軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

半島有事目前だというのに…

メディアは、毎日狂ったように「日馬富士“事件”」を特集している。
噂段階の問題を自分たちが面白おかしく脚色したものだから、これは典型的な”マッチポンプ”事件だ。
そろそろ真相が浮き彫りになってくると、今度は協会の指示に従わない貴乃花親方を攻撃する。マ、どっちにころんでもメディアに被害はないから平気なものだ。
今は正直そんなことで右往左往している場合じゃあるまいに。


北朝鮮ICBMを発射した。今度は大型で米州に届くという。あれだけ“ロケットマン”に対して警告していたトランプ大統領は、怒りを隠せないようだが、まだまだ堪忍袋の緒を切る気配はないから大した大統領だ。
まず、アメリカにたてつくロケットマンを擁護するロシアと、現職大将が首つりする大国・中国の態度を見極めているのだろう。
中国は特使を“コケ”にされ、ロシアは議員団が訪朝中だったのだから、これまた“コケ”にされたのだが。


2007年後半、金正日の健康状態が悪化し、脳卒中で倒れて集中治療室にいる時、二人の子供、つまり正恩と妹の余正が正日を見守っていたという。
当時24歳の正恩は礼儀正しい青年だったと目撃者は語っている。長男の正男も病院に来ていたが、病室に顔は出さなかったらしい。
正男が日本に密入国して拘束されたことを正日は酷く怒っていたというから、それ以降は異常なまでの愛情は正男から離れていき、正恩と与正を溺愛したという。
2008年9月以降、金正日は定期的に家族会議を開き、後継者問題を話し合っていた。集まるのは妹の金敬姫張成沢夫妻。最愛の妻・高姫の後の正日の世話役・金玉と正恩の4人だったという。
ある時、食事の後、正日は「病状が思わしくないので後継者を決めたい」と言い出し、「3男・正恩はどうだ」と切り出した。すると敬姫は「何を言っているの。まだ分別も積まない子供ではないですか!どうやって国を任せるの」と発言。
この言葉を聞いた正恩は、箸を投げ捨てて立ち上がると部屋を飛び出したという。
義兄の心情を読む成沢は反対も推薦もせず聞き役に徹したようだ。


以前正日が中国吉林省を訪問していて、正男を宿舎に呼んだ時に彼は韓国の「天安艦」撃沈を実行した正恩を「こんなことをする弟に資格があるのか?」と不満を漏らしたらしい。
2009年、党計画財政部長・朴南基が緩やかなデノミを計画していたが、正恩は性急に焦って成果を求めた。正日の前で急げば[再び苦難の行軍]を始めねばならなくなると率直な軌道修正を述べた時使った「苦難の行軍」という語が正日の逆鱗に触れた。自分の失政を思い出させる言葉だったからである。
そして朴南基は「親日分子の妾の子、地主の孫でスパイだ」とされ処刑された。
しかし処刑前に朴は後継者について「あいつ(正恩)だけはダメだ」と痛烈に批判し、処刑直前に更に「正恩、あの野郎だけはダメだ」と言い残したという。(秘録金正日=李相哲著・一部加筆)


正恩がどんな男か、北朝鮮政府部内でどう思われているかが、これを読むだけでも理解できる。こうして正恩は、自分に反対した成沢を機関砲で銃殺し、正男をVXガスで処分した。

こんな男が核兵器、それも大型のICBMを手に入れたというのだから、残酷さにおいてはAIISも真っ青だろう。
若すぎる彼の周囲を取り巻く老将軍らには、おそらく彼を制止する力はあるまい。
いま世界はまさに【キチ○○に刃物】の恫喝にゆすぶられている状態なのだ。

≪年長者の将軍たちに囲まれて、ご満悦?な正恩将軍=インターネットから≫


「米共和党のグラム上院議員は28日、CNNテレビに出演し、北朝鮮弾道ミサイル発射を受け『事態が変わらなければ、われわれは戦争に突き進むことになる』と警告した。北朝鮮による米本土到達可能な大陸間弾道ミサイルICBM)開発が現実味を帯びる中、米政界では強硬論が高まっている」=(ワシントン発時事)

同じく時事通信によると、北朝鮮ミサイルで安保理緊急会合が開かれ、米国が中国に石油供給停止要求した。
≪国連安全保障理事会は29日午後(日本時間30日午前)、北朝鮮による大陸間弾道ミサイルICBM)発射を受け、緊急会合を公開で開いた。ヘイリー米国連大使は会合で、トランプ米大統領が29日、中国の習近平国家主席に対し、「中国が北朝鮮への石油供給を停止しなければならないところにきている」と要求したことを明らかにした。 
ヘイリー氏はまた、今回のICBM発射で「戦争に近づいた。遠ざかってはいない」と指摘。戦争になれば、北朝鮮の体制は「完全に壊滅される」と警告した。また、国際社会に対し、北朝鮮包囲網構築に向け、外交や貿易などの関係を断つよう呼び掛けた。 
北朝鮮は現地時間29日、新型ICBM「火星15」の発射成功を発表し、「国家核武力(戦力)完成」を宣言した≫
 

我が国周辺には、北の“漁船”が多数漂着している。TVは、食糧増産を指示された漁民が悪天候で遭難したのだろう、と伝えているが、調べたのか?
今、米国は、攻撃を躊躇しない姿勢を示している。攻撃はその基地がある日本本土からだ。だからそれをたたくか、日本国内を混乱させるかというのが、彼らの常識的戦略だろう。

クリスマスや年末年始が“穏やかに”過ごせるかどうかは、ここ数日の中国とロシアの行動にかかっている。


届いた本のPR
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≪WILL 1月号≫
おなじみのWILLである。見出しだけでも内容が透けて見えるが、それだけ今の日本社会は、朝日のみならず“堕ちた”と言えよう。唯一の救い?は「トランプ大統領・アジア歴訪の重力派」という特集だろう。中・韓は影が薄かったが、もともとそれが実態だという事でもある。


≪Hanada 1月号≫
これも同系統の雑誌、ご存じHanada 1月号である。「朝日の言論テロ、森友・加計報道」は驚くことばかりだが、この会社は昔から変わらぬどころかドンドン腐臭を漂わせ始めている。うそ記事で日本を貶めても、一向に謝罪しないし、読者もそれを気にしない。変な新聞社だ。


≪徹底検証:テレビ報道「嘘」のカラクリ=小川栄太郎著・青林堂¥1400+税≫
朝日にいちゃもんをつけられ、恫喝されている小川氏の著書。さすがに内容が濃いが、テレビ報道が「嘘」だというのは、日馬富士関引退会見を見れば十分だろう。傲慢チキで無礼千万な報道関係者、とりわけTV記者は自社のエンタメを意識してか、会見場で目立つように動き、つまらぬ質問をして親方に制止されるありさま。横綱に「品格」を求める資格がどこにあろうか!
今度の“事件”はメディアのマッチポンプに過ぎない。これは相撲に限らず、政界でも経済界でも、軍事の世界でも横行しているのだ。ご一読あれ!


≪国体の形而上学田中卓郎著・展転社¥1800+税≫
私も「国体」について田中先生の講演を聞き、著書を引用させていただいたが、その集大成と言える本である。
第1章 日本国体とは何か――萬世一系の天皇存在――
第2章 主権とは何か
第3章 国軍とは何か
第4章 自衛権とは何か
第5章 日本国体たる萬世一系の天皇存在の無制約性――皇男子孫の皇位継承は萬世一系の唯一の現象形態ーー
第6章 日本国体と「グローバル化
後半にわかりやすいカラーの図版が入っている。字体が正字体に変換されているから編集には時間を要したことだと思う。特に、向学心に燃える若者たちにはぜひ読んでもらいたいと思う。


≪雑誌「丸」1月号≫
発行元が、潮書房光人社から潮書房光人「新社」に移行した最初の「丸」である。発行元は産経新聞出版で今回その子会社になったわけだ。
貴重な大戦の記録を発掘することで有名な軍事専門誌だが、最近は最新軍事情報も充実している。小生も「丸」に「我は空の子奮闘記」と題して、現役時代のエピソードを連載しているから、関心のある方はご一読あれ。

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