方がはるかに重大な意義を持つ」とある。

2尉から統幕長に一気に出世した金首領様には、将帥としての資格がないことは、見え見えであるから、責任感と戦勝に対する信念はあるはずもない。
それに部下から信頼されているとも思えない。戦勝に対する信念がないことは、グアム周辺にミサイル4発を発射しても【対米戦に勝つことはできない】からである。つまり戦の基本を知らないのだ。
いかに部下たちが万難を排して努力したとしても、決して対米戦勝は得られない。


其の昔、大日本帝国は、まんまと共産主義者たちの罠にはまって、ハワイを攻撃して対米戦に突入したが、もとより「戦勝」に至るデザインはなかった。
戦勝は「首都ワシントン」を制圧して初めて得られるのだが、仮にワシントンを制圧したとしても、ヤンキー魂はゲリラとなって交戦したであろう。ちょうど我が国が、原爆2発を食らい、息も絶え絶えになりながらも、徹底抗戦をあきらめなかったように。
では今回、金首領さまは、4発ミサイルを撃てば、米国が屈服するとでもお思いか?
むしろ袋叩きに遭うことは必至である。
アングロサクソンを怒らせたら、これほど恐ろしいことはないという事は歴史が示している。孤島に過ぎないフォークランド島を占領したばかりに、イギリス艦隊の猛撃を食らい、ついに敗戦したアルゼンチンがそれを示している…。

問題は半島有事の後である。後ろに控えるキツネとハイエナたちは、崩壊する北の領土を虎視眈々と狙っている。ここは、米ロ、そしてシナの草刈り場になるだろう。いや、あっさりと米は引き上げるかもしれない。一番の受益者は日本だから、日本に“後を任せる”かもしれない。


在米の台湾人教授は「北朝鮮のミサイルはアメリカに届かないが、アメリカは確実に北朝鮮を全滅させる能力を持っている。アメリカが先制攻撃を仕掛ければ非難されるかもしれない。アメリカは北朝鮮が先制攻撃を仕掛けるのを待っているのである。
だが戦争になったら日本や韓国を始め中国やロシアも含めて死傷者が出るかもしれず、戦争は経済的に韓国や日本に大きな影響を及ぼす。アメリカだって戦争は避けたい」
そこで≪私の提案は戦争せずに済ませることが出来る「金正恩の首に200万ドルの懸賞金」をメディアに発表することだ。嘗てアメリカはビン・ラディンの首に200万ドルの懸賞金を発表したことがある。戦争を避けるなら北朝鮮を内部から崩壊させることだ≫
と提案しているがなかなか面白い!


おそらく北の金洛兼・総司令官は理解しているだろうが、何しろ後ろに控えている“将帥”ではない最高指揮官が理解できていないから厄介である。
それに反して米軍将兵の方は“手ぐすね引いて”待ち構えている。こちらも大統領命令で直ちに動ける体制にある。
問題は同盟国などに対する配慮だと思われるが、トランプ氏は大統領就任以前から、同盟国に応分の防衛協力を要求していた人物だ。
緊密な関係にあるとされる日本はそれに応じてこなかっただけに過ぎない。
湾岸戦争時がそうであったように、今回もそんな同盟国に足を引っ張られて、アメリカ・ファーストを軽視することは絶対にないだろう。

案外、4発のミサイルが上空を通過して、米国領であるグアムに飛翔するとき、集団的自衛権問題で確認された、ミサイルによる迎撃行動を日本がとるのかどうか?が今後の大きな山場になるだろう。
今回も、へ理屈をつけてさぼりでもしたら、後がどうなるかが見ものである。

○○蛇に怖じない金首領の攻撃命令が、意外なことから日米関係が“強固”であるのか、それとも“空手形”に終わるのか、将来を占う踏み絵になりそうだ。

さて[仕事人内閣]の初仕事を篤と見学させていただくことにしよう。

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