軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「治山治水事業」を妨害したのは誰か?

 西日本豪雨で、死者217人、安否不明者22人と言う甚大な被害が出た。
どこででも、何度でも繰り返される「自然災害」だが、その原因を『想定外の気象変動』だとして終わらせてはなるまい。
確かに気候の変動は無視できないし、被害も近年急激に増加しているのは事実だが、その裏に潜んでいる物に「人間の浅知恵」があると私は感じている。
 一部TVで論じられているが、「過去の体験から、まさか2階建ての自宅が水没するとは考えなかった」と言う類の話である。
「警報が遅れたから逃げられなかった」と言う責任転嫁論は語るに落ちているが、せんじ詰めれば災害列島に住む日本人の中に「戦後に蔓延した油断」が招いたものだと言える。


 「戦争」と言えば《虫唾が走る》と言う方々も多いが、危険予知と自己防衛法は「軍事」に学ぶのが手っ取り早いことは自明である。
 しかし敗戦後は憲法で戦争を“否定”しているから”大丈夫だ”と勘違いし、かっての敵国に保護され、唯々諾々とぬるま湯につかってきたのではなかったか?。

 政府も「国防」を忘れ、“人権、人権”とうわごとのように口走る野党に影響されて児戯に瀕する浅知恵しか持ち合わせていなかった。
 要するに、票を目当ての目立ちたがり屋だけが野党に集結して国会を占領し、それをフェイクメディアが拡散するパターンが続いてきたのに、政府はそれに毅然として対処してこなかったのである。

 しかし今や「インターネット」時代、情報は個人が発信して互いに情報を共有できる時代になったし、千差万別とは言え貴重な情報もあるから過去を思い出させてくれる。
 今回の災害についても、仲間達から貴重な情報が届き、ふり返ってみて改めて当時の“目立ちたがり屋で未熟な政権”が取った行動を思い出した。

 そういう意味では今回の災害は、無知で愚かな当時の政府による“人災”だと言っても過言ではなかろう。届いたのはこんな情報である。


≪ずっと麻生政権では、国民の生命と財産と生活を守るために、先日も起こった鬼怒川での災害のような「異常豪雨災害」にも対応できるようにと河川事業などに大きく予算を組んできました。しかし、それを一変させたのが民主党政権事業仕分けでした。


 あの時の“仕分けの動画”を見れば分かりますが、仕分け人側はあくまで「とにかく予算を削る」ことだけにひたすら目標を置いており、いわば最初から何が何でも「削減ありき」で仕分けをやっていたことが見て取れます。
 国交省河川局の「災害から国民を守るための事業予算」が麻生政権から民主党政権でどれだけ一気に削られたか。蓮舫民主党の「事業仕分け」の大罪は次の表を見れば一目です。


『地滑り対策費推移』
◆平成19年度[自民党・第一次安倍政権]=223億2千万円
◆平成20年度[自民党・福田政権]   =209億3千8百万円
◆平成21年度[自民党・麻生政権]   =273億3百万円
◆平成22年度【民主党政権】     =83億9千8百万円


当時メディアが飛びついた「事業仕分け」に、特別会計名:社会資本整備事業特別会計の項目名「治水事業の選択と集中、河川等の管理のあり方」で、事業名:(2)スーパー堤防事業の仕分けは、平成22 年10 月28 日(木)に実施されたが、内閣府 行政刷新会議事務局の報告書には「出席者」として次の名が挙がっている。
進行役:伊藤進行役(内閣府行政刷新会議事務局参事官)
評価者:蓮舫内閣府特命担当大臣(行政刷新)、寺田首相補佐官、緒方衆議院議員、岡田衆議院議員、長島衆議院議員、長妻衆議院議員、花咲衆議院議員、本多衆議院議員、赤井評価者、太田評価者、梶川評価者、川本評価者
説明者:国土交通省 津川大臣政務官、佐藤河川局長、山本河川局次長、
池内河川局河川計画課長、森北河川局治水課長、谷本土地・水資源局水資源部長
財務省:井上主計局主計官≫


≪仲間からの情報:この頃は、得意満面だった!≫

 この方々は、自分らの判断力が如何に間違っていて大きな災害を招いたかと反省しているだろうか?それとも“憎き”日本国を破壊に導いた!とほくそえんでいるか?


 元より上記の計画が実施されて居ても今回の災害は防げなかったかもしれない。しかし、大きな効力を発揮して犠牲者が減っていたかもいたかもしれなかった。何よりも「財産」はかなり守られたのではないか?


 軍隊では「馬鹿な大将敵より怖い」と陰口をたたく。しかし今次大戦では、多くの大将は責任をとった。
 当時の“バカな”国会議員や政府大臣らに、その自覚があるのか問いたい!なければ責任を取らせる方法はないのか?と政府に聞きたい。


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私としては「親孝行」が出来たので感謝感激である。


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今月は海上保安庁特集である。広大な海域を保有するわが国としては、もっともっと人員と装備を充実させるべきだと思うのだが、政府の「働き方改革」はどこかピントがずれていて、国防や海保、警察と言う実力組織の充実は一顧だにされる様子がない。やはりこの国は「憲法の呪縛」にがんじがらめになったいびつな国家だと言えそうだ。

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