軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

君子、危うきに近づかず!

15日、東京都が新型コロナウイルスの感染者が都内で新たに8人確認したと発表した事で、すでに保菌者が都内に相当数‟侵入”していたことを示している。

それは中国政府は潜伏期間は「24日」だと発表していたから“当然の成り行き”でもあった。つまり、1月27日前に武漢から来日していた観光客たちが国内各地で相当なウイルス菌をまき散らしていた、という勘定になるが、誰もその点には触れていないことがおかしい。恐らく政府にとっては「想定外」の出来事だったというのだろうが、初期の情報を隠滅していたとすれば「経済的損失」ばかりを考慮するあまり、国民の健康を守るという基本を忘れていたのだということになる。

その誤判断をあざ笑うかのように、菌は芽を吹き出して、各地に広かったのだろう。

東京以外でも「爆買いを期待している」観光地も含まれていると見たほうがよかろう。「PCR検査」は民間に普及していないそうだから、不審に感じた患者が保健所や街医者に行っても、大学病院などほかに回すか診察を断る以外に手の打ちようがない。そこにダイヤモンド号に“閉じ込められていた”乗客などから、感染者が続発した。これまた“想定外”だっただろうから、政府は大慌てしているに違いない。

武漢は人口1,100万人で、東京都よりやや人口は少ないが、武漢市の面積は東京都の約4倍だから、人口密度でいうと比べ物にならないし、日本人の大半は「細菌戦」に全く無知な上に無関心である。旧陸軍の「731部隊」といえば、“悪魔の飽食”を思い出す程度で、「平和憲法」が守ってくれると教え込まれているから始末に負えない。

ある研究者によると「武漢市の発症率で人口1300万の東京に広がった場合、53万人が罹患する」という。

「どうせ風邪の一種だから死ぬまでのことはない」と嵩をくくっている者もいるが、中国では感染者はすでに6万8500人を超え、死者が1600人を超えているという。東京都のみならず全国で千人を超える“死者”が出たら、日本人も少しは真剣に考えるかも…

加藤勝信厚生労働相は16日のNHK番組で、新型コロナウイルスの感染が拡大しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、乗客らの検査により、新たに70人の感染が確認されたと明らかにした。感染者は計355人になった。

 クルーズ船の他にも国内で感染者が増えている現状を踏まえ、加藤氏は「今後拡大していく可能性を前提にしながら体制をつくりたい」と述べ、検査や医療体制を強化する考えを示した】そうだが、まるで”泥縄”、真剣みが足りないと非難されても仕方あるまい。

来日中の楊外務委員は、政府と何を相談している事やら…

この“騒動”を見ていると、昔の“サリン騒動”を思い出す。政府も、警察も、もとよりメディアもサリンという化学剤そのものを知らなかったから、右往左往。

ニュースを見て松本事件から「ピン!」と来た信州大医学部教授が聖路加国際病院に通知したので、自衛隊の化学防護隊が、化学防護車、除汚車などを帯同して史上初めて出動する事態となったのだが、この事件からも全く教訓を得ていない。世界は「都市部で起きた『世界初の化学テロ』だと認識して対策を講じたのであった。だから“軍事大国”米国の動きは素早いのである。

当時私は松島基地司令であったが、サリン、VXガス、タブン、ソマンなどという「化学兵器用語」が飛びかっていてもぽかんとしている「備えなき“平和国家”」の惨状に目を覆っていたものだった。

面白いことに、カブスダルビッシュ有投手(33)は【新型コロナウイルスに対する“防御率”も優れていた。16日、自身のツイッター新型コロナウイルスの感染リスクへ対策が1月末時点で万全だったと明かしたという。

 キャンプに入る前は米テキサス州で自主トレをしており、「自分は1月末の段階で日本からの来客を断りました。その際結構な批判を受けたけど、まぁ何もわからないウイルスだから当たり前なんだよね」と説明。感染力や毒性についてはさまざまな説が飛び交っており、「大丈夫、大丈夫って言うのはある程度そのウイルスをコントロールできるようになってから言うといいと思います」と持論を展開した。(中日スポーツ)】

ダルビッシュ投手だけは教訓に学んでいたのだ!

それに比べてカンボジアのフン・セン首相は、入港した「ウエステルダム号」の乗客を出迎えたがマスクもせずに、大げさな身振りで乗客らと抱き合ったり握手をしていたが、下船後に航空機でマレーシアの空港に到着したアメリカ人女性(83)が、新型コロナウイルスに感染していたことがわかった。

今頃慌てているだろう?が、マア、親中派の首相のことだから、いざとなれば、武漢の収容施設に予約しているのかもしれない。

f:id:satoumamoru:20200216143759j:plain

《2020年2月6日、中国湖北省武漢市の「火眼」研究所で、検査技師が新しいコロナウイルスの検査を受ける人から採取したサンプルを調査している(STR/AFP via Getty Images)》

 

現在のウイルス拡散状況は、Jphns Hopkins CSSE のHPで一目瞭然である。

“人種差別”の観点からではなく、自らの身を守るという観点から、ここ当分「君子危うきに近づかぬ」方がよかろう。