軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

軍の勝敗は、軍隊よりもむしろ「“将帥”に負う」ところ大!

3月10日は東京大空襲、11日は東日本大震災の日にあたるから、各地で追悼行事が行われた。空襲は人為的な“戦争”で引き起こされ、震災は“天災”による。しかし、いずれも「危機管理」的要素を含む。その意味で、当時を振り返り「二度と悲劇に会うまい」とする決意は適切なものだろう。

戦後の日本人は、自分だけは例外!とする奇妙な自信にあふれているから、当時を思い返すことは大切だ。特に政府は!

 

ところで今ではほとんど見捨てられてしまっているが、昔の我が国の「兵学」に、クラウゼウィッツの戦争論などによって体系づけられた「統帥綱領」というものがあった。

国軍統帥の大綱を説いたもので、作戦遂行のための指導書であった。

私は防大に入校してはじめて知ったのだが、戦はもとより、普段の生活においても非常に参考になったことを覚えている。特に今は、第3次世界大戦勃発を控えた緊張した時期にあるから、各国の指導者たちに当てはめてみると、非常に参考になる。

さしずめロシアの指導者たるプーチン氏には参考になるのじゃないか?最もKGB時代には、ソ連にはこのような参考書はなかっただろうから、ちんぷんかんぷんかもしれないが…。

情報によればウクライナ地方には「地球温暖化」はどこ吹く風、大寒波が押し寄せているそうで、マイナス20度が続いているらしい。戦車の機動上は、地面の凍結はよかっただろうが、人員の移動には最悪だということを指揮官たちは忘れていたに違いない。現地からは、戦車等車両は動けず。戦車兵らは補給なしで「凍死か?」と伝えられている有様。戦車等車両が動けない原因は、ウクライナ側の強靭な抵抗と、ロシア兵のサボタージュによるんものか?と考えていたが、やはり補給上に問題が生じていたようだ。

統帥綱領には、大軍の統帥とは『方向を示して後方(補給)を準備することである』とある

おそらくプーチン氏は大軍で脅かせば、48時間程度で制圧できる、と軽くみていたに違いない。

 

今朝の産経抄氏は次のように書いた。「事前の“平和ボケしている識者”の予想なんぞ、競馬の予想屋」にも満たないから別にするとしても、CIA長官の「プーチン氏は憤慨し、いらだっている」と言う証言は正しかろう。

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統帥綱領では「将帥に欠くべからざるものは、将帥たるの責任感と戦勝に対する信念。これらはその人の性格と不断の研鑽修養とにより生ず」とある。おそらくプーチン氏にはそのどれもが‟欠如”しているに違いない。

 

かっての3・11の時も、我が“将帥”たる菅総理には全くこれらの素養が欠如していたから、今のプーチン氏と同レベルかそれ以下だったのである。大方の国民は「正常性バイアス」が働いていて、「日本の総理大臣!だから、まさかそんなにひどいはずはない」と思っていたのだ。

国民は、そんなひどい人物しか(?)大臣にはなれないことも知らなかったのだろう。

「週刊誌ウォッチング」に花田氏は,ジョージタウン大学教授のサム・ボトリッキオ教授の次のような指摘を紹介している。

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プーチン氏は聞く耳を持たないだろうから、馬耳東風だろうが、これに怯えて?いるのが、中共の指導者たちと、北朝鮮幹部ら?だろう。次はわがことになりかねないのだから。

 

日本の場合は、曲がりなりにも「選挙制度」があるから、不適格な総理大臣は排除されるが。

 

何はともあれメディアや政府は、「ガソリン高騰」の話ばかりしているが、ウクライナ“戦争”の陰でジワジワと迫っている世界的食糧危機に備えることが最優先事項じゃないのか? 農水省は取り掛かっているだろうか?? 

1993年、深刻なコメ不足に陥った「平成の米騒動」の前科もあるから何とも心細い気がする。