軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

世界は大きく変わろうとしているのに…

井の中の蛙」的な「総裁選」も一段落、メディアはあらさがしに躍起のようだが、世界は大きく変化しつつあることが分かっていないようだ。

 誰がなっても政治体制が大きく変わることはなかろうに、選出?された新総理は“穏健派”として期待されているようだが、単なる八方美人?に過ぎず日本の政治体系が変わらない限り、政策に変化はあるまい。

 北朝鮮による「拉致被害者」の救出を日本政府自らが実行しないことがそれを明白に物語っている。流行ったのは「ブルーバッジ」を襟につけることだけだったように…

日本政府の“実像”とは東南アジアの民衆から蔑まれたように、NATO(ノオ、アクション、トーク、オンリイ)の世界なのだ。

 2003年10月23日、平河町にある砂防会館の中曽根事務所で、小泉純一郎首相が、比例代表候補の「73歳定年制」を85歳の中曽根元首相にも適用し、衆院選自民党として公認しない方針伝えたことがあったが、今その「掟」はどうなっている?

 80過ぎの“耄碌爺”らが、まだまだ地位にしがみついているじゃないか!その見苦しさったらありはしない。彼らには「隠居」という語は通用しないらしい。

 

 ところで今朝の産経新聞に良い記事が出ていた。まずは優秀なる後輩の織田元空将による「正論」である。「まずは外交努力だ」とする説には老兵も飽き飽きしてきた。

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外務省出向時代、優秀な外交官の卵?らと会話すると、「軍事力の支持がない外交は、国際情勢下では全く通用しない」と体験から悔しがっていたものだ。にもかかわらず弱腰政府は、判を押したように「外交優先」とのたまった。問い詰められて不利になると「平和憲法」のせいにして逃げる。なんとも卑怯な政治屋をこの目で多く見てきたから、織田君の正論も、単なる「正論」ペーパーに終わるだろう。

 

なぜこんなだらしない国になったか、という事を問いただしたのが次の桜井よしこ女史の一文である。

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 しかし何よりも老兵にとって不思議に思われるのが、今までこれほど「不都合な事象」で国民が苦しんできていて「憲法を正さないと何も出来ない」とわかっていながら「誰も改正しようとしなかった」ことである。

 つまり「猫の首に鈴をつけようとしないネズミたち」が多かったということだ。だからネズミは猫に食われるのだ!

 それでも食っていけるのが政治屋なのだから、耄碌しようとしまいと選挙違反をしようとしまいとその権限にしがみついて一度味わった旨い汁を捨てたくないのだろう。

 こうなれば有権者の手で「民主的に」交代させる以外にはない。「また民主党時代の悪夢がよみがえる」と危惧する識者もいるが、それ位の手術をしないとこの国は生き返るまい。悪いことに皇室も色あせてきたことだし…

 

 都内の片隅で隠居中の老兵が世のなかを眺めていると、テレ朝の「ぽつんと一軒家」の住人の方が実に幸せそうに見えてくる。永田町という得体の知れない魑魅魍魎の世界だけがメディアと一緒になって、日本の世の中を取り仕切っている身勝手な風景が見えてくるが、どうしてどうして、地方には豊かな人間性がまだまだ息づいていることがよくわかる。

 

 一方、頼りにしてきた同盟国も大統領はじめ、どうも人材不足で軍事の指揮系統という点で陰りが見えてきたし、対峙している中共という“凶暴な中華帝国”も経済的に大きな陰りが見えてきた。

 そうなると指導者としてはイチかバチか、という賭けに出る可能性が高い。人民の不満を外に向けるのだ。

 今台湾海峡周辺の空域に進出している戦闘機部隊はその前兆であろう。

 

世界は大きく変わろうとしているのに、我が国の指導者たちは、一体どうしようとしているのだろうか? 織田君よりも老兵の方が呆れてものも言えない心境である。

 

 

 

届いた書籍のご紹介

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WILL11月号

いつもの論調だが、”旋風”ならぬ”つむじ風”で終わった高市議員の今後の活動を見守っていこう。「狂暴・中華帝国イスラム帝国は自由の敵!」は当たり前のことだと思えるが、「中国の脅威に備える」という防衛大臣には織田論文を読んでほしいものだ。

 

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「丸」11月号

最新軍事セミナー「こんなにある新型コロナ武漢研究所起源説の根拠」は本来ならば軍事雑誌が書くものではなく、四大紙始主要メディアが取り上げるべきじゃないのか?

だから新聞TVは信用されないのだ。