軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

敵も知らず己も知らず・・その結果はどうなるか?

プーチンという得体の知れない男に、国際社会は妙にへつらって、その増長に加担してきた。柔道が得意、だというと日本の柔道家も「負けて見せた」し、真冬の川で泳ぐ彼を、強靭な肉体を持つ男!と煽て上げた。

しかし今回の「軍事作戦」では“意外に?”戦争音痴であることを暴露した。

キエフ制圧は作戦計画では48時間以内だったはずだが、部下たちの動きはなんとものろく、「軍事施設が攻撃目標で、民間の被害を避けているからだ」と、あの人権無視の“大国”は、抜けシャーシャーとのたまった

進撃の鈍化の理由には色々あるだろうが、私はウクライナ軍と国民の抵抗、それにプーチンのロシア軍の掌握が不十分だったのではないか?とみている。バイデンの動きには敏感だったが、自分の部下たちの掌握はできていなかったのではないか?

矢は放たれたが、さてどこまで飛ぶことやら…

停戦交渉?が開かれたが、プーチンNATOの拡大をいかに恐れているかが良くわかった。モスクワを中心にした「安全地帯(バッハゾーン)」が削減されていくことに耐えられなかったのだろう。

しかし、冷戦構造崩壊時に、ソ連共産党政権が如何に人間性を無視した凶悪な(レーガン米大統領によれば「諸悪の根源」)だったか、KGBにいたはずなのに知らなかったはずはなかろう。

だからあの時、雪崩を打ったように「衛星国」は崩壊して、ソ連から離脱したのだ。

なのに今更「NATOの東方拡大はロシアの生命を脅かすもの」だとして、ウクライナ武装解除を迫るとは、盗人に追い銭を要求するようなものだろう。要は自分の安全確保のためにウクライナをもとの「属国」にしたいだけなのだ。

今朝の「宮崎正弘の国際情勢解題」に「プーチンの思惑は90%外れたが、例外は『バイデンは無能』。ウクライナのクーデターより、ロシア軍のクーデターがあるかも」と鋭い指摘が出ている。

チェチェン紛争アフガニスタン侵攻…と、当時のソ連は各地で紛争を起こし住民を虐殺したが、相手は素直に殺されるような“ヤワ”な民族ではなかったから、ソ連軍にも大きな犠牲が出て、連日母国に兵士の遺体が後送され、母や家族が嘆き悲しむ姿が見られ、厭戦機運が沸き上がり、それが「ソ連解体」に影響したという分析もある。

今回も、一人“舞い上がって”格好をつけたつもりの大統領は、宮崎氏が指摘するように、ウクライナ作戦に動員した自分の部隊から反乱がおき、祖国に残る友人や家族等の反対運動に晒されることになるだろう。その昔、ベトナムで戦った米軍が、国内世論に苦しんだように

今回の事象は、「敵も己も知らない指導者が如何に無能か」ということと、「敵に弱みを見せる指導者が戦争を招くのだ」という実例が示されたというべきだろう。

もっとも「なんの備えもなく、相手の意思に任せきりのオチャラカ経済大国?」は世界の流れからはるかに遅れているということもわかったはずだ。

この国の国民に「アニーよ銃を取れ」と言っても聞かないだろうし…

マ、そんな勇敢な指導者もいないだろうが。 

 

 

届いた書籍のご紹介

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WILL4月号

いつもと同じような内容。次号の「ウクライナ問題」が気になる。

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HANADA4月号

こちらも石原特集に近いが、トランプ前大統領の独占インタビューは読ませる。

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「丸」4月号

終戦間もない昭和20年8月18日、ソ連の軍港であるウラジオストクに突入し、目標のタンカー目前で撃墜された1機の特攻機の謎を追った記事である。ソ連軍の無法に憤りを感じた搭乗員は、他にもいたが、ウラジオストクのタンカーめがけて突っ込んだ話は知らなかった。かっての軍人たちは、血気盛んだった。今のウクライナ義勇兵もそんな感じなのだろう。

私の連載「われは空の子奮闘記」もようやく終結した。タイトルまでつけてくれた当時の菊池編集長に心からお礼申し上げたい。