軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ミサイル如きで狼狽えるな!

この数日、北がミサイルを発射した事案でテレビや新聞は“大騒動”だが、これじゃ北を喜ばせるだけだ。それとも我が国民の内部に巣食う連中の策動か?

「今回は通知がなかった」だと?? 何を寝とぼけている?いちいち相手に通知して戦争を始めるバカはいない。「いや、今は平時だから北も国際協定を順守すべきだ」だと??極楽とんぼも地に落ちた!

今までの一連のミサイル事案を見て来た者ならば、今回の事案は当然推察できたはずだ。

北が飛ばす飛翔経路は、じっくりと「地球儀」を見ればわかるからだ。


昔わが列島上空を飛ばして三陸沖に落下させ、国民を不安に陥れた。
その後日本国内の反発が大きくなると、次は“人工衛星だ”とうそぶいて沖縄方面に飛ばした。

パック2が沖縄にまで展開するのを見届けて以降、ロフト方式などという、打ち上げ花火方式に転じたが、これじゃ脅しが効かない。

そこでグアムを狙うと公言し、なぜか「愛媛県抜きの西日本上空を通過する」と御親切に「通知」してくれた。当然グアム島は米軍がカバーする。日本も西日本に迎撃態勢を構えた。
パック2が本州北部で“弾切れ”になるや、今度は津軽海峡上空を経て、襟裳岬を通過し、北太平洋に撃ち込んだ。
TVじゃ、なぜこのルートを…などと専門家が喧しいが、地球儀を見ればよくわかるだろう。

このルートを少し北にずれると、わが国が固有の領土だ!と叫んではいるものの、ロシアに実効支配された北方4島があり、その西には樺太がある。共にロシア領土だ。
そんなロシアの領空を飛ばせば、プーチンが黙っているまい!

勿論西に向ければ、習近平は反撃する。
故に結論は、“絶対に”反撃しない「平和憲法に守られた」腰抜け日本列島上空しか飛ばせるルートはないのだ。

昔は日本の支配下にあった未開民族に、とことん舐められたものだ。


しかも、Jアラートなどという近代電子機器で重武装して、電機メーカーを喜ばせてみたものの、運用する“痴呆”自治体職員が不慣れだから何回やってもミスばかり。
これは税金の壮大な無駄遣いじゃないか?

あのB29の大編隊による空襲でも、【空襲警報】【空襲警報解除】などはサイレンひとつで徹底されていた。


近代装備で「安全な場所に逃げてください!」と通知されても、「御上に!教えてもらわないと」行動できない国民はどこに逃げていいかわからないから右往左往。
新幹線も民航機までも“自粛”するので、国民生活は逆に大きく阻害された。これが相手の思うつぼなのだ。日本の評判を地に落とすための…。


この二日間、テレビも新聞も、実に壮大な「お笑い劇場」を上演した。いや、軍事も「エンタメ番組」の重要素材として組み込まれたらしい。

それとも国民を怖がらせまいと局では“真剣に”取り組んでいるのだろう!!??


ところが問題は、関係者の演技?が「本気」に見えたことである。本気でミサイル如きに怯えているのだ??
だから金将軍はご満悦だ。これで味を占めたから当分脅かしはやめないだろう。本当は不安なのに。
勘ぐれば、“将軍様”はあまりにもだらしなくなった日本国民をミサイル発射で啓蒙してやろうとお思いなのかも…


ところで8月29日号のニューズ・ウィーク日本版に面白い漫画が出ていた。

≪言い得て妙! トランプ大統領よ、さてどうする?≫

8月10日の大紀元日本に、「ドナルド・トランプ大統領は、18年前の米NBCのインタビュー番組に出演した際、自分がもし大統領になった場合の対北朝鮮政策について語っていた」という記事が出た。

≪トランプ氏は「核拡散は最大の問題だ」とし、北朝鮮が制御不能になるまえに「交渉で最大限の成果を出したい」と述べていた。
 最近、北朝鮮と米トランプ政権との緊張が高まるなか、NBCニュースが再度、公式ツイッターで8月8日に取り上げた。
 当時は実業家だったトランプ氏の姿を追う同番組のなかで、インタビュアーは、北朝鮮の核の脅威に対して、仮に大統領だった場合、先制攻撃する可能性について聞いた。トランプ氏は「まずは交渉する、これで最大の成果を出したい」と強調した≫


 1999年に撮影された番組だが、トランプ氏は、北朝鮮が3〜4年後には米国を標的にする核兵器を所有するとの推測を示していたのである。
 

≪トランプ氏は、世界が抱える最大の問題は「核拡散」だと指摘。北朝鮮政策については、米国は外交的な手法で問題解決するのが最善だとしながらも、「交渉が成立しないならば、解決できなくなる前に解決する」と述べた。また、米国だけが唯一、北朝鮮のミサイルシステムを排除できると主張した。
 北朝鮮政策について「5年後、すでに標的としてニューヨーク、ワシントンに(北朝鮮の兵器が)向けられている時に取り組むのか、あるいは今、やるのか…」と問題の深刻さを指摘していた。
 ワシントンポストは9日、調査機関・米国防情報局(DIA)の機密分析の一部を報道。それによると、北朝鮮がすでに弾道ミサイルに搭載できる小型の核弾頭の生産に成功しているという≫

なかなか時宜を得た記事である。
トランプ大統領は、国際政治情勢と軍事常識に欠ける委員長をとことん泳がせておき、国際世論の反応を見て“始末”しようとするに違いない。
軽々に行動すれば、露、中はもとより、ただでさえ抵抗している国内のフェイクメディアと、米国内にはびこるリベラルたちから反撃されるからである。
しかし、引き伸ばしていると「オバマと変わらないじゃないか!」と支持者から反発を喰うだろう。
そのギリギリのタイミングを見計らっているのだろう。正恩さんのバカ笑い姿が見られなくなる日が近づきつつある…。


届いていた本のPR
===============

「HANADA・10月号」
総力特集「戦後最大級の虚報」は読みごたえある。言わずと知れた朝日新聞のことだが、なんと、今や文芸春秋までも加わったという。驚いたことに文春の松井社長が保坂氏の出版記念会で「安倍は極右の塊だから、安倍政権は一刻も早く潰さなくてはいかん」と発言したという。
伝統ある文春も、これで先は見えてきた。組織のトップ、つまり社長が狂うと組織はつぶれる。東芝やシャープなどの例を引かなくても…。あとは読んでのお楽しみ!


「WILL・10月号」
3・11で、大川小学校の愚かな教師たちの誤判断で犠牲になった子供の父親による「裏切りの文部官僚・前川喜平」は一読に値する。
これが出世しか考えない官僚の平均的実像だからだ。
天下りキング前川氏と朝日報道」も面白い。
佐藤優氏による「外務省の犯罪」実名告白「公金にたかる“外交ゾンビ”たち」にはあきれるが、いかに日本外交が狂っているかの証明でもある。外務省は人材不足極まれりの観がある。


私も【軍事が欠落した戦後日本の異常さ】とする一文を寄稿した。防大卒業後34年間の自衛官としての活動について、思いのたけの一部分を書かせていただいた。
良ければご一読いただきたい。

≪雑誌「丸」10月号≫
今月は決戦に臨んだ帝国海軍機『最後のファイター』が興味深い。スミソニアンに保管してあった“決戦兵器”が一般公開されたという。ここにも軍事が欠落した我が国の姿が明瞭である。大東亜戦争時代は、北のミサイル如きに右往左往する国民はいなかったであろう。
今やその血の結晶は旧敵国に展示されているのだ。
先人の努力に敬意を表したい。

国際軍事関係論―戦闘機パイロットの見つづけた日本の安全

国際軍事関係論―戦闘機パイロットの見つづけた日本の安全

金正日は日本人だった

金正日は日本人だった

日本を守るには何が必要か

日本を守るには何が必要か