軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

資料から:「中国は体の大きな10代と同じ」

10日から、12日まで、福岡に飛んで「建国を祝う会」の講師として、自衛隊の在り方についてお話をしてきた。

やはり土地柄か、ロシアよりもシナと半島に関心が高かったから、今回は支那問題に関する資料を紹介しておこう。

 

平成24(2012)年2月20日産経新聞の「環球異見」欄は、「オバマ習近平会談」を前に3国の意見を特集した。

そのリードには【オバマ米大統領と中国の次期国家主席就任が確実な習近平・国家副主席の初会談は、今後10年の米中関係を占うものとして注目された、首脳級の厚遇で迎えつつ、人権問題改善や貿易不均衡是正などの要求も突きつけたオバマ政権の対応には評価と不満が相半ばするが、当の中国はこの10年で急速に発展した経済力を背景に「広い心」を持つよう米国に”説教”する余裕をみせている」とあり、英国のデーリー・テレグラフは「中国は体の大きな10代と同じ」と題して次のように書いた。

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≪平成24(2012)年2月20日付産経新聞


 

【英紙デーリー・テレグラフのピーター・フォスター駐ワシントン米国担当編集長は16日付の大型コラムで「オバマ米大統領習近平副主席の顔を慎重に立てたが、決して弱さを示すものではなかった」と述べ、中国に対し国際社会の枠組みに従うよう求めたオバマ大統領の対中外交を評価した。

 同編集長は、胡錦濤国家主席の後継者である習副主席にオバマ大統領は最大限の歓迎ぶりを示したと伝える一方で、オバマ大統領は習副主席に「今後20~30年間、中国は良き力となることを国際社会に保証する必要がある」と注文を付けたと指摘する。

 金融危機で打つ手を縛られたオバマ大統領は2009年の初訪中で人権問題を強調するのを避け「友好」を前面に押し出したが、中国の目には「弱さ」と映ったようだ。

中国は近隣諸国と領有権問題を抱える南シナ海などで強硬な行動を取り、衰えが見える欧米型資本主義に対し国家統制型資本主義の優位を唱えた。イランの核問題やシリア当局の反体制派への武力弾圧では「内政干渉になる」と、中国は欧米と足並みをそろえた外交圧力強化を拒否している

 同編集長は、北米男子プロバスケットボールリーグで活躍する中国の姚明選手を例に引き、「身長229センチの彼は10代からよく大人に間違えられた。中国は10代と同じで怒って平等と相互の敬意を要求するが、それに見合った責任を求められたとたん、無料入場券を欲しがるのだ」と語る。

 その上で「オバマ大統領が示唆したように、欧米が基本的なルールを要請し、(要請を)堅持し続けない限り、中国が国際社会のルールに従うことは望むべくもない」と中国に原理原則を求める大切さを強調した。  (ロンドン 木村正人)】

 

ワシントンポスト紙(米国)は見出しに「『信仰の自由』言及なしに不満」と書き、中国の「環球時報」紙は「米に『広い心を』と“説教”」したとある。

あれから7年、中国のなりふり構わぬ“攻勢”は、やはり“玩具”を手にした子供の様に世界制覇に乗り出し、とうとう”強いアメリカ”のトランプ大統領の出現を招いた。

そして今や経済戦争で一気に財政が破綻に瀕し、退役軍人らやレイオフされた労働者たちの政府に対する不満が激増している。18歳?になった習主席はこれをどう取り仕切るか?が見ものである。

 

その6年前の平成18(2006)年10月4日、産経新聞は、「安倍晋三首相の中国訪問が3日決まり、日中関係が動き出した。安倍政権は中国にどう向き合うべきか日中の有識者に聞いた」として、「どうする日中関係」と題する記事を連載した。

 

 その初めに東京外国語大学名誉教授・岡田英弘氏が、「つかず離れず、油断なく」と題して次のように書いている。

【中国人の行動原理を表す言葉に「指桑罵槐(しそうばかい)」と言うことわざがある。桑の木を指して槐(えんじゅ)をののしるという言集は、「本当の怒りの対象とはまったく別のものを攻撃する」との意味だ。中国人が怒っているとき、その言葉をうのみにしてはいけない。

安倍晋三首相の対中外交に望むことは、小泉純一郎前首相がとった方針を徹底させることだ。靖国神社参拝にしても何にしても、日本のことは日本が決め、外国に容喙させず、容喙してきても聞き置くだけでいい。日本には日本の道がある。

仮に中国がいろいろと文句を言ってきても、それは国内向けに言うだけのことだ。反日を叫ぶ若者たちの声も統制されたものであり、中国には政府見解から離れた世論事態は存在しない。

 だいたい彼らは靖国を共同墓地のような施設だと思い違いをしている。だから「A級戦犯」が祭られているのに何でお参りするのか、となる。

 中国の「反日」は、中国人同士にはだれを攻撃しているか分かる「指桑罵槐」なのだ。反日言動は、実は江沢民国家主席派への攻撃であったり、胡錦濤国家主席と江前主席派との権力闘争であったりする。

 中国に本当の意味での外交なんてない。中国人にとって大切なのは中国だけであり、内政問題だけ。世界がどうなろうと関係ないのだ。

 日本人は相手のことを思いやりすぎる。中国に過剰な配慮を示そうとする政治家たちは、自分がどういう役割を演じさせられているのか理解していない。

中国人同士では日中友好とは、日本からただでカネがとれるという意味だ」などと話している。

 こうした実態にはマスコミも氣づいていないが、むしろ国民の方が中国人と接触する機会が増え、分かってきた。中国と、つかず離れず、油断しないでいつでも関係を断てるように付き合うしかない。   (談)】

 

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≪平成18(2006)年10月4日付産経新聞

 

勿論、今でも政治家ら、とりわけ”親中派”に通用する「警告文」だが、選挙で落ちたら只の人になることを恐れ、票集めしか眼中にない連中にはわかるまい。

今度の選挙こそ、有権者がかれらの目を覚まさせるように行動しないといけない。

 

 

尤も、半島の2国については、それ以前に「つかず離れて離縁する」とでもいう方が適切だろうが…

 

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なかなか切れ味鋭い文が並ぶようになった。テレビ業界”覆面座談会”は面白い。ユーチューブに押されて消滅する日も近いのでは?

 

 

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新防衛大綱…徹底解読は示唆に富む。それにしても技術力の発展には限りがない。[いずも]の空母化程度で喜んでいる場合じゃないと思うが・・・やがてこれが宇宙に拡大していく…軍事に関心ある方の必読の書である。