軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

内外共に新しい時代の幕開けが迫る。

前回、水泳の池江選手復活劇を目の当たりにして「若者に期待」した一文を書いたが、その後も‟勇気無き○○老人たち”の話題よりも、新世代の若者たちの活躍が続いていて頼もしい限りだ。

今日の「直球曲球」欄に宮嶋茂樹氏は私に代わって!こう書いている。そのとおりだと思う。

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そしてそれに続いた快挙は、ゴルフのマスターズを制覇した松山選手だろう。

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いささかそれに隠れているが、メジャーリーグでの大谷選手の活躍も見逃せない。彼もひじの手術などで苦労したが、今シーズンは二刀流で活躍している。

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それにもう一人、囲碁の仲邑薫2段(12)がいる。小学2年生時にあどけない笑顔でデビューし、4年生で有段者になった彼女はすでに中学生になっていた!12歳での2段昇段は快挙だという。

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私事だが、10年前に親しくなった当時5歳の幼児に「剣道を習わせなさい」と母親に指導したが、彼女も同意して彼は剣道に精進し、中学2年生で初段を、3年生で2段をとった。われながら驚いたのだが、たまたま近所に拓大出身の先生がいて、彼に見込まれて指導を受けていたというが今や170㎝に成長して、鋭い面を繰り出しているから将来が楽しみだ。

「鉄は熱いうちに打て」とよく言うが、その通り、変な‟色”が付かないうちに武道などの精神に目覚めさせるのが大人の役目だと思い、自分の経験から助言したにすぎないのだが、その彼は今年高校に進学した。

世のなかはコロナ禍で変則的な教育環境になっているが、おそらくまっすぐに成長してくれるだろうと信じている。

若い、ということはいいことだ。健全な精神は健康な肉体に宿る、と昔から言う。池江選手などはその典型的な例だと思う。勿論本人の努力の成果なのだが、裏で、彼女、彼らを金づるとしてしか見ていないような大人たち!が暗躍していないことを切に望みたい。

 

処で国際情勢は静かに?動き出した感がある。ウクライナイスラエル方面は一触触発の気配が高まっているが、私が“期待?”しているのは米軍のアフガンからの撤退である。トランプ前大統領が決断した時、私は彼はなかなかの戦略家だ!と感心したものだが、メディアは気が付いていなかっただろう。

時事通信は、【米政府は13日、米同時テロから20年の節目を迎える9月11日までに、アフガニスタン駐留米軍を完全に撤収する意向を明らかにした。これにより2001年から続く「米史上最長の戦争」は終幕。ただ、米軍撤収後にアフガン情勢が不安定さを増すのは必至で、同国が再び内戦状態に陥り、テロ組織の温床となる可能性は否定できない。(中略)米政権高官は「同時テロ首謀者に正義をもたらし、アフガンを米国攻撃の拠点として使っていたテロリストを倒すためにアフガンに侵攻したが、その目的は数年前に達した」と指摘。「アフガンから米国に及ぶ脅威は駐留軍なしで対処できる水準になった」と説明した。その上で「バイデン大統領は中国との競争やパンデミックなど、米国にとってより深刻な現在の脅威と課題にエネルギーや資源、人員、時間を費やすべきだと確信している」と表明した。「アフガンを苦しめている問題に軍事的解決策はない」とも言い切り、対アフガン支援を軍事から外交分野に切り替える方針を示した】

と報じたが、その裏には意味深長なものが含まれているように見える。日本のメディアには深読みできていないと思う。 

この決断に一番気をもんでいるのは中共だろう。おそらくISなどテロ組織の活動が活発化するので「中近東は再び混とん…」などと日本のメディアは書くのだろうが、ウイグルなど、中共政府に民族を抹殺されかかっている中華周辺の諸国に波及するだろうから、今度は北京政府は、ウイグル族の「反政府活動」に対して「テロ鎮圧活動だ」などと騙って欧米に言い逃れが出来まいから、明らかにウイグル族は香港のように正式な「反政府運動」を展開して、国際的な人道支援が受けられるようになるだろう。

つまりこれはトランプが仕掛けようとした「対中包囲網」に今まで米軍と戦って消耗していた民族派の各派閥がウイグル族と共同して、北京を目標に活動することになると思われる。そして今度は、ISなどの組織も「大義名分」を見出すだろうから米国が武器援助をするかもしれない。昨日の敵は今日の友という。

そうなれば、中共の海に浮かぶ“大艦隊”の出番はなくなるし、人民解放軍の存在そのものが“人民”から「役立たず」と非難されることになろう。そこで米国はシナの暴発を防ぐため、台湾との緊密な軍事協力を確立しようとしている。

そんなさなかの「菅首相の訪米」である。バイデン政権から、国防力の強化と、対米軍支援始め、相当な要求が突き付けられると思われる。バイデン政権が、友好国として日本を最初に選んだ!などと歯の浮くような自賛記事しか書かない日本のメディアは、ある日大慌てすることになるかもしれない。

いずれにしても、「菅=バイデン会談」は西欧はじめ中共からも相当な関心をもって注目されると思われる。

何が「コロナ対策」か「東京五輪再開か」とピントはずれで浮ついた日本の今の政情にあきれているのだが、やはり「高齢者」は免許だけでなく議員バッジも返納して若者たちにバトンタッチすべき時に来ている様に感じる…

 

届いた本のご紹介

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軍事研究5月号

開発研究スタート!「敵基地攻撃ミサイル」とあるが、ものを揃えても「使う意思と能力」が無ければ無意味である。政府にその意志ありやなしや??

ワールド・フォーカス「日本の空を守った50年・さらば我が青春の機体ファントム狂騒曲」はファントム飛行隊長として首都圏防空に当たった一人としては嬉しい!高Gをかけた空中戦闘訓練で、椎間板ヘルニアになり、朝夕その後遺症に苦しんでいる老兵の身としては励まされる。実は空自パイロットのほとんどは腰痛などの”勲章保持者”なのだ。政治家と役人は知らないだろうな~~

 

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島嶼研究ジャーナル

笹川平和財団が定期的に発行している”専門書”で、防研同期の高井氏の編集によるものである。今号も「尖閣諸島問題の歴史と課題(1)」を高井氏が執筆しているが、当時沖縄の防空を担当していた私としては、普天間基地問題が浮上して、米海兵隊の反対を押し切り返還が決定されたとき、クリントンと橋本の戦略眼なき合意に呆れたものだ。要するに「土地の値上がりを期待した」地元業者と政治家らの結託、並びに目だちたがり屋二人の「政治上のパフォーマンス」と受け取ったから、退官時に幕僚たちに「普天間返還はあり得ないよ!」と謎めいた話をしたのだが、一番反応したのは時の大田知事だった。ここにもN・A・T・O(ノーアクショントークオンリイ)の弊害が見られる。

あれからすでに25年たつが、辺野古は進まない。これが”法治国家”ならぬ「放置国家」日本の実態だと思う。私の目の黒いうちには「憲法改正」と「沖縄問題」は進展しまい。

代わりに浮上したのは中共政府による尖閣奪取作戦だ。お手並み拝見と行くことにする…