軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

進歩か、退歩か?

前回、靖国神社で実施している「国防講座」のことを書いたが、その締めくくりに今年の情勢として、「今年は世界中の政界、官界、メディア界など、“指導的立場”にある各界で、今まで隠されてきた“悪事”が表面化し、世直しが始まる!」と“占い”、その「改革に遅れてはならない」と締めくくったことは書かなかった。


そんな気持ちで世の中の流れを見ていると、各界で次々に“不祥事”が出てきている感じがする。人類は進歩しているのか、はたまた退歩しているのか?


その最たるものは一見進歩している観がある「仮想通貨」の消滅事件だろう。
27歳程度の人生経験もない男が、バーチャル通貨を考案したところ、多くの欲の皮が突っ張った大人たちが引っ掛かった。
そして双方ともに「自分は悪くない」と主張するのだから滑稽だ。
架空に作られた物体が、消滅するのは世の常だという事さえ気が付かないのだから、自業自得というべきだ。


金融機関でこの手の事件が起きたのは、たしか三和銀行の出納係の女性が、惚れた男に騙されて、機械操作で帳簿上の“架空の金子”を男の口座に振り込んだことが最初だったか、と記憶する。汗水流して得た報酬ではないから、彼女にとっては痛くもかゆくもなく、罪悪感さえなかったことだろう。

そのころから、なぜか防衛庁でも給料が銀行振り込み制度に切り替わった。
汗水、といっても時には命の危険をかけて得た私の報酬は、それまでは「給料袋」という実質的労働の“目に見える成果”として手に取るように実感したものだったが、銀行振り込みという制度になってからは、自分の労働の成果は、一片の細長い紙切れに印刷された数字でしか示されなくなった。働いた実感が無くなったのである。


あるとき小学生の息子から「パパは銀行からお給料をもらっているの?」と聞かれたことがあり」脱力感を覚えたものである。
このころから、働いで家族を養っているという感覚、そして一家の主だという感覚が、日本人男性から失われたような気がしてならない。
夫、父親という立場が消えたのだ。つまり日本文化の破壊そのものだと私は感じている。
確かに便利な点を認めないわけではないが、他人の汗と涙の結晶で儲けたのは銀行ではなかったのか? 安定した“収入”が出来たのだから…
そんな体験がある私にとっては、株式や、ましてや「仮想通貨」などという怪しげな動きにはまったく理解できず、すべてが“投機”に見えたから関心もなかった。


曽野綾子女史が書いていたが、成人式の晴れ着“詐欺事件”にも共通するものがある。
どうして今の日本人は、物事の本質をしっかり考察しなくなったのだろう?
成人式は「晴れ着を着ること」が目的ではなかろう。
式は自身の成長のあかしと、自覚を促すモノであって、晴れ着を着なければ自覚できないシロモノではない。

勿論、だます方が数段悪いことに変わりはないのだが、騙される側にもそれなりの落ち度があるような気がしてならない。


さて、半島情勢だが、やっぱり北は難癖をつけてきた。時事通信によると、「北朝鮮、南北行事中止を通知=韓国メディアに不満」だという。


≪【ソウル時事】韓国統一省は29日、平昌冬季五輪の前夜祭として、北朝鮮東部・金剛山で2月4日に開催することで調整していた南北合同文化行事をめぐり、北朝鮮が中止すると通知してきたと発表した。同省によると、北朝鮮は韓国メディアが「北朝鮮内部の祝賀行事まで問題視し、合意された行事を中止せざるを得ない」と非難。韓国政府は「北朝鮮の一方的な通知と、行事が開催されないことは極めて遺憾に思う」と表明した。

 南北合同文化行事に向け韓国側は今月23〜25日、準備のための先発隊を派遣し、視察していた。韓国メディアによれば、南北からそれぞれ300人の観客が招かれ、伝統音楽や韓国のKポップなどの公演を行うことで調整が進んでいたという。

 統一省によれば、北朝鮮は29日午後10時すぎに中止を通知。通知文では、「北朝鮮の心からの措置を冒涜(ぼうとく)する世論を拡散している」と韓国メディアを批判した。

 北朝鮮は「朝鮮人民軍創建日」に指定した2月8日に軍事パレードを準備しているとされ、「祝賀行事」は軍事パレードを指すとみられる。ただ、同日は五輪開会式前日で、韓国メディアからは「五輪を利用した宣伝だ」などと批判する声が上がっていた。≫


これも騙された部類だが、文大統領はきっと『仮想現実』に浮かれていたに違いない。


其の昔、2005年2月10日に、北朝鮮は核保有宣言を出したことがあった。金正日の時代である。
この時米国防総省の関係者は「すでに北が核実験に踏み切った場合の米政府の取るシナリオの一つに、米国は日本、韓国、豪州の同盟国と協力し、北朝鮮周辺海域を海上封鎖する。他に、米中が連携して、中国主導の下、金正日体制を崩壊へ導く」としていた。
これに対して北は、寧辺の核施設から8千本の使用済み核燃料棒の取り出しに成功した」と発表、プルトニュウム型核実験をほのめかした。そして5月1日に日本海に向けて短距離ミサイル1発を発射してゆさぶりをかけた。
元より米国は、?核実験をさせないこと?ノドン・テポドンなどを撃たせないこと?核物質・核技術を第3国へ流出させないこと、を国是としていて、一つでも破れば、核関連施設を先制攻撃するとして、「5029号作戦」を立て、グアムなどにB2やB52を配備した。
ところがこの時は、盧武鉉政権だったから米軍は韓国軍を信頼せず、情報を流さなかった。
さらに、金大中訪朝以後、金正日に対する韓国世論が変化し、若者の意識が「金正日はかっこいい!」とか美女軍団に取り込まれてしまった。これをみた米国は反米、反日感情の台頭と見たのである。
そして金正日は、密かに米国要人の電撃訪問を画策していたのである。その狙いはヒラリー・クリントン上院議員で、中国と韓国のエージェントを使って民主党関係者に接触を図っていたのである。

そんな事例を知るものとしては、今回の五輪への南北合同参加事業などは、13年前の焼き直しに過ぎないとみていたのだが、その通りになりそうである。
これも進歩ではなく“退歩”の例だろう。

それもこれも、いい大人たちが「仮想現実」に振り回されて、己の利益ばかりを画策するからだと言えよう。実業ではなく、虚業で一獲千金を夢見ているのである。

全て失敗の責任は、それぞれの頭脳の未熟さにあるのだ、と気が付くのは果して何時の事か!


そんな中、スキャンダル続きの大相撲で、グルジア出身の栃の心が、見事に幕内優勝を飾った。誰も予想できなかったという点が実に面白い。

≪栃の心…優勝!おめでとう!:インターネットから≫


日本人力士の体格は、いわゆる“あんこ型”で脂肪が多そうな体格をしているが、栃の心は筋肉質で引き締まっている。
そんなところが勝利の原因か?と想像しているが、なんだか、今のメタボな日本人の姿を象徴しているとは言えまいか?


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ご一読あれ!

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