軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

”コロナ禍”で失われてはならない人間性

武漢コロナのおかげで、活動が制限されたのが文化とスポーツ関連だろう。まず、東京五輪が”延期”になった。

各種スポーツ活動も、無観客試合を要求されたし、音楽などの文化活動も大きく影響された。

今でも交響楽団などは活動が制約されていて苦しい立場だという。

コロナ被害の方は、我が国では比較的穏便に推移しているからありがたいことだが、これも我が国の文化程度が高かったせいによるものかもしれない。武士の時代から「教育」は国民必須のものとして定着してきたし、近代に入ってからは特に義務教育が徹底した。

そのせいだろうか、識字率も圧倒的に高いし、子供たちの”躾”も比較的良好だから、衛生観念が発達したのだろうと思う。そのせいか、コロナの罹患率は圧倒的に低い。

昔から「お上の命令には従順に従う」国民だから、ある意味為政者にはやりやすい国柄だと言えよう。

「コロナ自粛」で運動不足だから、ここ半月、一万歩を目安に近在の公園を家内とともにウォーキングしているが、そんな人気のない山間部でさえ、たまに出会うウォーカーが几帳面にマスクとつけて歩いているから、マスクをずらしている私の方が慌てて装着することになる。融通が利かないというか、几帳面だというか、むしろ感心する。

山歩きを終えて、殆ど人を見かけない高級住宅街を戻ってくると、まるで「ゴーストタウン」のように感じる。

ところがある日、面白い体験をすることになった。

バラの花が咲き誇っているある家の前で。家内が感心して眺めていた時、リハビリ?で歩いてきた方から声をかけられ、「ソーシャルディスタンス」を保ちながら色々な話を聞いたのだが、近所の民家の「サロン」を紹介されたので顔を出して驚いた。この一帯は人気のない住宅街だと思っていたが、老齢だが明るく活発な奥様方が10名ほど集まっていて、コーヒー(¥100)を頂きながら、壁いっぱいに展示してある絵画や写真などを拝見したのである。

それぞれ有効な人間活動の場があるものだ、とその時思い知らされた。さすがに女性陣に圧倒されたか?家のご主人は隣室でTVを見ていたが、私が参加したので力を得た?かアトリエを案内してくれた。彼は画家であった。

そんなインテリ(婦人)達に囲まれて、切れかかった”バッテリー”の私は久しぶりに刺激を受けたが、やはり人間は人との触れ合いが一番大切なことことだと再認識した。TVは一方的だし…

武漢コロナ」は、私はシナ発の「生物戦争」だと考えているが、一年近くなっても「今日の発症者数」に振りまわされている行政を見ているとなんだかやりきれない。

国家の安全が不安定になると、文化活動が衰えるのは当然だとしても、今の行政は「経済優先」で、金のことしか頭にないようだ。

人が途絶えた住宅街の一角では、高度な文化活動が行われていて、その損得抜きの姿勢にも感心した。経済活動はもちろん大事だが、生身の人間が失ってはならないものがあることを悟った。

でも、こんなささやかな高齢者だけの「教養講座」は、世に広まることもなく消滅してしまうだろうことが何となく惜しまれる。

16日の産経にはこんな心温まる記事が載っていた。

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「コロナコロナ」で喧しい人間社会の隣では、こんな小さな命が懸命に生きようとしていたのであり、それを救おうとした人間の行動に救われた気がしたのである。

「カーくん」は、コロナでぎすぎすして「人間性」を忘れかけた人間社会に、大事なものを思い起こさせてくれたのではないか?

 

届いた書籍のご紹介

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「航空情報12月号」

傑作輸送機C-130のすべては参考になる。

1950年に開発され、ベトナム戦争でも活躍したが、唯一の難点は速度が遅いということだけだろう。災害の多い我が国でも大いに活躍しているが、これに代わる機体はなかなかないだろうと思う。

そのほか、着々と軍事増強に邁進するロシア空軍の動きに注目したい。

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「軍事研究11月号」

専守防衛は敵基地攻撃を許さないのか?」は必読だろう。

マ、最も政府はなかなか決断しないだろうから、この論議やいつまでも続くと思う。私は口に『タコ』が出来ているからもう無関心だ。学術会議メンバーにはぜひ読んでほしいものだが・・・

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「国の防人:展転社刊¥1000+税」

友人の田中卓郎先生からいただいたもの。

哲学者らしい真剣かつ熱意ある論考だが、書籍離れが進む現在、まじめに目を通す人がいるだろうか?と気になるほど現行「憲法」に切り込んでいる。他の作者もそうそうたるメンバーだが、今の”オチャラカ”ばやりの風潮にはなじめないだろう。こうして真っ当な論が次々に消えていく・・・退官後、防衛の重要さを説き続けてきた(?)私は、いやというほどそのむなしさを経験している。

しかし一人でも有能な若者が目をつけてくれることを期待したいものだ。