軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

立ち止まって考える絶好な機会

3月22日の産経抄氏は「人間の品格」についてこう書いた。

【人が3人寄れば社会が生まれ、人の口が3つ寄れば評判が立つ。「品」という字はよくできている。「しな」と読んでいろいろな物を、「ひん」と読んで物の等級や人柄を表す。物の値打ちも人柄の尊卑も決めるのは他人の口、つまり評判である。

 ▼近頃、悪しきウイルスから人の口を守る品(しな)と、それに関わる人の品(ひん)をめぐり考えさせられることが多い。甲府市の中学1年生、滝本妃さんは薬局でマスクを買いそびれた高齢女性の姿に胸を痛め、山梨県に手作りのマスク612枚を贈った。お年玉貯金から8万円を下ろし、材料費に充てたという。

 ▼映像で拝見したところ、一枚一枚を袋詰めにし、「お役に立ったらうれしいです」と自筆の手紙も添えていた。手の温もりを込めた一品。そこから漂う薫り高い人品。一陣の風が吹き抜けるような心地よさを覚えるニュースだった。

 ▼50代の静岡県議がネット上で大量のマスクを売りさばいたとの報に接したのは、10日ほど前である。1セット2千枚を、多いときは数セット単位で出品したらしい。品薄のさなか、代金の多寡を問わず飛びついた人は多かったろう。

 ▼自身が営む商社で、以前に仕入れた商品の在庫という。世の困窮に付け込んだ、いや機を見るに敏の、腕利きの商売人である。それにしても一針ごとに「お役に立ったら」の願いを込めた女子中学生の深慮に打たれる一方で、重い職責を担う人の行いに品格のかけらも感じないのはどうしたことか。

 ▼売り上げは計888万円に上ったらしい。口ならぬ八が3つ。人としての大切なものと引き換えに、何を得たのだろう。件(くだん)の県議は、売り上げをウイルス対策に役立てたいと語った。人としての品をこれ以上落とさぬよう、善処を願ってやまない

 

自衛官には「職務に専念する義務、2.職務を遂行する義務、3.命令に服従する義務、4.指定場所に移住する義務、5.秘密を守る義務、6.品位を保つ義務」という6大義務が課せられていたから現役時代には、常に意識していたものだ。

しかし、どうしたことだろう。バブル景気に浮かれていたころは、すべての判断基準は「収入の高低さ」であり、高いものが威張り散らして?いた。金持ちが「自動的に」人格が高潔でもあるかのように…

しかし、80を超えた老兵の幼年時代は、戦時中であったから、両親がひもじい思いをさせまいと、懸命に育ててくれた。戦後はもっとひどかった。巷には「浮浪児」があふれ、「もく(吸い殻)拾い」を日課にしている者もいたし、占領軍のジープに駆け寄って「ギブミ―チョコ」と叫んでいる者もいた。これを見た母は、「いかに戦に負けたからと言い、日本人の誇りまで捨ててはならない」と厳しくしつけられた。目の前にチョコが落ちていても…欲しかったが「腐っても鯛」だと我慢したものだ。

武漢コロナでひどい目に遭って「儲けが減って閉める」事になった店は気の毒だが、「補償せよ!」と要求する者には違和感を覚える。勿論苦しいことはわかっているつもりだが。

戦後のどさくさに紛れていい思いをした者もいたが、社会が安定すると必然的に淘汰されていくのを知った。たぶん「品格」を見失っていたからだろう。気の毒だった…

武漢ウイルスのせいで、生活が狂った人々を手助けする動きがあるのは実に嬉しい。特に幼少期の子供たちに老舗旅館が食事を提供したり、学校給食で余った野菜などを廉価で提供する店もあるという。やはり苦しい時を耐え抜いた、日本人の「助け合いの精神」は生き続けていたのである。

あるブログに「個人的にはそんな経済発展せずとも、私が小学生頃の70年代前半程度の生活で十分と思います。

ビーフステーキじゃなくても、安価な焼き魚で十分です。そこには『コミュニティ』がありました。

近所のおばあちゃんやおばさん、怖いじいさんもいました。優しかった近所のおばあさんにまた会ってみたいなと時々おもいだします。死んだら会えるかもな。(笑) コミュニティを形成してきた、お祭りや子供会や盆踊りも少なくなったと思う。正直、私の人生で指折りの楽しかった思い出は、4年生・5年生の頃にみんなで御神輿を担いだことです。

しかしいま、地元へ帰ってもだれも残っていません。住宅地はマンションと駐車場へ変容し、二度と元には戻りません」という投書があったが、恐らく彼もそんな時代の体験者なのだろう。

それに比べて「お・も・て・な・し」などと歯の浮くような言葉で誘った国際運動会は、私が危惧していた通り延期になるそうだが、この「平和の祭典」とやらもアスリート第一!と言い募る奇妙な大人たちに利用された、まるで長良川の「鵜飼」のように見えていた。実を得ようとしているのは、今回の件でそんな大人たちだったことが浮き彫りになったじゃないか!

それにしても海外メディアに「延期…」と個人的意見を述べた理事は‟上司”からきつく咎められたが、彼の言通りになったのだから“上司”はどうする気だろう?

我が国にも、自分に不利な意見を封じる、共産主義的風潮があるのはどうしたことか?やはりそこに欠落しているのが「品格」という言葉だろう。「いい歳をして品がない」とはこのことを言うのだ。

今朝の大紀元日本は「瀋陽のレストラン、日本と米国の「疫病を歓迎」政府公認プロパガンダか」と報じているが、これなどは品のかけらもない。こんな国の‟首席様”を国賓招待とは開いた口が塞がらない。

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中国遼寧省瀋陽市にあるレストランは、米国と日本の中共ウイルス(武漢肺炎、COVID-19)流行について「疫病が長く続くように」と書かれたスローガンを掲載した。ネットユーザーたちは、印刷方法などから現地の中国共産党宣伝部が製造したものと見ている。 23日午後には撤去された】

今回武漢から広がった「ウイルス事件」は、このような傲慢な北京政府が世界中から嫌われることとなったが、政権が崩壊すれば14億の人民には幸福が訪れることになる。

 

ソ連の崩壊は革命から74年後、ソ連邦成立から69年であった。シナは成立後71年目である。崩壊してもいいころだ。もっとも我が国も、敗戦後75年だからそろそろ制度疲労を起こしているから、今までの「バブル」を排除した「品格ある国家」に戻るべき時期に来ているといえるだろう。今朝の2つの書籍広告を見るがよい。まさにこの通りじゃないか?

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不要不急の外出を控えるよう総理は国民に要請したが、改めて不要不急物資の購入、買うべきものはより安価なものにし、極力嗜好品はやめるべきであろう。

災い転じて福となす、これも日本人の特技である。

要は今までの奢侈に流れた生活を見直し、質実剛健な日本人に戻るように天が差配している様に感じる今日この頃である。

 

届いた書籍のご紹介

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航空情報誌5月号

表紙に宇宙ロケットが飾られるのはまれである。いよいよ航空雑誌にも「宇宙」が取り上げられるときになった、と感無量である。