軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

力亡き正義は無効

 我が家のバーゴラで孵化した2羽のキジバトの雛が、カラスに襲われて無残にも死亡した!
 四日朝、いつものように巣を見上げると、空になっているので、巣立ちにはまだ早いが??と疑問に思ったのだが、その日の夕方、家内が電柱の近くのウッドデッキの片隅で死んでいる2羽を見つけた!
 未だ羽が十分成長していない姿で、胸を鋭くえぐられて絶命していた。
恐らく傍の電柱の上から様子を伺っていたカラスが犯人だろう。一瞬の隙を突かれた気がして、キジバト一家に申し訳ないことをしたと悔やんだ。
しかし、これが“弱肉強食”と言う自然界の掟でもある。
 それにしてもこのひと月、孵化と雛の成長を楽しみに見守っていた“元自衛官”の私としては痛恨極まりない出来事で、親バトに済まないことをした!と自責の念に駆られている。


 さて、「悪しき古き人間達」の出自とその見苦しい対応ぶりが、連日ワイドショウをにぎわせているが、私と同年代の78歳と言う世代は、戦中、戦後の混乱期を懸命に生き延びてきた両親に保護されつつ、敗戦後の町の混乱を目の当たりにして生活してきた世代である。
 特に私は一面の焼け野が原になった佐世保市で小学校に入り、第3国人の横暴と無力な日本警察の姿を見て育ち、軍事力無き国家の悲哀を身に染みて体験しつつ育った。
 佐世保は軍港であったから、上陸してきた米国兵であふれ、それにまつわりつく“女性たち”の姿に、敗戦国の悲哀を身に染みて感じたものである。
 だから、半島から日本に密入国してきた今話題の“会長”が、どんな幼少期を送ったかは想像に難くない。


 買い出しに出かける母と同行すると、焼け跡で繰り広げられている“惨劇”を見せまいと母は私の顔をふさぎ、その場から立ち去ったものである。


 小学校上級生になり、佐世保市内で小学校代表者の合同会議が行われるたびに「風紀問題」が議題になり、自校に持ち帰ってその打開策を先生方と協議したものだが、当時の先生方の中には、復員軍人がいて、この手の暴力行為を絶対に見逃さず、“犯人”を厳重に処罰していたから、校内の治安は保たれていた。

こんなことがあった。
 昭和24年、佐世保市の片田舎の古い木造校舎では、授業が終わると毎日椅子を机の上に乗せ、教室の後ろに寄せて床を掃き、雑巾掛けをする。
 小学四年生で級長であった私はその日も率先して雑巾掛けをしていた。ところがいつもサボる炭鉱夫の息子で不良のNが「先生に贔屓されたくて!」と叫ぶや、いきなり私の尻を蹴った。
 反動で顔面を床に強く打ち付けた私は、鼻血を流しながら大柄なNに飛び掛かり壁に押しつけて首を締め上げた。すぐに先生が駆け付けてNは職員室に「連行」され、厳しく罰せられた。
 私は担任の女性の先生に保健室に連れて行かれて手当てを受けたが、顔が大きく腫れあがっていたので、絆創膏を張ったまま、先生に引率されて帰宅した。

ところが帰宅して母に細部を報告すると「大ばか者!」と一喝されたので私は面食らった。
「男が本気で喧嘩するのは一生に一度、その時は相手を殺すか自分が殺されるしか道はない。つまらない諍いごとでいちいち手を上げるものではない。男の喧嘩とはそういうものです!」と母から逆に怒られたのでひどく面食らった経験がある。
尤もその後Nは、塩をかけられたナメクジの様に教室では大人しくなったが・・・

 成長するにつれていろいろなトラブルを体験したが、私はいつもこの母の言葉を思い出して、相手に“反撃”することなく人生を過ごしてきた。勿論、戦闘機のりとしての空中戦における反撃はこの限りではなかったが!


 昨今、小学校での「子供の喧嘩」に親が口出しし、教師は「人権」を盾に逃避するらしいが、今、70歳代の私と“同じような体験をした”男たちが、あまりにも見苦しい醜態をさらしているのが気がかりである。
母が彼らの弁解を聞いたら何と言うだろう、と思う。


力が伴わない“正義”は全く無力であるが故に「正義無き力」を振るう未熟な大人どもが、横暴の限りを尽くすことになりやすい。つまり、“専守防衛主義”態度では、相手の攻撃を逆に誘発する危険性がある。

とりわけ、そんな暴力に“あこがれて?”自分の信念を曲げてまでも“強者?”に媚び諂う日本の男どもが増えた。
こんな日本の姿を知ると、きっと母は悲しく思うだろう。


何とも息苦しい世の中になったものだが、これは高気温のせいだけではあるまい。どんなことをしても自分だけが生き延びようとする、敗戦体験者が身に着けた悲しい性が噴出し始めたのかもしれない・・・


届いた本のご紹介
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≪「米朝首脳会談と中国、そして日本はどうなるのか」古森義久著・ビジネス社¥1500+税≫

「日本の国難を直視すべき時が来た」と著者は警告する。米朝首脳会談と中国の内情を克明に解説した本である。
「木を見て森を見ない愚に陥る勿れ」とも警告する。
今やメディアは「フェイク記事」で溢れていることが世界の常識になってきたが、わが国ではまだまだその認識が遅れている。
メディア界の第一人者が説く日本人に対する警告の書でもある。


≪JAPANISM・44号・青林堂¥926+税≫

矢作氏の「我が国の統治のかたち」、赤尾氏の「外国人労働者はいらない!」、井上氏の「沖縄・基地反対運動の変化とオール沖縄の崩壊」は必読だろう。小川栄太郎氏と杉田水脈女史の対談は、言葉狩り魔女狩りがひどくなってきた今の日本言論界に対する警告ともいえる。
このまま放置しておくと再び“左翼文化人”等による言論統制が始まるかもしれない。
いずれにせよ、政治の場における議員たちの「正義感欠如」がもたらしているものだともいえそうだが。少しは彼らにも勇気ある行動をとってほしいものだ。「正義無き力」が言論界を占領する前に…

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