軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

10日は東京大空襲から76年、明日は3・11から10年目

あれから76年経ち、墨田区東京都慰霊堂で犠牲者を追悼する大法要が営まれる。コロナ禍で出席者は例年の10分の1だそうだが、法要が続けられていることが嬉しい。犠牲者も喜んでいることだろう。

 

”敵国”の指揮官だったルメイ将軍は日本の家屋が木と紙でできていること注目、対空防御網も手薄なことを知り、命中精度が上がる「低高度爆撃」方式を実施させて、我が国の非戦闘員を犠牲にした。

のちに原爆投下も彼が担当し実施させたが、これは当時のトルーマン大統領の直接指示だったと言われている。

その後、ルメイ大将は勲一等旭日大綬章を受賞したが、これには日本国民のだれもが複雑な感情を抱いている。当時の自民党政権佐藤栄作総理大臣と、防衛庁長官小泉純也小泉純一郎の父)と外務大臣椎名悦三郎の連名で「航空自衛隊創設に尽力した」との理由で彼に勲一等を上申し授与したというが、通常勲一等は天皇が直接手渡されるのが通例だが、昭和天皇は親授されなかった。

世論の反発を気にしてか、授与されたルメイ将軍が防衛庁を訪問した際、小泉長官は面会せず時の事務次官が面会している。自分の人気に影響があるような”いやなこと”は部下にやらせるのが政治家だ・・・

日露戦争時の乃木将軍とステッセル将軍の会談とは全く異なっているから「国民感情としてはいかがなものか?」と私も思うが、この”政治家原則??”は不変であるような気がする。つまり、習近平国賓招待問題に通じるからである。

やはりわが国の政治家には”信念と節操”がないという証拠だろう。

それはともかく、当時の状況を伝える写真が「日録・20世紀(講談社刊)」「朝日クロニクル・週刊20世紀)」に残っているから展示しておこう。

 

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「週刊20世紀(朝日クロニクル)」から

まるで3・11の被害状況に似ているが、76年前は都心はこうだったのだ。そして10万余の非戦闘員が犠牲になった…。

しかし、中にはこんな豪胆な写真もある。開き直っている男性の笑顔がなんとも頼もしい。

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東京のみならず、横浜も大阪も同様だった。

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大阪の惨状「朝日クロニクル」

 

しかし大阪でも近隣で助け合いが始まっていて、笑顔さえ見える。なんとも頼もしいではないか!

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「週刊20世紀(朝日クロニクル)」から

横浜も同様だった。猛火に追われて避難する人々。後ろの電線には紙切れや布切れが引っかかっている。写真では、熱が感じられないが、熱風が舞っているのだろう。息苦しかったに違いない。

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戦争は”人災”だが、天変地異は”天災”である。「空襲警報」も発令されないから突発的に襲い掛かる。

明日は3・11から10年目、今年は何が特異な事象が起きてもおかしくない雰囲気だ!

次は悲惨だった当時を私なりに振り返って見ることにしたい。