軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

風前のともしび…にならぬよう

 自民党総裁選で安倍首相が3選された。
 なんとなく今回の選挙は、中学校の生徒会長選挙のような雰囲気だったが、日本国の首相として、あと3年間継続できることになったということは、外交上有利に働くだろう。
 民主主義国の代表である米国の大統領は2任期8年だし、ドイツのメルケル首相は13年も続けている。
 民主主義国ではない?ロシアのプーチン大統領は14年、隣国の習近平主席に至っては“終身”なのだから、2〜3年ごとに役者が交代してきたわが国が、外交上これらの国に太刀打ちできるはずはなかった。
どうせ次回は変わっているだろう…と足元を見られるから、何処も真剣な外交交渉をするはずはないのだ。その例の一つに「拉致問題」がある。
さて、安倍首相よ、次の3年で何をやる気か?


 官房長官時代?に上梓した『美しい国』に期待した私は、全く裏切られた気がしたものだ。

 今朝の産経は「残り3年何をやるつもりなのか」と題する文で、「・・・20日の記者会見でこう断じた。『戦後外交の総決算、憲法改正はいばらの道だ。しかし総選挙を通じて大きな支持を頂いた。これは3年間、強いリーダーシップを発揮し、大改革を断行する大きな力になる』(石橋政治部長)」と締めくくった。

 女優の樹木希林さんは亡くなるひと月前の会見で「鏡を見た自分に“風前のともしび”を感じた」とする名言を残した。


 安倍首相も、残る3年がこの国の将来を左右することになるだろうことは自覚していることだろう。政界に後継者が“絶無”なことからも、少なくとも残る3年間が“風前のともしび”に終わらない事を期待したい。


 処でトランプ大統領は第3弾の対中関税を発表した。いよいよ米中経済戦争が始まったのだ。面白いことにネット上ではこれに対して中国人民が「最後までやれ」と歓迎していると大紀元日本が伝えている。

≪欧米各国のメディアが、米政府が新たに中国製品2000億ドル相当の関税措置を発表したことを相次いで報道した。しかし、中国共産党機関紙・人民日報を含む政府系メディアは報道を控えている。
 中国メディアは7月以降、トランプ政権に関して挑発的な態度を抑えた。

 いっぽう、米の駐中国大使館がSNS微博で、トランプ大統領の声明を発表したことで、中国人ネットユーザーから支持のコメントが殺到した。

 通商問題で中国当局が、米側の「ゼロ関税」「ゼロ障壁」などの要求に応じる場合、国内の食品安全問題などに頭を抱える中国国民が、良質で安全な外国食品や他の製品を安く手に入れることができる。このため、米政府の対中制裁で、インフレ圧力が上昇し中国経済が一段と失速する恐れがあるにもかかわらず、中国ではトランプ米政権を支持する人が多い。


 一部のネットユーザーは米政府に対して、「貿易戦で、高すぎる中国の住宅価格も下落させてほしい」と求めた。ほかにも「貿易戦争を最後までやってほしい。それは中国人の民意だ」「トランプは共産党の天敵だ」「外部の圧力だけが中国を変えることができる」などが書き込まれた≫


 流石、トランプ大統領は中国人民の本音までも見透かしていたのか!
過去の中国べったりの民主党政権では下せなかった英断だろう。


 更に米国は「中国官製メディアの新華社通信を中国政府の宣伝活動を行う機関だと認定し、外国代理人登録法(FARA)に基づき、登録するよう命じたと報じた。
 中国中央テレビCCTV)傘下の英語放送局CGTNも登録対象となった。
2社は今後、ホワイトハウスの取材活動などが制限される可能性がある」と言う。

新華社通信は、中国共産党政権が直接管理する国営メディア。CGTNを組織の一部とするCCTVは、中国共産党宣伝部が統括している。
中国外交部(外務省)は、2社の外国代理人登録について、米政府から知らされていることを認めた。耿爽・報道官は19日、この事案について「米国と連絡を取り合っている」と述べた≫(大紀元日本)


 次号の「ジャパニズム45」に、私は「この対中“制裁”は、冷戦時代にレーガン大統領が対ソ核戦略に利用した『SDI構想(宇宙戦争)』を彷彿とする。トランプ大統領はこれを踏襲したものではないか?」と書いた。
だとすると、既に勝負あったと思われる。ソ連は“米ソ経済戦争”に負けて崩壊したのだから…


大紀元日本にはこんな“愉快な”記事もある。
≪中国人観光客をめぐる騒動がネットで注目を集めている。9月2日、スウェーデンストックホルム市内で、現地警察の対応に不満を抱く中国人観光客3人が路上で泣いたり叫んだりなどして騒ぎを起こした。中国大使館は(自らのウイグル族に対するホローコーストは棚に上げて)「人権無視」だと猛批判を展開している。市の検察局長は、警察による無秩序な行為をする人物への対応だとコメントを出している。

 中国から来た3人の親子は、予定時間より十数時間前に宿泊予定のホステルに入り、ロビーで就寝しようとした。ホステル側は追加料金を求めたが、3人は拒んだ。ホステルからの通報を受け、駆け付けた警察数人が3人を追い出した。

警察がホステルから3人を追い出す様子を捉えた動画がネットで拡散されている。警察官やホステル側の対応に不満を爆発させ、「ひどい扱いを受けた」と演出する3人の様子が映っている。
https://www.youtube.com/watch?v=Jdh7qlaXVVU


 動画には、暴力を受けていないが腹ばいになったままの父親、わざと自分から倒れこみ、女性警官が暴力をふるったかのように演技する息子、「殺人だ」「助けてくれ」と座り込みながら叫び声をあげている姿が映っている≫と言う。

南京大虐殺”はシナの自作自演だと言うことを、世界に広めているようで面白い。やがて自由世界から、貿易だけではなく観光客までも“排除”される日が来るのかもしれない。


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≪「米中貿易戦争で始まった中国の破滅」:宮崎正弘著・徳間書店¥1200+税≫

世界各地を自ら取材してレポートする宮崎氏ならではの分析である。終わりゆく中国、その臨終の日は近し!と明言してある。
中国にこびて、奥歯に物が挟まった解説しかしない評論家や、メディアからは聞けない内容である。
是非ご一読あれ!


≪「反日活動」:クリス三宅著・青林堂¥1400+税≫

アメリカに40年暮らしてみて分かったこととして、本土でフェークニュースに騙されて自分で判断できない日本人に対する警告の書である。
私的にも自宅で母の介護を続ける多忙な三宅氏が、なぜボランティアとして日米を往復して慰安婦問題の解決にまい進したか!
それは「私にとって慰安婦問題などのウソやでたらめは我慢できなかったのだ。それ以上に先人、英霊、ご先祖様の名誉、尊厳、功績、信用、誇りを汚す行為が許せなかった」からだ、と言う三宅氏の熱意は、日本人の心に響くだろうと思う。是非ご一読いただきたい。


≪軍事研究10月号≫

「米中ロの最新主力戦闘機」が11月号の別冊として発売される(10月4日)が、わが国の主力戦闘機開発の話は聞こえてこない。
本誌では「日米FS−Xの屈辱を晴らせ」と言う特集が出ている。果たしてかなえられるのかどうか……


≪「航空情報」11月号≫

今月号の表紙写真は、航空自衛隊初の女性戦闘機パイロット・松島美沙2等空尉である。横浜市出身で防大58期卒の26歳、7期卒の私としては複雑な気分だが、雑誌各紙には「アイドル」ではなく、「ファイター」として見て貰いたいと思う。時代も変わったものだと痛感する‥‥
3次元の世界は実に厳しいから、油断することなく、今後の精進を祈りたい。

戦闘機パイロットという人生

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ジェットパイロットが体験した超科学現象

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ある樺太廳電信官の回想

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