軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

どうなる、半島危機

≪米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設先がある沖縄県名護市の市長選で4日、移設工事を進める安倍政権が支援した新人が当選を決めたことで、与党内には「有権者が経済や暮らしを重視する訴えに耳を傾けた。秋の沖縄県知事選に弾みがつく」(自民党幹部)と歓迎する声が広がった。国政での足並みの乱れを乗り越え、移設反対の現職支援で共闘した野党は「力及ばなかった」(民進党篠原孝選対委員長)と悔しさをにじませた・・・。(産経)≫

漸く沖縄県民も、駄々っ子が親におもちゃをねだるような沖縄県の“政権”に嫌気がさしたか、それとも反日メディアの正体を知ったからか、普天間基地の移転先である名護市市長に、推進派を選んだようだ。
落選した側の面々は、予想していたのかいなかったのかは知らないが、市民は結論を下した。

次は県知事選だ。政府側は、まだまだ≪勝って兜の緒を締めて≫ご用心あれ。

何でも反対の彼の陣営は、愈々辺野古に移設・・となった時点で「普天間基地移設反対!」「米海兵隊の撤退反対!」と騒ぐかもしれないから・・・。

20年以上も、現地を混乱させてきた一因には、当時の首相らの、住民を軽視した行動が作用していたのだから、これを機に大いに反省してほしいと思う。


さて、福井県地方の大雪の被害は、ますます拡大しているが、同じような事例が最近もあったはずだ。

どうして教訓が生かされないのだろう?

不要不急の車による移動は、差し控えてほしいと呼び掛けても、何が「不要不急」なのか区別できない市民は、雪の中に乗り出して、渋滞に拍車をかけているようだが、長距離運送関係者は命がけだろう。ライフラインの一端を担っているのだから、どうしても休めないから。

気の毒に犠牲者も出たようだ。

そして最後はやはり『自衛隊災害派遣』を要請することになる。
陸上自衛官は、北では「雪だるま作り」に駆り出され、西では仲間が、ヘリの墜落で2名が犠牲になった上、事故調査で多忙だろう。

これほど稼働させられているにもかかわらず、政府は自衛官の増員を認めない。
つまり、業務が増えれば、当然ながら個人の負担が増すだけなのだから。
疲弊するのは「ローター」だけではあるまい。
整備員だって疲弊しているはずだ。
しかし自衛官は不平を言わない(言えない?)…。


それにしても佐賀の戦闘ヘリ墜落事故は残念だったが、幸運だったことは被災した家にいた女の子が無事だったことだ。
家族にとっては、気の毒にも、かけがえのない財産や記録が焼失したのは不運だったが、一家が無事だったので、ひと安心した。


しかし、操縦していた二人にとっては実に不運が重なった。
固定翼機と違って、回転翼機はオートローテーションで不時着する以外、ベイルアウトはできない。
そのローターが飛散したのだから、万事休すであった。

上空から周辺の地上写真を見ると、被災した人家の周辺には田畑が広がっているから、ローターさえ脱落していなければ、畑に不時着できたと思われる。

私には、ローターが外れて飛散した直後、急降下に入って不時着不可能だと知った二人の心境はいかばかりだったろうと気にかかる。
下方の人家を避けて安全を図ることは、全く不可能になったのであり、あとは重力の法則に従う以外にはないからだ。

20年余と40年余の間の凝縮された人生が、走馬灯のように二人の脳裏に浮かんだか、それとも目前に迫った人家の無事を祈っていたか…


其の昔、浜松で戦闘機教官をしていたころ、訓練前の緊急手順確認で、特に東向きに天竜川方向に離陸して、まだ高度も速度も得られない状態で、突然エンジンが停止した時[とるべき手順]を学生に質問する。

まじめな学生は「教範通りの手順」を口述するのだが、周囲に座っている教官たちから「ドンドン高度が下がっている。エンジン再始動は難しい。その間にも人家が迫る。さあどうする!」と質問が飛ぶ。
学生は口ごもりながら、何か答えようとするのだが、「天竜川には届かない。下に市民球場がある。どうする?」と畳み込まれて、「ハイ、市民球場に機首を向けて自爆します」と学生は答えたものだった。

私らが学生の時もそう教えられてきていたから、なんの不思議さも感じず、我々もそう教育したのである。
それは、1969年2月8日に、小松基地に帰投中だったF104が、雲中で落雷を受けて操縦不能になり、雲中で下が見えなかった乗員は脱出したのだが、その後、機体が旋回して金沢市上空に向きを変え、民家に墜落して住民4名が死亡、民家17戸が全焼するという大事故になったことがあったからだ。

操縦者には全く不可抗力だったのだが、その後大きくメディアにたたかれ、彼は「生き残ったこと」に罪悪感を感じ始めた。

その事例を教訓に、「どんな状況下においても極力地上の被害を回避し、回避が不可能だと思ったら、空き地に垂直に突っ込め。その方が生き残って恥ずかしい思いをするよりもはるかにいい」と教えられ、私らも「揃ってハイ!」と答え、基地周辺の「空地」を調べてマップに記入していたものであった。

1999年に、狭山市でエンジンが止まり、操縦が困難になったT33が、何とか入間川に機首を向けようと、油圧が効かない操縦かんを二人で懸命に操作したのだったが、ついに高度を失って墜落し、二人が殉職した事故もその影響を受けていた、と私は思っている。
この時メディアは、送電線が切れて周辺が停電し、コンビニのアイスクリームが解ける被害が出た!と騒いだものだ。


今回のドライブカメラに記録されたヘリが墜落するシーンを見て、私はコックピット内の二人の行動と表情を想像した。
おそらく二人は最後まで地上の被害を回避しようとして、ローターがないことを知りつつも操縦稈を必死で操作していたに違いない…。入間の二人のように。

優秀な部下を失った部隊長初め、残されたご家族に哀悼の誠をささげたい。


さて、ピョンチャン五輪の開会式が迫ったが、すっかり北の手に乗ってしまった文大統領は、飽きることなく北からの“要員”を“合法的?”に国内に潜入させている。

彼は「トロイの木馬」という戦史を知らないようだ。
もっとも、私が好む「鬼平犯科帳」には、盗賊が大店に盗みに入るときには、前もって「引き込み女」を住ませておき、中から木戸を開けさせるのが常套手段になっている。
だからさしずめ彼は、金さんの“引き込み男”なのだろう。
結果はいずれ3月末にわかるだろう。

それを知ってか知らずか、トランプ大統領は、ペンス副大統領を訪日させて、わが国の防衛体制を視察させたが、肝心の隣国には「引き込み男」が動いていることをご存じかな?

我が国のメディアには、金メダルの数を予想するよりも、その前に行われる北の軍事パレードの方が肝要であることを忘れないようにして分析してほしいものだ。

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気になる「対談」や「インタビュー」がそろっている。
私も「平昌五輪作戦に引っかかった文政権」を書いたので、興味ある方はご一読あれ。

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