軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

虎は1匹に絞られたか?

一つの山に2匹のトラが住めないというのはシナの格言である。
今回、共産党大会が終了したが、まだ1匹の虎の尾っぽが残っているようだ。

≪シナの新指導部:産経から≫

ニューヨーク在で80年代後半、中国の民主化運動に関わった陳破空氏は「側近の多くが最高指導部や上層部入りを果たし、権力基盤を一層強化したことが、習近平氏にとって最大の勝利だ」と述べた。
「中央政治局常務委員会の7人のうち、習近平氏と李克強氏は再任したが、他の5人はすべて入れ替えられた。新しいメンバーとなったのは、栗戦書氏、汪洋氏、王滬寧氏、趙楽際氏と韓正氏。「この7人のうち、習氏の側近は栗氏と趙氏。胡錦濤前主席に近いのは共青団派中国共産主義青年団)の李氏と汪氏の2人。王滬寧氏と韓正氏は江派寄りだ」
「一方、習近平氏にとって最も不本意なことは、王岐山氏の退任だ」
「しかし、王氏が率いた中央規律検査委員会は習近平氏が掲げた『トラもハエも一緒に叩く』とのスローガンの下で、過去5年間、数多くの腐敗・汚職官僚を摘発した。失脚させられた『トラ』級大物はほとんど、江派重要人物で、江派を中心とした幹部の恨みを買ったのも事実だ」
習近平氏が王岐山氏を留任させるとしたら、張高麗氏などの江派は強く反発するだろう。王氏を現職に留めたら、その代わりに江派からも一人ぐらいを留任させるべきだという意見が出てくるだろう」
「江派らの抵抗を抑えるために、習近平氏が妥協案として、筋金入りの江沢民派も退任させることを選んだ」と陳氏は推測する。
「陳破空氏は、習近平氏の盟友であり、反腐敗運動でも辣腕ぶりを発揮した王岐山氏は今後、国家主席の特使、国家副主席など他の重要ポストに任命される可能性もあるとみている。(大紀元日本10月28日)」

 他方、中国の指導者は発言に古詩を引用することを好むが、「習近平総書記(国家主席)は25日の中国共産党第19期中央委員会第1回総会(1中総会)の閉会後、最高指導部の新メンバーの紹介を終え、『吾家洗硯池頭樹,個個花開淡墨痕。不要人誇好顏色,只留清氣滿乾坤』『不要人誇好顏色,只留清氣滿乾坤(中国元代の画家で詩人・王冕氏の詩作「墨梅」』で自らの発言を締めくくったという。
 日本語に訳すと、「ここに描いた花は、私が筆を洗う池のそばで生え出した梅のようだ。花びらには薄い墨液がにじみ、鮮やかな色合いがない。花々は色を褒めてほしいのではない。清らかで淡い香りを天地に残したい一心だ」という意味だそうだが、王冕は「名利に淡白な元代末期の詩人で文学家、水墨画を得意とし、梅や竹、石をよく描いた浙江省紹興諸曁の人。農家に生まれ、日々放牧をしながら蓮の花を描き、この詩作では梅をテーマに、俗世間に媚びないという自分の人生理念を表したと」解釈されている。


 かつて温家宝首相も最高指導部から退任する数カ月前の2012年11月、東南アジア歴訪先のタイで「亦余心之所善兮,虽九死其尤未悔」「伏清白以死直兮,固前圣之所厚(楚の屈原の「離騒」から)」「(日本語訳)真実を追求するためなら私は9度死んでも後悔はない。もし死ぬのなら、誠実かつ高潔に死にたい」を取り上げてスピーチを締めくくったが、最後に「どうか皆さん、私をお忘れください。中国の皆さんも、海外にいる中国人の皆さんも。どうか私のことは忘れてください」と付け加えたという・・・。


習近平氏は2012年に党総書記に就任して以来、中国伝統文化の重要性を強調してきた。習氏自身もたびたび発言に古代の名文を織り込ませてきたが、数年後退任する際、どのような詩句で自らの政治人生を総括するのだろうか?」と大紀元日本(10・27)は締めくくったがさて?


≪2期目習近平政権指導部の顔ぶれを見ると、「ポスト習近平」とされる次世代リーダー候補がみられない。習近平氏は5年後の党大会で3期目を続投する可能性が高くなった。同時に習氏は、「後継者を任命する」との党内慣例を打ち破ったことを証明した。…
しかし一方、中国共産党内において、昨年習近平氏の「核心」地位がすでに確立したうえ、24日党大会閉幕日で、習近平氏の名前を冠した『習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想』(習思想)を党規約に盛り込むことに成功した。習氏は、毛沢東トウ小平に並んで、党内において絶対的権威を獲得した(大紀元日本10・26)≫

やがて“残った虎の尾”は消滅するのだろうが、制覇したトラは、絶対君主としてシナ全土に君臨するのか? 毛沢東ならぬ“習沢東”の復活か?
シナの権力闘争は、お人よしな日本人には理解できまい。


2010年8月に「暴かれた中国の極秘戦略」を出版した中国からの亡命作家・袁紅冰氏は、10月28日に来日した時の講演で、
「次世代中国の指導者は1966・5から1976・5までの非常に困難な文革を経験しているので 
1、権力以外は信じない。
2、権力のためなら何でもする。
3、理性的判断ができる教育を受けていない、という“歪んだ性格”を持つ、地獄から天国へ成り上がった者たちで構成されているから彼らが天下を取った場合には、中国内では重大な事態が起きるであろう」
と予言した。しかしその弊害は中国内にとどまらないであろう。

彼は主として中台関係を説いた著書の「第一章 共産中国=理解されていない本当の中国」の結論として次のように書いている。


≪世界は、未曾有の政治的危機の前夜にある。しかしそれをわかっている賢人はごくわずかだ。台湾は政治的な大厄難に直面している。…しかし、台湾の多くの凡庸な政客はこれを見逃している。
私は、本章において、中国共産党の暴政の本質を書いてきたが、このことで世界に対して、人類の政治的大危機の源泉の真相を示し、台湾の政治的大厄難の源泉の真相を解明しようと試みたのである。真相がわかれば、危機と厄難に打ち勝つ可能性があるからだ。
 多くの台湾の友人たちは、複雑な感情的理由から、中国および党の暴政について真正面から関心を向けようとしない。
しかし、運命は台湾を最後の一歩まで追いつめており、台湾人は関心を向けたくない対象に閥心を向けざるをえない。
私は党の暴政は、自らの文化と祖国を裏切った外来政権であり、中国はすでに文化的に亡国となり、マルクス主義の政治的および精神的な植民地に貶められたと説明した。
これは、党の暴政と、中国文化・中国人との間の原則的な区別をはっきりさせるためだ。この区別をはっきり認識することは、台湾が厄難の真の原泉をはっきり認識し、これと戦って勝利するうえで、きわめて重要なことである。
 私は、中国共産党の暴政の経済改革において公平な競争による自由資本主義経済が生まれないこと、民主政治に向かう可能性がなく、全体主義専制を強化していくだけだと説明した。
それは、台湾の政治的大厄難の原因である党の暴政を、台湾経済の希望の星のように言う台湾の統一派政客たちがぱら撒く嘘と、私たちの認識とは異なっていることを原則上示すためなのである。
 最後に、本章の内容を通して、読者諸兄が一つの問題を考えていただくよう希望する。中国共産党の暴政、そのたび重なる反人類的な罪を犯した犯罪集団、その人類史上最も巨大な汚職官僚集団が、人類および台湾に対して、どんな意味をもっているかということである。後続の各章で述べているのは、読者諸兄に考えていただきたい問題について私が試みた回答である≫


半島情勢から目を離せない我が国民は、シナ大陸から関心が遠のいている観があるが、将来最も危険な国はシナであることを忘れてはならないだろう。


今朝の産経にはこんな記事が出ている。

産経新聞12面≫

次の記事は小さな記事だが、シナの傍若無人な国民性を表す事件だろう。

エクアドル、中国に「地球全体への犯罪」〜ガラパゴスの希少サメ6620匹積載した船拿捕〜29・8・29産経≫ 
≪南米エクアドル世界遺産ガラパゴス諸島沖の海洋保護区で今月、希少なサメなど約300トンを積んだ中国船が拿捕(だほ)される事件があり、エクアドルが中国政府に抗議する事態に発展した。エクアドル排他的経済水域(EEZ)付近では中国の大漁船団の操業が優詔され、エクアドル側は「海洋資源荒らし」に警戒を強めている。現地報道によると、中国船は今月13日夜、拿捕された。船倉からは国際自然保護連合 (I UCN)の絶滅危惧種リストに掲載されているシュモクザメを含むサメ約6620匹か見つかった。モレノ大統領は21日、演説で「これはガラパゴス翩島の生態系のみならず、地球全体への犯罪だ」と非難した。(リオデジャネイロ共同)≫

こんな人間性に乏しい国が半島のみならず、世界を支配しようとしていることを一刻も忘れてはならないのだ。世界の秩序を無視し、「俺のものは俺のもの、他人のものも俺のもの」という言葉を信じる、こんな国民をのさばらせてはならない。
“習皇帝”による支配による世界秩序の崩壊は目に見えている。


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