今日の大紀元日本は、中国官製メディアは7月18日、三峡ダムについて「変位、漏出、変形」が見られたと報じたという。
昨年来インターネット上では多くの指摘がなされていたが、当局は否定し「人民の幻覚だ!」「航空写真の歪だ」とまで言い放っていた。記事はこうだ。
【中国国営新華社通信によると、連日の豪雨の影響で「長江第2号洪水」が発生したとともに、三峡ダムに流れ込む水量が急増し、18日午前8時には6.1万立法メートル/秒にまで達した。
同時に、ダムの放水量は3.3万立法メートル/秒。新華社通信は「今年、増水期に入ってから、三峡に到達した最大規模の洪水だ」との見方を示した】
7月4日時点で「長江第1号洪水」の三峡ダムへの流入量は3万立法メートル/秒だったから、実に流入量は2倍になったのである。新華社の報道だから「幻覚だ!」とは言えまい。
【三峡ダムの運営部門の観測記録では「ダムの変位、漏出、変形」が見られたとした。しかし、変位などに関する詳細を明示せず、「(各数値は)正常範囲内にある」と強調した。
昨年7月、あるツイッターユーザーは2009年と2018年に撮影したダムの衛星写真を比較して「ダムが変形している」と指摘し、話題となっていた。中国当局は衛星写真に「技術的な問題」(ダムは設計上計算された歪みに過ぎない)があるとし、否定していた。
18日の同報道によれば、三峡ダムの水位は160.17メートルに達した。実質蓄水位の175メートルまであと15メートル。同ダムでは、21日に新たな流入のピークを迎えるという。
一方、長江下流域に位置する江蘇省南京市の観測所では、18日午前8時、水位が10.23メートルに達し、1954年以来の最高水位を観測した。江蘇省は、長江南京流域に洪水警戒レベルの4段階中、最高レベルの赤色警報を発令した。
安徽省でも18日正午12時までに、省内に流れる長江、淮河を含む35の河川の水位が警戒水位を超えた。省政府は同日午後3時、水害の応急対応レベルを最高級の1に引き上げた。中央気象台などによると、今後3日間、安徽省では引き続き大雨に見舞われる恐れがある】
一部外電で気になるのは「三峡ダムに隣接するダムを意図的に爆破し、流れ込む水流を人口の少ない農村地方に流した」と言う報道である。
ダムによって上流の重慶などでは水害が深刻化しているから「三峡ダムを放流せよ」と迫っているらしいが、下流の武漢市などはそれに反対していたから、切羽詰まった中共政府(ダム関係者)は三峡ダムに隣接する一部ダムの爆破に踏み切ったのかもしれない。
問題は、水流よりも堆積していた土砂の方である。恐らく土石流となって下流を襲うだろうから甚大な被害が予想される。
いずれにせよ中共政府にとっては人民の命は鴻毛の軽さなのだから、気にも留めていないことだろう。
豪雨は明日まで続き次第に北に移動すると予報されているから、21日が節目だと言われているが、「ノアの洪水」は現実のものになる。さてわが政府はどうするか…大陸に住んでいる日本人の収容は?熊本などより深刻だろうに…
水害の後には必ず疫病が流行るので、雨が収まっても大陸内には恐るべき疫病が蔓延し、武漢コロナどころではなくなるだろう。海で接する我が国は、邦人救出と防疫にどう対処する気だろうか?
自衛隊を頼っても今度は無理だろう……
シナ人のブロガーの間には、「これで習近平主席の命運は尽きるだろう」などと期待する向きもあるが、仮に習下ろしが始まったにせよ、特権階級であるセレブ?の保身のための戦いで、人民の生活向上なんぞ上層部が考えているはずはない。9000万の党員の自己保存のための戦いになるから、党が消滅しない限り中国人民の幸福は期待できないだろう。
その時、我が国の親中(媚中)派の議員はじめ外交官や企業主はどんな態度をとるのだろうか?
対中援助よりも、自国民の防疫対策が最大の主眼になることを忘れないでほしいが、うまい汁を吸って生きてきた彼らには通用しまい。被災している中国人民と同様な気持ちで中共指導部に対処しないと、大きな禍根を残すことになり「GoToトラブル」などと騒いでいる暇はなくなるだろう…。
政府よ、備えはいつものように「あらゆる手段で」「しっかりと」「万全か」??
届いた書籍のご紹介
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『秘密結社ヤタガラスの復活:保江邦夫・雑賀信朋対談集;青林堂・¥1500+税』
陰陽師の家系に生まれた理論物理学者と中学生時代に交通事故から奇跡的に生還し神道に感化された高校1年生との「安倍晴明に教えられた秘密と秘策」に関する深遠な対談である。
保江先生とは、青林堂のジャパニズムで対談し、意気投合してシンポジウムに参加したことがあるが、科学と神秘?の融合は聞くものを飽きさせない。
一般的に「ヤタガラス(八咫烏)」のカラス?を鳥と誤解している向きがあるが、クロス=十字架の意味である。
あとがきに保江先生が「もう若者に託そうではないか」と書いているが、私も全く同感。時代は刻々と進化しているのだ。
知的好奇心がわいてくる読み物として若者にぜひ読んでもらいたいと思う。
月刊Hanada9月号
花田編集長による「安倍総理」と「菅官房長官」とのインタビュー記事は一見明快な質問の中に、鋭い(あるいは皮肉を込めた?)指摘が含まれていて考えさせられた。
総理の回答は一見無難に聞こえるが、もし本気でそう考えているとすれば、「武力を放棄させられた国の総理」らしい迷答弁だろう。
例えば花田氏の「習主席の暴走に対して国際社会は非常に強い非難の声を上げています。それに比べ、日本政府の反応が弱いのではないでしょうか」という問いに対して安倍総理は、香港の騒動に対して「国際社会の一国二制度の幻想に対する信頼を損なうものであり遺憾です。このような我が国の立場を、外務大臣談話として発出しました。遺憾という言葉は、懸念や憂慮よりも強い表現です」と答え、「遺憾が外交上どれくらい強い表現」であるかと得々と語っているが、所詮は外交用語のひとつにすぎまい。
ウィキによれば一般には「思い通りに事が運ばなくて残念だ」という意味で、期待したようにならずに、心残りに思うこと」とされ、英語では、regret、shame、indifferentなどの表現で表され・・・
外交における「〜は遺憾である」という声明は「〜は為されるべきではなかった」という見解の表明として使われている。
相手の行為に対する言及であれば非難となり、第三者の行為に対する言及であれば旗幟の表明となる。ただし、いずれの場合も劇的な対処を行わず事態を収拾しようとする意向を暗示するものであることが多い。
外交表現においては、その言葉の中に直接語られていないものの、暗黙の内に示唆されている部分に真意が隠されていることが多く、これを読み誤ると外交関係の中での対話の意味を取り違えることになる。
特に政治関係において都合よく多用される表現であるが、本来の意味で解釈すれば、かえって相手に不快感を与えるものであるため、注意が必要である。
もともとこの用語は日本政治の慣用語であり国際外交の場では意味不明なものでしかなかったが、昭和40年代に日本が表明として使ったことがあり、この言葉の微妙さが話題になった・・・】とあるから、一国の首相の意思表示としてはいかがなものか?
ちなみにこれに類する例としては、自称ユーチューバーの男(29)と接触のあった警察官ら7人が陽性と判明したことについて、大村愛知県知事が「結果として、愛知県内での感染拡大にもつながっており、極めて遺憾だ」と述べた例や、鹿児島市のショーパブを訪れた巡視船の男性乗組員3人が新型コロナウイルスに感染したことに関し海上保安庁長官が「自ら感染リスクの高い場所に出入りして感染したのは誠に遺憾」と述べたことに類する。
恐らく外務官僚に”説得”されたのだろうが、相手は全く痛痒を感じてはいまい。日本外交の弱いゆえんでもあるが総理がこうでは先行きおぼつかない。北朝鮮もそう思って気にも留めてはいまい。
その他、今月号は内容が濃いからご一読あれ。
航空情報9月号
特集「日本の防災航空」は興味深い。飛行艇100周年は、南太平洋を委任統治していた当時の我が国の航空界の発展を示している。日本航空もこれから始まったのだ。航空ファン必見!