軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ニューズウイーク誌が見た「平成」

平成の御世も愈々終わりに近づいた。

産経新聞は、平成30年の主な出来事をわかりやすく一覧表にした略史を連載しているが、「ニューズウイークが見た“平成”」は一味違っている。それは世界的観点から見ているからであろう。

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軍事に関わった身からすれば、中でも「期待はずれだった“日本の貢献”」と「世界が歓迎“戦う自衛隊”」に関心が向く。

前者は湾岸戦争時の海部首相の取った対応ぶりを批判したものだが、当時三沢基地司令だった私には忘れられない思い出がある。三沢からも、多くの米軍兵士らが出撃し、基地内の米軍官舎には「黄色いリボン」がたなびいていて、基地司令夫人が、留守家族の面倒を見る責任者に着いていた。そして当時の米軍・家族らの日本人を見る目もこの漫画と同じ雰囲気だったからだ。

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私は「わがシビリアンならぬシビル・アンコントロール」のしりぬぐいをさせられた気がしたものだ。

ニューズウイークのこの項の締めくくりには、

【長年の親日家であるフランク・キブニー(環大平洋研究所長)でさえ日本の傍観者的な政策にはいらだちを隠さない。「命の危険を冒すのはそちらにまかせるから、こちらは少々金を出そうというのか日本の態度だ。何と狭量な国だろう」

 中東危機はまだ始まったばかり。だか、そこで危機にさらされていたのは、実は友好国との関係だったと日本が気づく日が、いずれやってくるかもしれないのだ。(Jeft Copeland for NW)】とある。同感であった…≪1990年9月13日号≫

次はこれに懲りた?政府が、イラク自衛隊を派遣したことに関して、「イラク派遣・歴史的な1歩を踏み出した自衛隊にとって、最大の試練は同盟国の過大な期待」と書いた。≪2004年2月11日号≫

何れも「平和憲法」が邪魔しているのだが、弱腰政府は未だに改正する気はなさそうだ。

そして最後の長岡義博編集長の「バブル崩壊阪神淡路と東日本の大震災、そして福島原発事故:常識を覆され続けた日本人を待つ次の“非常識”」と言う文章の締めくくりにある、

「平成に戦争は起きなかった。GDPはアメリカに大きく離され中国にも抜かれたが、かつてはサービス残業が当然だったのに,今は働き方改革を真面目に議論しつつ世界第3位の経済力を維持している。悪くない現状のように思える。しかし,その実われわれは過去の遺産を食いつぶしているだけかもしれない。

 変わらないものは何もない,それは平成の次の時代も同じだろう。日本に戦争は起きないという常識が消えてなくなることだって十分にあり得る。」と言う部分が、次の「令和」時代に進む日本人に「警鐘」を鳴らしていると受け取った。

 全文を掲載しておくが、果たして政官界に、その心構えはできているのか気掛りである。

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届いた本のPR

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友人・保江教授の最新刊である。氏は物理学者であると共に精神世界の研究者でもある。

わが国でも、御代代わりがある様に、宇宙にも変化が起きているようだ。只気が付いていないのは、日ごろ”雑事”で忙しい地球人だけなのかもしれない。

私はここで、とりわけ新しく生まれ変わって来つつある「新人類=スターピープル」の出現を何度かほのめかしてきたが、保江邦夫氏と松久正氏との対談はまさにそのことを語りつくしている。

UFO本と言えば『オカルトコーナー』に追いやられる運命にあるが、近代的科学技術の運用者である米海軍も、遅まきながら関心を持ったようだ。空軍は未だに事実を隠蔽しているようだが・・・

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宇宙では、資源略奪を意図する中国の進出が始まっているが、我々はもっと違った観点から、高次元の存在と手を結ぶ必要があるのではないか?

その意味では、前に紹介した友人・天宮清氏の地道な研究成果を改めてご一読いただきたいと思う。

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次は恒例の雑誌「丸」6月号である。今月は陸軍の戦闘機「隼」に関する貴重な資料が並んでいる。

「さよなら平成・改元記念」特集の「平成の自衛隊、31の出来事」も貴重であろう。

尤も憲法の制約が解けないうちはプラモデル並みの話に過ぎないが・・・

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