軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

突然の計画変更がもたらすもの

ミッドウェー海戦で沈没した空母「加賀」発見と時をほぼ同じくして、空母「赤城」も発見した、と米財団が発表した。共に靖国神社例大祭中の出来事である。

次々と襲来する台風と合わせて、私はこれもまた涙を流している戦没英霊の御帰還ではないのか?と思いたくなる。

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米軍機の攻撃を受ける空母『赤城』最後の雄姿

ミッドウェー海戦

処で話は変わるが、2020年東京オリンピックの男女マラソン競歩のコースを札幌に移す案が突如国際オリンピック委員会IOC)から提案され、国内は賛否両論が渦書いているが、IOCトーマス・バッハ会長の意向が強いそうだ。しかし、大会決定時に「トキオウ!」と発表したのは“バッハ会長”本人ではなかったか?。

確か「サッポロ」とは言わなかったと記憶しているが・・・。

東京の気温が高いから、少しでも涼しい北海道へ、と言うのだろうが、どうも胡散臭い。

税金を出す東京都民始め、小池知事もあっけにとられたろう。「おれおれ詐欺」事件みたいだが、老兵にはあまり関係がないから、空母「加賀」と「赤城」発見の報に接し、余計なお世話だろうが「急な計画変更」がもたらす災害について少し書いておこうと思う。

日米開戦後、将来米国は豪州を基地として南方から反攻して来ると予測した大本営海軍部は、昭和17年3月初頭にフィジーサモアニューカレドニア攻略作戦(F・S作戦)を陸軍部に提案した。その目的は米豪間の海上輸送を活発にしていた豪州は米国の対日反攻基地化しつつあり、今これを制圧しておかねば将来手に負えぬことになろう、と判断され、豪州本国を制圧できないとしても、フィジーサモアニューカレドニアを攻略して航空基地を設置し、米豪間を遮断しようと言うものにあった。陸軍側は検討の末これに同意し、第17軍を新設し、新作戦の準備を着々と進め、検討を終わって正式発令を待つまでにこぎつけていたところ、進攻作戦発令直前の2か月前に海軍側から突如変更申し入れがあった。

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西太平洋作戦図

 

この大作戦発令直前の海軍による変更要求に対して、陸軍側は大いに疑いを持った。

つまりハワイ攻略作戦に利用されるのではないか?と疑ったのである。真珠湾攻撃時も時の東條首相には伝えられていなかったと言う説もあるから、陸軍側の海軍側に対する不信感は一気に強まったのである。

これに対して海軍側は、連合艦隊司令長官山本五十六大将が、強硬にミッドウェイ、アリューシャン作戦の実施を主張し、永野軍令部総長がこれに同意してしまったので、陸軍が不本意であるならば海軍だけでも実施する、と息巻いた。

山本長官が決心を変更した理由は、4月18日にドーリットルによって『東京空襲』が実施されたことにあった。

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ドーリットルの空襲:インターネットから

 

この様に、事前に十分準備されていた計画を、ある一人の指揮官の独断で変更すると、結果はうまくいかないと言うジンクスがある。

人心が乱れるからである。

その結果がミッドウェイ海戦の敗戦であり、4隻の虎の子の空母と、熟練した空母操縦者を失い、その補充が出来ないまま、づるづると戦争を続け、結局我が国の滅亡に結びつくのである。

“平和の祭典”を取り仕切るバッハ会長と、銃弾飛び交う戦場に向かう決死の将兵を指揮する山本五十六大将と単純に比較することは無意味だろうが、F・S作戦を入念に準備していた陸軍としては、兵員の思考の全てがその方向に向かっている時に、突如「やーめた!」と言うのでは部下たちは上層部についていけなかった事であろう。特に陸軍部の作戦幕僚たちにとっては恥をかかされたも同然である。

どうもどの世界にも、現場を知らず、部下たちの心もつかめず、何でも自分の思い通りになると思って「机上の空論」をもてあそぶ人種は絶えないものだ、と思わされる。

 

 

届いた雑誌などのご紹介

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HANADA12月号

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WILL12月号

両誌とも、相変わらず「韓国問題」に熱心である。いかに文大統領の今回の反日態度に、”保守”派論者が頭に来たか、という証明だろう。

私はとっくにWiLLの特別号「さようなら韓国」同様、韓国にはサヨナラしているのだが…

次の課題は香港とシナ共産党問題ではないかな~。同胞が”拉致”されているのだから…

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航空情報12月号

輸送機の発展も素晴らしいが、戦闘機はなお素晴らしく発展している。マルチロール戦闘機の研究は興味深いが、他方無人機も驚異的に発展しているから目が離せない。

防研同期の久保田氏による連載も終わった。やはりミサイルの攻防は宇宙に発展するのだろう…

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「究極の魂の旅ースピリットへの目覚め―:ジェームズ・ギリランド著:知念靖尚訳・ナチュラル・スピリット¥1800+税」

米国・アダムス山の麓で、地球外知的生命体とのコンタクト覚醒コンタクト活動をしているギリランド氏の著書である。

「スピリチュアルな道を進む多くの人々を助け、長い間誤解されてきたET、及び高次の存在とのコンタクトの世界を明らかにするのに役立つ洞察をするのが目的」だという。

現状の地球を見ていると、あまりにも次元が低く感じられるので、いずれ通過するラインの後ろにある現象を、少しだけでも理解しておきたいと思っている。

特に現代日本人が失った「精神世界」をもう一度思い出したいと願うようになってきた。